スポーツ新聞創刊当時から1970年代中盤頃までは一般紙と同じように、1頁最上段は右端に題字のスペースをとり、左端に広告や天気予報、新聞社によってはミニコラムを掲載していたことがあった。その後特に駅売り即売版の読者拡大を念頭に、1970年代中盤頃から題字を少し左にずらして大見出しを出すようになった。特にこの頃から『日刊スポーツ』が青色(ブルーニッカン)、『スポーツニッポン』と『スポーツ報知』(当時は報知新聞)などは朱文字(後に報知は緑色=グリーン報知に変更)を採用するなどして目立たせた。
1990年代から1頁はカラー紙面を多用するようになったため、題字を左上にコンパクトにまとめたり、左端(『サンケイスポーツ』は右端)の縦一列で題字を表示するなどしたが、現在は全部横題字(『スポーツ報知』は右上、『スポーツニッポン』は左上にそれぞれ固定。他はその日の紙面の内容により配置する場所が異なるが、概ね右上に各新聞の略称を大きく掲載している)となった。2010年代中盤に、紙面(一部の面は除く)の、文字の拡大化が相次いだ(『日刊スポーツ』は2014年3月29日付から[3]、『スポーツ報知』は2016年1月1日付から[4]、共に12段12文字へ)。 かつて読売ジャイアンツ(巨人)が絶大的人気・実力を誇った頃は全国紙は巨人の記事を一面に持ってくることが多かったが、巨人人気の低下、日本人の相次ぐ大リーグへの進出等から、巨人を一面に取り上げることが少なくなり、その代わりにさまざまなスポーツが一面を飾ることが多くなった。なお、現在でも巨人が勝利したときは一面に持ってきている場合が多い。また、スポーツ以外の話題(例えば芸能関係やオウムに代表される話題性のある事件や、小泉内閣に代表される政治関連、北朝鮮に代表される国際情勢)も一面を飾ることが多くなった。一方、中日ドラゴンズなどの地元密着球団が成功を収めたことにより、全国紙の地方版はブロック紙との対抗上から地元球団を頻繁に取り上げるようになった。 マイナーなスポーツについては扱いが小さくなる傾向があるが、オリンピックの金メダルを有望視される選手が登場した場合は扱いが大きくなる事がある。また、卓球の福原愛の様にTVで注目を大きく集めるスター選手が登場した場合には、その選手の活躍に応じて扱いが大きくなる事もある。その一方、基本的に男性向けという性質からプロレスリング、プロボクシング、K-1、総合格闘技など格闘技については、「バトル面」「ファイト面」と称して常時1?2面が確保され特に新聞社が後援する大きなイベントなどの際には別に専用ページが一定規模確保され、広告宣伝的な意味合いも持つ選手インタビューや選手の動向などの記事が掲載される事もある。ただし、プロフェッショナルスポーツの格闘技でも大相撲に限りバトル面ではなく、一般スポーツ面取り扱いとなる(これは社の運営するウェブサイトでも同様である)。また、本場所の開催時期には別途専用の大相撲面が設けられる。冬場には周辺スキー場(関東発行であれば群馬、甲信越、東北方面)の前日の積雪や天気の情報も載る。 プロレスを初めとする格闘技の結果は今や毎日掲載されるのが通常となっているが、以前(1980年代半ば頃まで)は『東京スポーツ』と『デイリースポーツ』以外では全くといって良いほど扱いが無かった。その当時はプロレスファンが前日の結果を知る手段(勿論インターネットは無い時代)としていち早く情報が得られるとして、朝刊の『デイリースポーツ』の購読はある意味必須であった(『東京スポーツ』の方が『デイリー』より内容が充実はしているが、夕刊のためタイムラグの少ない『デイリー』が勝った)。 スポーツ以外では釣りや芸能関係に関する情報も充実している。社会面については2ページ程度に縮約された形で構成される。主に共同通信社から配信を受けた記事が多い。経済や政治関連の記事は通常は社会面の中に統合されており、企業の不祥事発覚や国務大臣辞任などの相当大きな出来事が発生した場合以外はスペースの小さい記事(いわゆるベタ記事)に留まる。揶揄するような切り口や見出し付けが多い。特に1980年代後半以後、重要な事件があったときは社会記事を1頁、ないしは裏1頁に取り上げることが多くなりつつある。全国紙系列の場合は、系列本紙からのリーク情報を載せることがある(系列本紙に初稿で載せると刺激的である場合のパイロット情報や、本紙で握りつぶされた特ダネをあえて載せる等)。 芸能面はいわゆる持ち込みや仕込みの記事が多く、批判的な論調は少ない。テレビ局の新番組、映画の新作や完成披露記者会見、歌手の新曲、芸能人の結婚や離婚、何かしらの発表など各社の広報、宣伝担当、芸能事務所が普段から関係を持つ芸能担当の記者に執筆を依頼する。そのため週刊誌の恋愛スクープなどでも事務所の確認を得ない限り掲載しないことも多いなど、ジャーナリズムではなくパブリシティとして捉えた方が良い。テレビの情報番組の芸能ニュースの出典元になりやすく、特に『サンケイスポーツ』は関連のフジテレビネタを多く掲載し、それを『めざましテレビ』などで放送している。 駅売店を中心に売られる「即売版」といわれるものには、上記の内容に加えてアダルト記事や性風俗関連の情報が掲載されている。以前、女性団体から「性の商品化の助長」などとして、夕刊紙とともに槍玉に上げられたこともあった。この、通称:アダルト面(ピンク面[5][6])は、2010年春に『日刊スポーツ』と『スポーツ報知』(約20年ぶりの廃止)などが、相次いで取りやめに踏み切っている。中スポ系は元々入れていない。 一方で、宅配用の「家庭版」には無いのが普通である。テレビ番組欄と番組解説記事を掲載している頁を、即売版ではアダルト面(ピンク面)に差し替え、テレビ番組欄は小スペースで番組表のみを掲載する(ハーフサイズ以下になることがほとんど。これを「二毛作」と説明する場合がある[注 6])。この番組表も全日載せるパターンと夕方以降を載せるパターンがあり、全日版の場合は文字のサイズが異なる場合がある。なおこれらは以前は一般紙と同じく最終頁での掲載だったが、現在は殆どがダブル1面を取り入れているために中面に掲載している。一部のスポーツ紙ではラジオについては一般紙よりは扱いが少ない場合(関東では南関東=東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県のラジオ局。外国語FM放送は省略されたりする)が多い。また、紙面スペースの都合でFMを載せていない場合もあったりする。 広告には、消費者金融(いわゆるサラ金、ほとんどは創業間もない「都(1)」(トイチ)と呼ばれる業者)の宣伝広告やブルーカラー職種(主にタクシーの運転手、新聞店配達員・拡張団員、土木・建設、風俗店・パチンコ店関連)の求人広告が多いのが特徴。「消費者金融#新聞広告」および「コマーシャルメッセージ#金融・不動産」も参照 また、読者層からか、2000年に規制緩和された債務整理や破産手続等を担当する法律事務所(弁護士)や通信販売(主に健康食品・医薬品関連)、馬券予想会社の広告も目に付くようになっている。なお、これらの業種は親会社の一般紙では出稿を受け付けてもらえないことがほとんどである。「馬券予想会社#詐欺広告の実際」および「新聞広告#日本の新聞広告」も参照 記事広告という体裁もあり、外見は新聞記事本記の体裁がなされているが広告代理店など発行社以外が制作した場合、本紙とはフォントや組み方の癖に違いがあり一目でそれとわかるようなものもある。通常は欄外に「特別広告」「広告のページ」などと記載があることや、本記も独特な内容であるため区別がつけやすい。しかし最近は、発行社製作による本紙と同一のフォント・整理記者が組んだ記事広告も見受けられる。「記事広告#各メディアにおける導入」および「提灯記事#概説」も参照 2000年代後半以降は、販売地域を縮小する動きが出始めており、『デイリースポーツ』は東北地方と新潟県における販売を終了した他[7]、2011年11月30日をもって名古屋市、福岡市、北九州市の主要駅における即売販売を終了した。
スポーツ面
芸能面・社会面等
広告枠
衰退・縮小
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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