スーパーコンピュータ
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2009年5月にはNEC日立が経営不振を理由に同プロジェクトから撤退し[31]、3社によるベクトル・スカラー複合型から、富士通単独によるスカラー型へ設計変更された。

同年11月13日には行政刷新会議の「事業仕分け」で、当プロジェクトは「予算計上見送りに近い縮減」(事実上の凍結)と判定されたため多数の議論が行われたが、政府は判定を見直し、12月16日には2010年度予算に227億円の計上を決定した[32]

構築途上ながら2011年6月の時点において、LINPACKベンチマークの実行性能8.162ペタフロップス、実行効率93.0%を達成。2位と比べて3倍以上の実行性能を発揮し、TOP500の1位を獲得した。さらに2011年11月2日、最終構成を用いたLINPACKベンチマークの実行性能が10.51ペタフロップス(実行効率93.2%)となり、世界で初めて実行性能10ペタフロップスを超えるコンピュータとなったことを発表した[33]。セコイアは計画より1年遅れて2012年になって稼働し、京の性能を上回った。

グラフ探査性能ベースのベンチマークに基づく性能ランキング「Graph500」では、2015年2期連続で世界1位を獲得した[34]
次々世代詳細は「富岳 (スーパーコンピュータ)」を参照

京の次期システムは、TSUBAMEシリーズの設計者で理化学研究所計算科学研究センター長の松岡聡教授が率いる開発プロジェクトにて、ARMv8アキーテクチャーのCPU ⇒A64FXを新開発し、の100倍程度高速なシステム(1エクサプロップスのシステム)を2020年に構築する予定とした[35]

2020年より試行運用、2021年(令和3年)に富岳として本格稼働し、2021年11月のTOP500、HPCGHPL-AI、およびGraph500において4期連続の4冠を達成した。
国策巨大プロジェクトに関する議論

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出典検索?: "スーパーコンピュータ" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2022年8月)

日本の国策巨大プロジェクト「富岳」には従来より多数の論争が存在するが、主な論点には以下がある。特に、富岳によって計算時間短縮などのメリットを持つ研究も可能だが、それを商用利用する事は認められていない事がネックになっている[36]。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}これを使って何をすればいいのかがはっきり定まっておらず、持て余した計算リソースを使って新型コロナウイルスの飛沫シミュレーションなどのPRを行っているのが現状である。[要出典]

目的(技術立国として世界1位を目指すべきか、用途に応じコストパフォーマンスを考慮すべきか)

調達方法(実績ある特定の国産メーカーとの随意契約か、透明性のある国際入札か)

採用技術(ベクトル方式やFORTRANなど過去の資産重視か、世界の動向と将来性重視か)

重点分野(高速なインフラ整備が重要なのか、箱物ではなくアプリケーション構築が重要なのか)

波及効果(国が開発した先端技術を民間に波及させるか、汎用的で低価格な市販品を国が採用するか)

役割分担(そもそも技術開発は今後も国が主導すべきか、基本は民間に任せるべきか)

応用分野の計算結果を出すためか、計算結果を出すためのプログラムやアルゴリズムを作るためか、プログラムやアルゴリズムを作れる人材の養成のためかの論点

アメリカ合衆国

地球シミュレータによるコンピュートニクショックの後、その潜在的に大きな科学技術と国力・軍事研究の粋を挙げてHPC技術の更改と続伸を続けており、2006年8月現在、TOP500のランキングの上位50%以上をアメリカのスーパーコンピュータが占めている。近年の米国の計算機開発は、核兵器維持管理のためのコンピュータシミュレーションや高信頼性代替核弾頭など各種兵器の開発設計、作戦シミュレーションなど軍事利用が多く、技術開発は国防総省国防高等研究計画局エネルギー省国家核安全保障局核備蓄管理プログラム(先端シミュレーション・演算プログラム)の開発プロジェクトや研究費に担うところが大きく、そのフィードバックによって日本と異なり着実に国力拡大を行っている。国立科学財団(NSF)、国立衛生研究所(NIH)、航空宇宙局(NASA)などもスーパーコンピュータの設置や研究開発への資金提供を行っている。HPC技術は民間用スーパーコンピュータとしても生命科学金融工学VFXコンピュータグラフィックスなど広範な分野で使用されている。2018年6月8日、オークリッジ国立研究所IBMは、世界最高速のスーパーコンピューター「Summit」の完成を発表した。Summitは200PFLOPSの性能を有する。直近5年間では、最高速のスーパーコンピューターは中国が有していたが、5年ぶりにアメリカが返り咲いた。開発ベンダはIBMである[37]
欧州

欧州各国においては、もともと1980年代からスーパーコンピュータのハードウェア分野にはあえて手を出さず、シミュレーションソフトやコンパイラなどのソフトウェア開発に力を注いでいた。


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