スプライス
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サンダンス映画祭後は配給権を落札する為に激しい争奪戦が行われ、Apparition[12]ワインスタイン・カンパニー[13]ニューマーケット・フィルムズファースト・ルック・スタジオ、サミュエル・ゴールドウィン・フィルムズが名乗りを上げたが最終的にダーク・キャッスル・エンターテインメントが獲得した[14]。北米配給はダーク・キャッスルの親会社のワーナー・ブラザースが手掛け、宣伝費とプリント代に約3,500万ドルから4,000万ドルが投じる契約が結ばれた[15]

製作総指揮を務めたギレルモ・デル・トロは、ヴィンチェンゾ・ナタリ監督に関し「僕にとって大切なのは、ヴィンチェンゾを多くの人に知ってもらうことなんだ。彼は『キューブ』で僕を怖がらせ、『カンパニー・マン』からは凄く感銘を受けた」 と、その演出手腕を高く評価し、「ヴィンチェンゾはこの映画の登場人物の中に、病的なダイナミズムを作り上げた。こうしたジャンルの映画で取るべき安全策を、この映画では外している。もし映画製作者たちが、“一線を越えた映画”を見たいなら『スプライス』を観に行くべきだ。メジャー作品が敢えて超えないようにしている道徳的な境界線を越えた映画は、そう滅多にない」と、背徳的な物語の素晴らしさを訴えた[16]
興行成績

2010年6月4日に北米の2450劇場で公開され、初週末3日間で約740万ドルを稼いだ[1]
批評家の反応

Rotten Tomatoesでは184のレビュー中74%が肯定的なものであり、平均点は10点満点で6.6だった[17]Metacriticでは34のレビューで平均点は100点満点中65点だった[18]
受賞・ノミネート

賞部門候補者結果
シッチェス・カタロニア国際映画祭特殊効果賞受賞
作品賞ヴィンチェンゾ・ナタリノミネート
サターン賞SF映画賞ノミネート
メイクアップ賞ノミネート

評価

米MOVIE GIDEでは「『スプライス』は遺伝子工学クローンの作成に関する現在の重要な道徳的問題をいくつか提起しています」とテーマ性を評価しながらも「小児性愛はいうまでもなく、近親相姦や獣姦への忌まわしい暗示を伴う愚かなプロットへと堕落し、凶悪な殺人へと発展する」として、若い科学者が禁忌を犯すR指定のホラーであり、広くはお薦めできないと結んでいる[19]

映画評論家のピーター・ブラッドショウ(英語版)はガーディアン紙の映画評で「すべてが明らかにされているわけではないが」と前置きして「エルサが子供を欲しがっていないのは、不気味で古い農場で自分の母親と接していた苦痛から来たものだ。エルサは赤ちゃんのいない、洗練された都会的な生活を望んでいることが独身アパートの暮らしぶりからうかがえる」と分析した。「『スプライス』は傑作ではないが、面白いクリーチャー・エフェクトと特殊メイク、率直なストーリーテリングがあり、ナタリ監督の『キューブ』のようなカルト作品になる可能性は十分にある。ただしバイオテクノロジーで産まれた亜人と異種交配セックスするのは絶対に止めましょう」と、ジョークを交えて高く評価している[20]

IMDbの保護者向けガイドで、98人中55人が“強めのセックスとヌードがある”と評し、51人中22人が“中程度の暴力とゴア描写がある”としている。“強めのセックスとヌードがある”は「女性が彼の膝の上に乗り、ズボンのチャックを下ろして彼のペニスを挿入。彼女が激しく動くと、2人ともうめき声を上げて絶頂に達している」「男はハイブリッド生物の裸の胸を愛撫。男は彼女の上に乗って突き上げ、2人は行為が中断されるまでさらに大きくうめき声を上げた」「ハイブリッド生物が女性の上に乗り、“あなたの中に”と言って犯す場面で、ハイブリッドが彼女の股間を突いていることを顔の動きで暗示している。ハイブリッドが彼女の中に射精している描写がある」などを理由としている。“暴力とゴア描写”は、「エルサから贈られた猫を殺した後、クリーチャーの尻尾の針が手術で切り取られる」「強姦場面でクリーチャーが背後から串刺しにされる」「クリーチャーは頭部を岩で叩かれ、血まみれの場面が表示される」などが挙げられた[21]
関連項目

遺伝子工学

キメラ

ヴィクター・フランケンシュタイン

獣姦

注釈^ ”Nucleic Exchange Research Development” の頭文字を取ったもの。
^ サラがドレンに対して厳しくなって行くのは、「ドレンがクライブに対して抱いている感情に嫉妬している自分に気づいたからです。意識的にせよ無意識にせよ、彼女はドレンを罰しています」とナタリ監督が語っている[3]
^ 性交中のエルサとクライヴを見て、人間の生殖行為と方法を覚えていた。

出典^ a b c “Splice (2010)”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2011年6月30日閲覧。
^ “Exclusive: Vincenzo Natali Talks Splice”. comingsoon.net. 2024年4月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月4日閲覧。
^ “ ⇒Interview: Director Vincenzo Natali Dissects His New Film ‘Splice’”. Hollywoodchicago.com. 2024年4月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。


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