その後は提督への昇進記録はなく、艦隊を辞して父と同じく外交の道に進む。『新スタートレック』では惑星連邦の大使として登場する。バルカン人とロミュラン人の再統一を目指してロミュラス星で活動し、そしてかつてのカーク以上の独断専行を行う。なお、『スタートレック:ディスカバリー』では、スポックの努力が数百年後に実を結び、再統一が達成されることが語られる。ベンダイ症候群で苦しんだサレクの死に目には会えないが、臨終の場に居合わせたピカードとの精神融合を通して、ロミュラスで亡き父のカトラに触れる。
ケルヴィン・タイムラインの時代
映画第11作
超新星の影響で惑星ロミュラスが消滅し、ロミュラン人のほとんどが消滅するという事件が「現代(新スタートレックから続く時代)」で起きたことがスポックによって語られる。超新星の影響を阻止しようとしたスポック大使の作戦は失敗し、生き残ったロミュラン人の一派がそれを恨んで、TOSの時代の直前にタイムトラベル。惑星ヴァルカンを消滅させるという復讐が果たされてしまう。その並行宇宙のヴァルカン政府要人は父サレックを含めエンタープライズに救助されるが、母アマンダはヴァルカンと運命を共にしてしまう。一方、その宇宙の若きスポックは連邦中佐で、パイク艦長の元でエンタープライズ副長の地位にあり、ウフーラとは交際関係。また、コバヤシマル・テストを作成したのも彼である。向こう見ずなカークに当初は批判的で、エンタープライズから氷の惑星に追放するなど過激な対応をすることもあったが、次第に互いを理解し、連携していく。スポック大使はエンタープライズから追放された若きカークと邂逅、精神融合で事件の全貌を伝え、さらにスコッティとも出会い、カークに若きスポックからエンタープライズの指揮権を取り返すためのアドバイスをすると、この時代にはないトランスワープ理論で改造した転送装置で、ふたりをワープ中のエンタープライズに転送した。事件解決後、若きスポックもスポック大使と邂逅を果たす。スポック大使は若きスポックに、ヴァルカンの再建は自分に任せて艦隊に残るよう要請、カークとの友情の大切さを説き、「幸運を」と言い残す。
映画第12作本作の悪役であるハリソン中佐のテロにより、ロンドンの地下施設が爆破され艦隊本部も襲撃されたのち、クリンゴンの母星で彼を逮捕した際に明らかになった中佐の正体「カーン」なる人物について、若きスポックはスポック・プライムに問い合わせる。スポック・プライムは、カーン・ノニエン・シンはエンタープライズが遭遇した最強・最悪の脅威であり、その打倒に犠牲を払ったと忠告する。その後カーンはアレキサンダー・マーカス提督の宇宙戦艦を乗っ取り、その攻撃でメインコアが停止したエンタープライズは地球へと墜落する。カークが放射能が充満した機関室に突入してメインコアを修復して船を救ったものの、(かつてのスポック・プライムのように)被曝したカークは命を落としてしまう。