スポークン・ワード
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マルコムXの死後、彼の思想を継承したブラック・パンサー党、ボビー・シール、ストークリー・カーマイケルや、音楽家のラスト・ポエッツ[1]、ギル・スコット・ヘロンらも登場した[2]

1980年代には、グランドマスター・フラッシュ、パブリック・エネミー、BDPらのラップ勢が現れた。1990年代に入ると、アメリカの詩の世界で、スポークン・ワードに対する関心が高まった。しかし、これをもって、最初のスポークン・ワードの出現とは言えない。スポークン・ワード、または詩の朗読は、報償を目的に自作の詩を暗唱する吟遊詩人やストーリーテラーの時代に創始されたのである。印刷技術が発明されたが、パフォーマンス・ポエトリーが出版にすげ替わったわけではない。なぜなら、仕事の有用性は増加する見込みがあったのだ。1950年代および1960年代、スポークン・ワードが復活した。白人男性作家のコミュニティ、いわゆるビート・ジェネレーションが、彼らの反学問的な信念、社会的規範への嫌悪を表現するのに、スポークン・ワードを用いはじめたのだ。しかし、1990年代までには、スポークン・ワードは再びメイン・ストリームの水面下に沈んでいった。

1990年代になって、力強く、アグレッシブで、率直な詩のスタイルが、新たなスポークン・ワードを生んで、メイン・ストリームに浮上した。ビート・ジェネレーションとは異なり、政治的な動機を必要としないスポークン・ワードの出現であった。このムーヴメントは、パフォーマーの多様化、アマチュア芸人の奮起、積極的で寛容力のあるメッセージの発信をもたらした。ようするに、このムーヴメントは詩を大衆に返したのである。この芸術形式はテレビにマッチしていて、マギー・エステップ、レッグ・E・ゲインズ、ヘンリー・ロリンズ、ジョン・S・ホール、ダナ・ブライアントといった詩人たちが、スポークン・ワードのアーティストとして称賛を得た。1990年代中頃、MTVはスポークン・ワードの需要に注目し、このムーヴメントの売れっ子たちを出演させた「Spoken Word Unplugged」というショー番組を作ったが、大ブームとなるまでには至らなかった。この世代のアーティストたちのほとんどは、小説など他分野に流出した。ところでこの時期、1つの懸念があった。ラップとスポークン・ワードの境界線はどこにあるのか、ということである。一部のスポークン・ワードのアーティストは、スポークン・ワードに較べてラップは音楽的すぎると主張した。「ラップは歌のようなもの、スポークン・ワードは詩のようなもの」(ジョン・S・ホール)。スポークン・ワードが短命に終わるとの意見もあったが、年月を経過し1990年代後半になっても、スポークン・ワードは死に至ってはいない。メインストリームの水面下で芸術的なスポークン・ワードは存在している。
日本におけるスポークン・ワード

日本ではスポークン・ワードは浸透していない。だが、佐野元春Snu-pay Pants等、スポークン・ワードに取り組むアーティストもおり、彼はスポークン・ワードをやる理由を「パフォーマーがどの国籍に属していようと一定の理解が得られるはずだという確信のもと、それを試してみました」「僕は自分の母国の言葉に誇りをもっています。母国語でスポークンワーズすることが、自分にとってはとても大事です。原語の理解を超えて、他の文化圏の人に通じるものがあるはずだ、という確信がどこから生まれるかといえば、それは母国語に対する信頼にあると思います」[3]と述べている。
関連項目

ポエトリー・リーディング

ダブ・ポエトリー

ヒップホップ

脚注[脚注の使い方]
注釈
出典^ “ ⇒The Last Poets”. www.nsm.buffalo.edu. 2018年8月26日閲覧。
^ Sisario, Ben (28 May 2011), Ben Sisario, "Gil Scott-Heron, Voice of Black Protest Culture, Dies at 62", The New York Times.
^ 2017年のBeat-itude ?佐野元春、ニューヨークを往くMoto's Web Server

外部リンク

Spoken Word Movement

Music & the Spoken Word

[1]

Is There A Future For Spoken Word? @ dropmagazine.com

Video of a spoken word piece

unique spoken word & improvised music


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