スペースX
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ファルコン9ロケットは2015年に初の垂直着陸を達成した後[10]2017年からは実際に回収したロケットが再使用されており[11]、既存の使い捨て型ロケットと比べて半分以下のコストでの打ち上げを実現している[12]。打ち上げコスト低減を活かし、衛星インターネットスターリンクにも参入しており、2020年には世界最大の衛星コンステレーション事業者となっている[13][14]

2021年現在は、惑星間宇宙飛行を見据えた超大型ロケット/宇宙船のスターシップを開発中である。スターシップは、スペースXが進める火星植民計画の要となる他、衛星打ち上げ市場に置いても既存のファルコン9/ドラゴンを置き換えるものとなる計画である[15][16][17]。スターシップは完全に再利用可能なロケットとして計画されており、2020年代初頭に予定されているデビュー時には史上最大のロケットとなる[18][19]
歴史ファルコン9

2001年初頭、イーロン・マスクは非営利団体火星協会と共に、火星に植物の生育室を設置するための資金計画について話し合った[20]。同年10月には、温室を宇宙に送り出すための大陸間弾道ミサイル(ICBM)を購入するため、ジム・キャントレル(英語版)、アデオ・レシ(英語版)とともにモスクワに赴いた。NPO法人ラヴォーチキンコスモトラス社と会ったがマスクは素人だと思われ、一行は手ぶらでアメリカに帰国した[21]

2002年2月、一行はマイク・グリフィン(In-Q-Tel(英語版)社社長)とともに、ICBM3基を探すためにロシアに戻った。コスモトラス社と再び会談し、800万ドルでロケット1基を提供されたが、マスクはこれを拒否した。その代わり、彼は手頃な価格のロケットを作れる会社を立ち上げることにした[22]

2002年にマスクによってカリフォルニア州エルセグンド(英語版)でスペースX社が設立された。設立時には、同年に買収された宇宙開発大手のTRW社から、ロケットエンジン開発に携わっていたトム・ミュラー(英語版)とそのチームが合流している[23]。また、マスクは会社設立のために1億ドルの自己資金を投入している[24]

2006年NASA国際宇宙ステーション (ISS) 物資補給のための打上げ機の設計とデモ飛行を行う商業軌道輸送サービス (COTS) を契約した。2008年に小型ロケットのファルコン1で初めて軌道に到達し(民間資金で開発された液体燃料ロケットでは初)[25]2010年12月には中型ロケットのファルコン9ドラゴン宇宙船によるCOTSデモ飛行を行い、民間企業としては世界で初めて軌道に乗った宇宙機の回収に成功した。2012年にはISSに民間機として初のドッキングも成功させ、補給物資や実験装置を送り届けた[26]

2014年には、NASAと有人型のドラゴン宇宙船の開発とデモ飛行を行う宇宙飛行士の商業乗員輸送開発 (CCDev) プログラムを契約した。2020年5月に再び民間企業として史上初となる有人宇宙船の打ち上げ並びにISSドッキングを成功させた。ドローン船に着陸したファルコン9の1段目


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