スポーツそのものは世界各地で盛んに行われてきたが、19世紀中頃になるとイギリスにおいてルールの整備と組織化が相次いで行われ、近代スポーツが誕生した[11]。近代スポーツの誕生は、スポーツの隆盛と競技種目数の増加を招いた。サッカーとラグビーのように、いくつかの種目はルールの確定と厳格化によって原型から分化し、異なるスポーツとして発展し始めた[12]。いくつかのスポーツは発祥地から遠隔地の諸国へと広がり、世界的な広がりを持つようになったが、特にイギリスの植民地においては、イギリス発祥のスポーツがそのまま伝播し、クリケットやラグビーのように共通のスポーツ文化を保持するようになった[13]。また、野球やアメリカン・フットボールのように、スポーツが伝播した先で現地文化の影響を受けて変化し、新たな競技として分化することも珍しくなかった[14]。フランスのピエール・ド・クーベルタンは古代オリンピックの復興を唱え、1896年には第1回アテネオリンピックがギリシアのアテネで開催された[15]。このオリンピック大会は徐々に成長していき、やがて世界最大のスポーツイベントとなっていった[16]。
近代スポーツは当初アマチュアリズムに重点が置かれていたが、19世紀後半よりアメリカでスポーツのプロ化がはじまり、やがてヨーロッパにも広がっていった[17]。1970年代に入るとスポーツ・フォー・オール政策が各国で導入されてスポーツの一般市民への普及が図られ、また1980年代に入ると大規模競技大会の商業化が急速に進んで、スポーツ人口および商業規模は大幅に拡大した[18]。 スポーツには様々な分類方法がある。 たとえば、商業活動を禁止する「アマチュア・スポーツ」と、商業活動を目的とする「プロフェッショナル・スポーツ」に大別する方法がある。 特に技術や記録などの向上を目指し、個人や集団で極限への挑戦を追求するスポーツは「ハイパフォーマンス(エリート)・スポーツ
スポーツの分類
何らかの障害者を持つ人々が行うスポーツは「障害者スポーツ」と呼ばれる。非常に多くの種類があり、競技会も多種で、大規模な国際大会であるパラリンピックも行われている。
競技の公平性を保つために、性別や体重別による階級制による分類も多くのスポーツで採用されている。ただし近年では生物学的な性と異なるジェンダー[19]による参加が増加し、競技としての公平性が議論されている。従来の男性・女性に加えて「その他」の性別を設けたり、平等性の観点からジェンダーレス(男女混合)に回帰するスポーツ運営も増えている。[20]
フィールドや環境で分類する方法もある。水場を利用して行うスポーツなどは「ウォータースポーツ」と呼ばれる。水泳、水球、サーフィン、ウィンドサーフィンなどが含まれる。ウォータースポーツの中でも、特に海で行うものを「マリンスポーツ」と分類する。同様に夏季に行われるスポーツをサマースポーツ、冬季に行われるスポーツをウィンタースポーツとも呼ばれる。動力として風や空気の力を主に利用し操作するスポーツを「ウィンド・スポーツ」と分類することもある。パラグライディング(=パラグライダーで飛ぶこと)などが挙げられる。
道具としてボール(球)を用いるスポーツを「ball sports(球技)」、器械を用いるスポーツを「キネマティックスポーツ(器械競技)」、また近年ではビデオゲームや電子機器を用いた競技が台頭するとe-Sportsと分類されるようになった[21]。ボード(=板状の道具)に乗るようにして行うスポーツを「ボードスポーツ」と分類する。スケートボード、スノーボード、サーフィン、ウィンドサーフィン等々が含まれる。
狩猟対象としてではなく競技者が道具として動物を使うスポーツを動物スポーツと分類する。スポーツと動物の関係は多様であり、馬術や競馬のように人が直接乗るものや、闘牛や闘鶏のように動物同士を戦わせるものなどさまざまな種類が存在する[22]。
20世紀中ころに動物に変わり自動車や飛行機などエンジンのついた乗り物を操作する競技が登場すると、モーター(原動機)スポーツと呼称するようになった。
「武道」にはさまざまな面があるが、「スポーツ」に分類することはある。ただし、「スポーツ」に分類してしまうことが適切なのか不適切なのか、議論を生むことはある。また、たとえば合気道は基本的に試合形式では行わない。合気道の師範は一般に、合気道をスポーツと呼ぶことには違和感を表明している。
伝統的なスポーツと比較しつつ、新しく考案されたスポーツを「ニュースポーツ」と分類することもある。@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .mod-gallery{width:100%!important}}.mw-parser-output .mod-gallery{display:table}.mw-parser-output .mod-gallery-default{background:transparent;margin-top:.3em}.mw-parser-output .mod-gallery-center{margin-left:auto;margin-right:auto}.mw-parser-output .mod-gallery-left{float:left;margin-right:1em}.mw-parser-output .mod-gallery-right{float:right}.mw-parser-output .mod-gallery-none{float:none}.mw-parser-output .mod-gallery-collapsible{width:100%}.mw-parser-output .mod-gallery .title,.mw-parser-output .mod-gallery .main,.mw-parser-output .mod-gallery .footer{display:table-row}.mw-parser-output .mod-gallery .title>div{display:table-cell;text-align:center;font-weight:bold}.mw-parser-output .mod-gallery .main>div{display:table-cell}.mw-parser-output .mod-gallery .gallery{line-height:1.35em}.mw-parser-output .mod-gallery .footer>div{display:table-cell;text-align:right;font-size:80%;line-height:1em}.mw-parser-output .mod-gallery .title>div *,.mw-parser-output .mod-gallery .footer>div *{overflow:visible}.mw-parser-output .mod-gallery .gallerybox img{background:none!important}.mw-parser-output .mod-gallery .bordered-images .thumb img{outline:solid #eaecf0 1px;border:none}.mw-parser-output .mod-gallery .whitebg .thumb{background:#fff!important} スポーツのゲーム形式については以下のような分類がある。スポーツ競技一覧も併せて参照のこと。 個人の成績だけで勝負を決めるもの。 オリンピック競技となっている男女チームスポーツスポーツ男子女子
ウォータースポーツの一例、ウィンドサーフィンのワールドカップ
モータースポーツの一例、ラリー競技
スポーツのゲーム形式
人数による分類
個人競技
団体競技
リレー形式
個人競技を個人で引き継ぎながら記録を競う競技。
ペアー形式
通常一人で行う競技を二人ペアで連携を取りながら行う競技。
集団形式
通常一人で行う競技を複数人の集団で連携を取りながら行う競技。
団体戦形式
通常一人で行う競技を複数人が行いその合計成績で競う競技。あるいは一対一の競技を複数人の組み合わせで行い勝敗数を競う形式。
チーム
複数人の出場選手と交代要員で構成されたチームで全体の連携を取りながら対戦し競技が進行するもの。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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