スペクトラム_(日本のバンド)
[Wikipedia|▼Menu]
「トマト・イッパツ」「モーション」「サンライズ」のホーン譜の解説を、スペクター3号・吉田と現在共にブラスロックバンド・“BLUFF”で活躍する松木隆裕が寄稿している[3]

2013年7月2日、タワーレコード限定でオリジナルアルバム全6タイトルのリマスター盤を発売。初CD化を含むボーナストラックが新たに追加された。それに合わせて、毎年9月22日にはプロのミュージシャンによるトリビュート・ライブが都内で行われている。
2017年9月22日、元メンバーの吉田、岡本、今野が現在所属している“BLUFF”が『BLUFF plays SPECTRUM』と銘打ち、全編スペクトラムの楽曲で構成したライブを新宿BLAZEで行った。BLUFF発足時に参加していた今野多久郎も全曲参加(その後BLUFFに復帰)。また、スペシャルゲストに兼崎順一、西慎嗣を迎えて往年の楽曲の数々を演奏した[4][5]

2020年、タワーレコード限定でライブ盤を除くオリジナルアルバム全5タイトルのSACD/CDハイブリッド盤を発売。株式会社ステレオサウンドの協力の元、オリジナルのレコーディング・エンジニアである高田英男をサウンド・スーパーバイザーに迎え、現存するオリジナル・アナログ・マスターテープから最新リマスタリング(DSDリマスタリング)がされている[6]

エピソード

長らくファンの間では、4作目「SECOND NAVIGATION」についての制作会議が内容を巡って紛糾したことから解散が決まり、その方向性の違いがコンテンポラリーなポップ・ロックアルバム「SECOND NAVIGATION」と吹奏楽部を舞台にしたミュージカル・コメディ作「SPECTRUM BRASSBAND CLUB」に表れたとされていたが、2013年にリマスタリングされ再販されたアルバムのライナーノーツに掲載されたリーダー・新田のインタビューで、それが事実ではないことが明らかにされた。
新田によると、解散が決まったのは3作目「TIME BREAK」が完成した直後。当時大人気だった
イエロー・マジック・オーケストラや同じ事務所のサザンオールスターズを引き合いに、大ヒット曲を出して売れることを事務所に要求された新田が、バンドの良さを失わずに数字が上がる方向に強引に持っていこうとする中で、メンバーからいろいろな意見や不満が出て収拾がつかなくなった。そのため事務所の判断により、新田プロデュース体制から新田を除くメンバー主導の体制に変更となり、事務所の指示で新田に変わって兼崎順一がまとめ上げたのが3作目「TIME BREAK」だったが、完成して間もなく解散が決まった。新田と所属するアミューズ大里洋吉会長とファンクラブ担当の3人で話し合った結果、日本武道館でのファイナルコンサートが決まったため、新田はリーダーとして解散が決まったバンドを解散までの1年間引っ張らないといけなくなった。そこで武道館コンサートまで行き着く前に崩壊してしまうことを防ぐ意味で、メンバーの気持ちをレコーディングに向かせるため、解散前に2枚のアルバムを同時に作ることにして、リズム隊が「SECOND NAVIGATION」ホーン隊が「SPECTRUM BRASSBAND CLUB」を担当したというのが一連の流れであるとした。その後、リーダーとして解散コンサートのアルバムを仕上げてマスター・テープを工場に入れるまでの全ての残務処理を終えた後、事務所で一応見ておけとスペクトラムの全活動の収支報告書を渡され「とりあえず黒だ」と言われたことを今でも記憶していて、その時が自分の解散コンサートが終わった瞬間だったと語っている。
また新田は「SPECTRUM BRASSBAND CLUB」に収録の曲「コンクールが近いよ」が新田からファンへのラスト・メッセージであり、この曲を思い出すと今でも泣けてくる。それと、わずか2年の活動だったことで、まさにこれから応援していこうという時に突然解散宣言されてしまったファンが一番可哀想だった、とも語っている。

スタジオで制作された最後のアルバムになった5作目『SPECTRUM BRASSBAND CLUB』(1981年)の企画書は、現在はテレビゲーム『桃太郎電鉄』などを手掛けたゲームライターとしての顔が知られるさくまあきらが「綾狩一郎」名義で書いたもの。さくまは作詞の依頼を受けた際にスペクトラムをコミックバンドだと聞いていたため、ギャグ要素を盛り込んだ内容の歌詞を持ち込んだ[7]
メンバー全員がスタジオに詰め、楽曲作成してきた過去4作と異なり5作目の本作は、メンバーが個別にスタジオに入り、パートごとに各トラックを録音して製作された。ちなみに翌82年にさくまは新田から楽曲提供を受けてレコードデビューしている[注釈 4]

メンバー

スペクター1号 
新田一郎トランペット / ボーカル

スペクター2号 兼崎順一(トランペット)

スペクター3号 吉田俊之(トロンボーン

スペクター4号 渡辺直樹ベース / ボーカル)

スペクター5号 西慎嗣(ギター/ボーカル)

スペクター6号 奥慶一キーボード

スペクター7号 岡本郭男ドラムス

スペクター8号 今野拓郎(パーカッション)現:今野多久郎
今野は解散後、河内淳一らと共にスタジオバンド「STR!X」に在籍。更に桑田佳祐原由子のサポートメンバーとしても2000年頃まで長きに亘り活動。KUWATA BANDではリーダーを務める。また、いかすバンド天国プロデューサー・審査員としても知られる。パーカッションは、今野が加入するまではMMPのメンバーでもあった菅原由紀がサポートしていた。そのため1979年11月1日発売のシングル「イン・ザ・スペース」ではメンバーの欄には菅原由紀が表記されている[8]。今野は同年11月13日、東京・日本青年館でのコンサート「SPECTRUM SHOCK」で正式メンバーとなった。
ディスコグラフィー
シングル

トマト・イッパツ(作詞:宮下康仁 作曲・編曲:スペクトラム)1979年8月25日発売
B面:ロリータ(作詞:宮下康仁 作曲・編曲:スペクトラム)
イン・ザ・スペース(作詞:宮下康仁 作曲・編曲:スペクトラム)1979年11月1日発売
B面:アクトショー(Live Version)(作詞:宮下康仁 作曲・編曲:スペクトラム)
F・L・Y(作詞:
Mabo 作曲・編曲:スペクトラム)1980年3月5日発売
A面:ミーチャン Going to the Hoikuen(作曲・編曲:スペクトラム、両A面)
SUNRISE(作詞:山川啓介 作曲・編曲:スペクトラム)1980年6月5日発売
B面:SONG(作詞:宮下康仁 作曲・編曲:スペクトラム)
夜明け(アルバ)(作詞:近田春夫、スペクトラム 作曲・編曲:スペクトラム)
セイコー「ALBA」CMソング1980年11月21日発売
B面:やすらぎ(Love For You)(作曲・編曲:スペクトラム)
Night Night Knight(作詞:巻上公一 作曲:渡辺直樹 編曲:スペクトラム)1981年6月21日発売
B面:Paradise(作詞:スペクトラム 作曲:奥慶一 編曲:スペクトラム)
In The Space (Super Remix Version)(作詞:宮下康仁 作曲・編曲:スペクトラム)1991年1月21日発売
cw:Act-Show (Super Remix Version)(作詞:宮下康仁 作曲・編曲:スペクトラム)

アルバム

スペクトラム
SPECTRUM(1979年8月25日発売)

スペクトラム2 OPTICAL SUNRISE(1980年3月5日発売)

スペクトラム3 TIME BREAK(1980年11月21日発売)

スペクトラム4 SECOND NAVIGATION(1981年6月21日発売)

スペクトラム5 SPECTRUM BRASSBAND CLUB(1981年9月5日発売)

スペクトラム6 SPECTRUM FINAL Budoukan Live Sept. 22,1981(1981年11月15日発売)

スペクトラム SUPER REMIX 1991(1991年2月21日発売)

ベスト・アルバム

スペクトラム BEST '81(1981年発売、未CD化)

スペクトラム伝説 THE LEGEND OF SPECTRUM(LP版)(1983年発売)

スペクトラム伝説 THE LEGEND OF SPECTRUM(CD版)(1985年発売)

スペクトラム ゴールデン☆ベスト GOLDEN☆BEST (2008年12月17日発売・二枚組)

スペクトラム スーパーベスト(2012年発売)

ゴールデン☆ベスト スペクトラム - レジェンド -(2015年6月24日)

DVD

SPECTRUM LIVE AT BUDOUKAN Sep. 22, 1981「NEVER CAN SAY GOOD-BYE」2003年3月26日発売
1.Never Can Say Good-Bye
[注釈 5] 2.His Native Place(故郷) 3.サンバ・イン・F 4.メモリー 5.His Native Place(故郷) 6.Longing(思慕) 7.サンバ・イン・F 8.MOTION 9.FIRST WAVE 10.おてもやん 11.QUESTION '81 & '82 12.ROCK'N'ROLL CIRCUS(挿入曲:ピンクパンサーのテーマ) 13.ACT SHOW 14.NIGHT NIGHT KNIGHT 15.IN THE SPACE 16.TOMATO IPPATSU 17.SUNRISE 18.青春とはなんなんだ!
SPECTRUM LIVE TIME BREAK LIVE AT SHIBUYA KOUKAIDOU-SPECTRUM 2004-2004年1月21日発売
1.MOTION 2.IN THE SPACE 3.侍's 4.ACT SHOW 5.SUNRISE 6.夜明け(アルバ) 7.LYRISCHE SUIT "RESPITE OF A SOLDIER" 抒情組曲"戦士の休息"より REMINISCENCE(回想) 8.LOVE(愛) 9.AN ILLUSION(幻夢) 10.AWAKENING(目覚め) 11.INTERVIEW-1 12.IN THE SPACE(PV) 13.INTERVIEW-2 14.ACTSHOW(PV) 15.INTERVIEW-3 16.トマトイッパツ(PV)

DVD + CD

SPECTRUM LIVE / TIME BREAK + STUDIO LIVE 19792016年3月30日発売(タワーレコード限定[9]
【DVD】SPECTRUM LIVE / TIME BREAK ((1)-(6)LIVE AT 渋谷公会堂〈TIME BREAK TOUR〉(1980)より)
1.MOTION 2.IN THE SPACE 3.侍's 4.ACT SHOW 5.SUNRISE 6.夜明け(アルバ) 7.LYRISCHE SUITE"RESPITE OF A SOLDIER"抒情組曲"戦士の休息"より REMINISCENCE(回想)8.LOVE(愛)?HIS NATIVE PLACE(故郷) LONGING(思夢) CHILDREN(子供たち) GOD(神) 9.AN ILLUSION(幻夢) 10.AWAKENING(目覚め) 11.INTERVIEW-1 新田一郎 + 大伴良則 12.IN THE SPACE(プロモーション・ビデオ) 13.INTERVIEW-2 新田一郎 + 大伴良則 14. ACT SHOW(プロモーション・ビデオ) 15.INTERVIEW-3 新田一郎 + 大伴良則 16.トマトイッパツ(プロモーション・ビデオ) 17.SUNRISE


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:41 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef