同王国軍は陸軍、海軍、空軍、グアルディア・シビルの4つの組織から構成されている。国王は憲法によって国軍の最高指揮官であると規定されている。2001年末に徴兵制が廃止され、志願制に移行した。2007年の時点で総兵力は147,000人、予備役は319,000人である。
軍事費(防衛費)の対国内総生産(GDP)比は日本と同程度の約1%内外[37]にとどまり、NATO諸国の中で比較しても低率な方ではあるが、イージス艦や軽空母、強襲揚陸艦、マルチロール機のユーロファイター タイフーン、レオパルト2EA6戦車など、他の主要先進国にも引けを取らない最新鋭の兵器を配備している。
また、国境警備隊として王立国家警察(スペイン語版、英語版)が存在する。
経済クアトロ・トーレス・ビジネス・エリア詳細は「スペインの経済(英語版)」を参照
IMFによると、2022年のスペインのGDPは1兆4189億ドルであり、世界第14位である。メキシコと同じかやや下回る程度の経済規模であり、欧州連合加盟国では4位である[38]。
世界遺産や歴史的建築物が多数あるため観光産業の比重も大きく、国全体のGDPに占める観光産業の割合は10%を超えている[39]。
大企業の社名を挙げるならば、金融のサンタンデール銀行やビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行、通信関連企業のテレフォニカ、電力のイベルドローラ、ザラで知られるアパレルのインディテックス、コンピュータ予約システムで高いシェアを有するアマデウスを提供するIT企業のアマデウスITグループなどが大企業として挙げられる。 1960年代以来、労働組合の力が弱まり、フランスを主体とする外資が戻ってきた。欧州経済共同体加盟により投資環境が一挙に改善された。すなわち、近世から旧態依然として障壁となっていたスペインの経済法が欧州全体のルールに取って代わられ、さらに全国産業公社(Instituto Nacional de Industria
欧州統合の効果
高失業率OECD各国の失業率[41]
2012年10月5日、スペインの月次の失業率はスペインの近代史上初めて25%を突破した(スペイン経済危機)。2013年には失業率26.1%、失業者は605万人と過去13年間で最悪の数字となっている[41]。若年失業率は2013年に52%を超えており、OECD平均の3倍以上に上っている[41]。
欧州各国の例にもれなく、スペインでも反グローバリゼーションを主張する運動が展開された。2014年、ベーシックインカム(最低限所得保障)を政治主張に掲げる政治団体ポデモスが結党され、国民党に次ぐ2番目の党員数を集めるなど急速に支持を拡大している。
観光産業詳細は「スペインの観光(英語版)」を参照
観光産業はスペイン経済の重要な基盤のひとつであり、2017年にはGDPの11.8%を占めた。2018年の統計では雇用の13.5%、260万人の直接雇用が観光産業によるものであり、625億ユーロの収益をもたらして、スペインの貿易赤字の低減に貢献した[42]。2018年の国外からスペインを訪れたインバウンド観光客の数は8,280万人に達し、898億ユーロにおよぶ国際収支上の収益をもたらした[42]。
現在のスペインは世界有数の観光大国である。欧州内で比較すると首位フランスに次ぐ第2位であり、イタリアより上位である。世界比較でも、2017年の国際観光客到着数では世界2位、2017年の旅行・観光競争力レポートでは世界1位を記録した。
スペインを訪れる外国人旅行者(国際観光客到着数)の中ではイギリス人が最も多く、2018年時点では約1852万人に達していた[42]。
主な観光都市や観光スポット
主な観光都市としてはバルセロナ、マドリード、グラナダで、いずれも世界遺産を有し、世界の観光客を引き寄せている。またコスタ・デル・ソルやカナリア諸島を中心とした避寒目的のリゾート需要もスペインの観光産業を支えている。
主な観光スポットを挙げると、たとえばサグラダ・ファミリアは、2019年に470万人の観光客数を記録した[43]。他にもアルハンブラ宮殿、コルドバの聖マリア大聖堂(メスキータ)、エル・エスコリアル修道院、イビサ島、クエンカ(世界遺産 歴史的城塞都市クエンカ)、セゴビア旧市街と水道橋などの観光スポットを挙げることができる[44]。「スペインの世界遺産」も参照 現在、4ヶ所の鉱山が操業中であり、ニッケル、銅、亜鉛、タングステンを生産している。 スペインの鉱業資源は19世紀からリオ・ティントなどの外国資本に採掘されてきた[45]。21世紀以降、採掘量は減少傾向にある。国際競争力が相対的に低下し、外資の投下される産業分野が多様化している。 有機鉱物資源では、世界の市場占有率の1.4%(2003年時点)を占める亜炭(1228万トン)が有力。
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