スペイン語
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[s] の前では発音しないことがある[13]


/k/: ca, co, cu, que, qui, および音節末の c はカ行音 [k]

que, qui は「ケ」「キ」と発音し、「クエ」「クイ」にはならない。u を発音するためには cue, cui とつづる。


/θ/: ce, ci, za, zo, zu, および音節末の z は、スペインの標準語では [θ]。英語の無声の th 音よりも摩擦が強い[13]。スペイン南部や中南米ではセセオにより s との区別が失われ、通常のサ行音 [s]

ze、ziのつづりはほとんど使わない[14]

これらの音は、15世紀以前はツァ行音 [ts] で発音していた。


ch: チャ行音 [?]

カリブ諸国などではチャ行音よりもシャ行音に近い発音になることがある。


d: ダ行音 /d/。

発声の始めと [l], [n] の後では通常のダ行音 [d]

それ以外の位置では摩擦音化し、[d]

語末では [d]、さらに無声化し [θ] となるか、ほとんど発音しないことがある。


f: ファ行音 [f]

/g/: ga, go, gu, および音節末の g はガ行音 /g/。

発声の始めと [?] の後では通常のガ行音 [g]

それ以外の位置では摩擦音化し、[?] [13]

gue, gui は「ゲ」「ギ」と発音し、「グエ」「グイ」にはならない。u を発音するためにはディエレシスを使用し、gue, gui とつづる。


/x/: ge, gi, および j は [x]。ハ行音、ドイツ語の ach laut に近いが、それより少し奥のほうで発音する。

アンダルシア南西部や米国南部では通常のハ行音 [h] で発音することがある。

語末では発音しないことがある[13]


h: 発音しない(黙字)。

l: 日本語のラ行音に近い [l]。舌先を歯茎に当てたまま息を出す接近音で、英語の clear l に相当する。

ll: 従来はリャ行音に近い [?] が標準的な発音とされていたが、実際には多くの地域でジェイスモにより y との区別が失われ、yと同じくヤ行に近い [?] で発音する。多くの南米大陸の国々では、yとおなじくジャ行音[?] で発音する方が一般的である。

ブエノスアイレス近郊ではシャ行音 [?]

単語により異なる発音をする人もいる。


m: マ行音 /m/。

語末ではン音 [n][13]


n: ナ行音 /n/。

[b], [m], [p] の前では [m][13]

[g], [k], [x] の前では [?][13]


n: ニャ行音 [?]

p: パ行音 [p]

[s], [t] の前では発音しないことがある[13]


r: ラ行音 [?]。英語やフランス語の一般的なR音[注釈 11]とは異なり、はじき音で、日本語のラ行音にかなり近い。

語頭と [l], [n], [s] の後では後述する巻き舌音 [r]


rr: 語中でのみ用いる巻き舌音 [r]

プエルトリコドミニカ共和国では、j 音 [x] になることがある(ブラジルポルトガル語と同じ変化)。

ペルーボリビアの一部の地方ではザ行音になることがある。

緑の地域は音節末の「s」を/h/と発音する。紫の地域は/s/のままで発音する。

s: サ行音 [s]

スペイン南部や中南米の一部では音節末の s をハ行音 [h] で発音するか、ほとんど発音しないことがある。


t: タ行音 [t]

w: 外来語のみに用いられ、単語によってワ行音 [w]、または [b]。

地域差もあり、ペルーでは常に [w] で発音する傾向がある。

語頭では [gw] になることもある。


x: 本来は [ks] だが、[k] は弱くなるか、発音しないことが多い。

特に子音の前、および語頭では [k] を発音せず、[s]となりやすい[13]

Mexico [?me?xiko?] のように、一部の固有名詞などでは j 音 [x] で発音する。


y: スペインやメキシコなどではヤ行音に近い[?] が標準とされるが、ジャ行に近い[?]が用いられることも多い。スペイン語の標準を規定するスペイン王立アカデミーでは、日本語のヤ行の子音に近い[?] を標準としている。

ブエノスアイレス近郊ではシャ行音 [?]

語頭に来る場合、nの後ろに来る場合はジャ行になりやすい。とはいえスペイン語ネイティブはこの二つを区別せず、同じ音の異音だと考えている為、どちらで発音しても良い。

語末の y は i と同等。ただし、アクセント位置は最終音節。


二重子音

以下の子音の連続は二重子音となる。分節上、単子音と同様に扱う。
+ l
bl, cl, fl, gl, pl
+ r
br, cr, dr, fr, gr, pr, tr

dr, tr は二重子音であるが、dl, tl は二重子音ではない。
音韻的特徴

無声音では破裂音摩擦音が対立するが、有声音では両者が対立せず、異音の関係にある(有声破裂音 /b/, /d/, /g/ が母音間等では摩擦音化する)。

y を半母音 /j/ ではなく、摩擦音 /?/ で発音する。

外来語

外来語はその発音やつづりの特徴から以下のパターンが挙げられる。
つづりをスペイン語風に読む。

jersey /xe??sei/ 「ジャージー」


発音を優先し、つづりを書き換える。

futbol(←football) 「フットボール」


原語のつづりを変えず原音に近い発音をする。分かりやすい特徴を挙げれば、j を y のように、h を j のように発音する。新しい外来語に多い。

jazz 「ジャズ」 /??aθ/, /??as/

judo 「柔道」 /??udo/, /??udo/ ただし yudo とつづることもある

hardware 「ハードウェア」 /xa??wea?/ (d は原音では弱く、スペイン語化したうえで d を発音すると har・dwe・arのように分節されてしまうため消滅)

外来語の発音については、地域や世代、個人によって多少差がある。「1.」は古い外来語でよく見られるほか、固有名詞(商品名を含む)でよく見られ、例えば Colgate(コルゲート)は「コルガーテ」と発音する。メキシコでは商品名のスペイン語化に関する法律もある。特に人名や地名を原音に近い発音をする場合、原音の確認を要する場合が多いので、スペイン語風に発音しても間違いではない(例: Miami マイアミをスペイン語読みでミアミと発音)。また、隣接するポルトガル語はスペイン語とよく似ている一方、つづりの発音の違いやアクセントの規則の違い、独特の音韻変化などがあるため、しばしばアクセント記号が付加され、スペイン語式に読み換えられる。例えばリオデジャネイロ(Rio de Janeiro; ブラジルポルトガル語の発音は「ヒウ・ヂ・ジャネイル」に近い)は Rio(川の意)が対応するスペイン語に置き換えられRio de Janeiro と表記し、「リオ・デ・ハネイロ」と発音する。また、サンパウロ(Sao Paulo)については、対応するスペイン語形のサン・パブロ(San Pablo)で呼ばれるのが普通である。


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