スポック
[Wikipedia|▼Menu]
同エピソードでは父を尊び、母を敬う意外な「孝行息子」ぶりを披露し、侵入者の凶刃に倒れたカークに代わって艦の指揮を執っているとき、心臓病で倒れたサレクを救うために輸血をしてくれとアマンダに頼まれ、「輸血をするなら私は職務を放棄しなければならない(つまり、艦と部下を見捨てなければならない)。自分のせいでそんなことになったら、お父さんは喜んでくれますか」と苦悩の色を見せる(この窮地は、カークが重傷をおし隠して艦長席に復帰したことで打開された)。子供の頃はセレットという猫ほどの大きさの熊を可愛がっており、5歳の時に友人から地球人との混血と言われ泣いた事がある。

義姉にあたるマイケルに対しては、突然姉ができたことを受け入れられなかったのか、初対面では両親から仲良くせよと言われた直後に無言でドアを閉じてしまっており、その後もアマンダが読み聞かせをしている様子を寂しげに覗く。未来から来た赤い天使のごとき存在に会い(DSC第23話「記憶の痛み」)、認識障害ゆえにコミュニケートできている(DSC第26話「永遠なる無限」)。両親の元を離れた後、2257年時点でサレクだけでなくマイケルとも長らく顔を合わせていなかったという(DSC第16話「義弟」)。
スタートレック:ディスカバリーおよびスタートレック:ストレンジ・ニュー・ワールドの時代

スタートレック:ディスカバリー』シーズン2に登場する。宇宙船エンタープライズ号に配属されたのはカークより早く、当時の艦長はクリストファー・パイクである。『宇宙大作戦』の10年ほど前の『スタートレック:ディスカバリー』の時代、大尉として謎の信号源の調査活動中に精神に変調をきたし、エンタープライズを降りて療養施設に入るが当地で3人を殺して脱走したとされて、お尋ね者となる。バルカン星に隠れていたところを義姉のマイケル・バーナムに発見されてタロス4号星に向かい、タロス人の治療を受ける。マイケルと共にパイクが臨時に艦長を務めていたU.S.S.ディスカバリーに乗り、謎の赤い天使の警告に従って全銀河系の生物をAIによる殲滅から救おうとする。AIの求めるデータとともにマイケルとディスカバリーを未来に送りこみ、艦隊にはディスカバリーが爆発したと偽の証言を行う。

その後『スタートレック:ストレンジ・ニュー・ワールド』ではエンタープライズの第2副長兼科学主任としてパイクに仕える。マイケルを失った事に深く悲しみを抱き続けていると思われる描写や、バルカン人の婚約者トゥプリングを持ちながら、看護婦のクリスティン・チャペルとの恋愛関係が描かれる等、ケルヴィンタイムラインの若きスポックと同様、人間面の描写が多く見られる。

映画版第5作以降、長年触れられてこなかったサイボックについても、シーズン1で存在が描写された。
『宇宙大作戦』の時代

宇宙大作戦』製作初期には、とがった耳や皮膚の色などの「悪魔的な外見」や、テレビドラマにおいて異星人がレギュラーになった前例がない事などから、局側はレギュラーから外すよう求めた。しかしプロデューサーであるジーン・ロッデンベリーは、人類以外のキャラクターを置くことでエピソードをより発展させられると考え、スポックのキャラクターを残すこととした。

艦長がカークに交代した後も同役職でエンタープライズに残ったが、副長だったゲイリー・ミッチェル少佐の殉職により繰り上がって副長となる。

カークたちに対しては彼なりに友情を抱いているらしいが、普段は地球人の感情に基づく言動を「非論理的」と否定している。特に感情的なドクター・マッコイとの意見対立、そしてカークによる調停はストーリーの定番であった。また、理論より実践肌のチャーリー技術主任との関係も微妙なものがあり、ミスター加藤ら他の幹部からも、尊敬されても敬愛されているとは言いがたかった。

とはいえ後に、軍規違反による死刑のリスクを冒してでも元上司のパイクをタロス4番星に送り届けるよう計画・実行したり、カークに気の利いた誕生祝いを贈るなど、きわめて人間的な温かみ、思慮深さが彼の行動の根底にある。

カークの許では副長として絶対的な信頼を得たのはよく知られる通り(小説「ファーストミッション」では、エンタープライズに赴任したばかりのカークに対し、パイクと比較して下に見る傾向にあったと描写されている)。一方、カーク不在の折には自ら指揮を取ることもあったが、その指揮ぶりは理性的すぎ、冷徹すぎ、完璧主義すぎる上に、部下にも理性と冷徹と完璧を要求する傾向が強く、時に非情で横暴に見えることもあり、指揮官としては部下の不評もある。

過去にタイムスリップしたスポックはある女性と出会い(タイムスリップの影響で過去のバルカン人同様に感情に支配されていたため)激しい恋に落ちる。後に書かれたオリジナル小説のうち2作品に、この時できたとされる彼の息子ザールが登場するが、あくまで小説内のみでの設定である。
映画シリーズの時代
映画第1作
エンタープライズでの5年間の調査飛行の後、一旦は艦隊を離れ、バルカンで感情を完全に捨て去る境地に至るコリナールの修行に入る。しかしヴィジャーの接近に伴う地球の危機を感知し、艦隊への拘りを捨てきれていないことを自覚。コリナールは達成直前で失敗に終わり、エンタープライズへ駆けつけて艦隊に復帰し、再びカークの許で副長兼科学主任を務める。ヴァルカン人にとって理想的な、完璧な知性を備えたヴィジャーが求めていたものが、実は人間性だった皮肉を笑い、コリナールの修行を打ち切る。
映画第2作
カークの後任として同号の艦長を務めている。ただしカークが同乗するときは、彼を最高指揮官とする。2285年、カーン・ノニエン・シンによるジェネシス装置自爆の際、放射能で汚染されたエンジンルームの中に独りで身を投じて機関を修理し、エンタープライズの危機を救ったが、代償に命を落とす。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:46 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef