スペイン語
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日本では、一般的にスペイン語と呼ばれることが多いが、イスパニア語[3]、カスティージャ語[4]、カスティーリャ語[5]などと呼ばれることもある。日本におけるスペイン語の漢字表記は「西班牙語」。漢字表記を略して西語と表記されることもある。スペイン語において「スペイン語」を意味する名詞は、“castellano”(カステリャーノ、もしくはカステジャーノ[注釈 1]) または“espanol”(エスパニョール)。エスパニョールはスペイン (Espana) の言葉という意味。カステリャーノはカスティーリャ地方の言語という意味。南米ではカステジャーノということが多く、メキシコなど中米諸国とカリブ海諸国ではエスパニョールしか使われない。カステリャーノという名称は、スペイン国内で地方言語を使う地域においては「自分たちの言葉ではない他所者の言葉」という意味で使われる。南米では逆に「本場カスティーリャから受け継いだ正しいスペイン語」という意味で用いられる。

スペイン語はポルトガル語と似ており、かなりの水準で相互意思疎通が可能である(詳細はポルトガル語#スペイン語との比較にて)。
歴史イベリア半島周辺の言語分布の変遷
  スペイン語

スペイン語は、ローマ帝国の公用語であったラテン語口語である俗ラテン語を元に、アラビア語などの影響を受けながら発達した言語である。8世紀に北アフリカからイスラム教徒イベリア半島に侵入し、その後、キリスト教徒によるレコンキスタ(再征服運動)が起こるが、この時期に俗ラテン語がロマンス諸語に変化した。このロマンス諸語が後に、ポルトガル語、スペイン語、イタリア語フランス語ルーマニア語などに分かれていく。

イベリア半島では、アラビア語の影響なども受けながらイベリア系ロマンス語が発達し、カスティーリャ、レオン、ポルトガル、そしてイスラム系タイファ王国などで使用されていた(タイファ王国ではアラビア語のアンダルス方言も広く使用され、その影響を強く受けたロマンス語をモサラベ語と呼ぶ)。やがてレコンキスタの過程でカスティーリャ王国はその中心的勢力となり、スペイン王国の誕生後は事実上統一スペイン国家の国家語となった。このため、現在でもスペイン語のことをカステリャーノ (castellano) と呼ぶ人は多く存在する。

この歴史的経緯により、文法などはラテン語の規則を多く受け継いでいるが、単語はアラビア語から借用したものも多く使われている。(とりわけアンダルシア方言は最も強くアラビア語の影響を受けた)スペイン語の中のアラビア語起源の単語は主に、

アラビア語からの直接借用(とりわけアル=アンダルス・アラビア語

モサラベ語(イスラム支配下のアル=アンダルスで話されていたロマンス語、アラビア、ヘブライ文字で書かれた)

を通じた借用がある。またイベリアのムスリムの間ではスペイン語もアラビア文字で表記されることが少なくなかった。イベリア半島のムスリムはベルベル人が多かったため、ベルベル語の影響も存在している。なお、同じイベリア半島で話されている言語であるバスク語はローマ帝国やケルト人の進出以前から半島で使われていた言語と思われ、スペイン語とは大きく異なる。しかし、スペイン語はバスク語の影響も受けている。
話者分布EU加盟国におけるスペイン語への理解度
濃黄色が母語地域、以下10 - 19%、5 - 9%、5%未満(灰色はEU非加盟国・地域)スペイン語圏の分布  スペイン語を公用語とする国や地域  公用語ではないが25%以上の割合で話されている国や地域  10 - 20%の割合で話されている国や地域  5 - 9.9%の割合で話されている国や地域

スペイン語は国連の6つの公用語(他は英語フランス語ロシア語中国語アラビア語)の一つであり、スペインを始め、ブラジルを除く中南米18か国、北米1か国、アフリカ2か国、計21か国における公用語である。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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