1970年代より、首都ナイロビを中心に、上記のナイロビ・スワヒリ語とはまた別の、シェン(Sheng)と呼ばれるスワヒリ語の方言が発生した。シェン(Sheng)とはスワヒリ語(Swahili)と英語(English)の合成語であり、その名のとおりスワヒリ語のナイロビ方言に英語やルヒヤ語、キクユ語、カンバ語、ルオ語といった近隣諸民族の言語の語彙を多く導入したもので、マタツ(乗り合いタクシー)の運転手などから若者言葉として広まり、音楽などのポップカルチャーなどにも使用されるようになった。 ウガンダにおいては、スワヒリ語の地位は上記2国に比べてもなお低い。ウガンダは首都カンパラを擁する旧ブガンダ王国地域が主導権を握っており、共通語もガンダ人の話すガンダ語が使用されることが多い。これに反発するブガンダ以外の諸地域はガンダ語の普及に消極的であり、国内のどの民族の母語でもないスワヒリ語は彼らの支持によって2005年に英語と並ぶ公用語に指定された。これは、スワヒリ語が重要な役割を果たすケニアおよびタンザニアとの東アフリカ連邦 コンゴ民主共和国においては、スワヒリ語は公用語ではないが4大共通語のひとつであり、リンガラ語、ルバ語、コンゴ語とならんで国語に指定されている。スワヒリ語の使用地域は東部および南部であり、旧カタンガ州や北キヴ州、南キヴ州、マニエマ州、旧東部州南部、旧西カサイ州東部などが使用地域である。ただし、あくまでもリンガフランカとしての普及であり、母語話者は存在しない。また、教育言語はフランス語であり、スワヒリ語をはじめとする4つの国語は小学校の最初の2年間のみ教授言語とされ、その後は学科としても教えられない[20]。コンゴは多民族・多言語国家であるが、首都キンシャサはリンガラ語圏に属する。このため、モイーズ・チョンベやローラン・カビラ、ジョゼフ・カビラといったスワヒリ語圏出身の政治家との間に摩擦が起きることがある。2006年のコンゴ大統領選挙時には、東部のスワヒリ語圏を固めたジョゼフ・カビラに対し、リンガラ語圏出身の対立候補であるジャンピエール・ベンバが排外主義をあおり、大きな混乱が起きた。 ルワンダではほぼ100%の国民にルワンダ語が普及しており、スワヒリ語は商用言語として使われる程度であったが、周辺国との関係から2017年に公用語に制定された。また、2015年以来学校教育での必修言語となっている。なお、ルワンダでは2008年まではフランス語が、それ以降は英語が教授言語となっている。 日本において専門的にスワヒリ語を学ぶことのできる大学は、大阪大学の外国語学部スワヒリ語専攻が唯一のものである[21][22]。これは、大阪外国語大学に開設されていたスワヒリ語専攻が2007年の大阪大学と大阪外国語大学の統合によって同大に引き継がれたものである。
ウガンダ
コンゴ民主共和国
ルワンダ
その他
脚注[脚注の使い方]
注釈^ Kijapani = 日本語、Kiingereza = 英語、など
^ 日本語では母音の連続は、早い発音では二重母音に、ゆっくりとした丁寧な発音ではヒアートゥスになる傾向がある。
出典^ http://wikisource.org/wiki/Baba_yetu