冬季を抜けて日照量が回復すれば復旧の可能性はあるが、「全システムがダウン」した場合の復旧条件は「-100℃という極寒を、ヒーターを使わずに電源系が生きている」という極めて過酷な条件であった。NASAはわずかな可能性にかけて、冬季を抜けたスピリットとの交信を断続的に試みたが、2011年3月の火星の夏至を過ぎても通信が回復することはなかった。同年5月25日、正式にスピリットのミッション終了が宣言された[7]。
スピリットの当初の活動予定は3ヶ月間だったが、2004年の着陸から2010年の通信途絶まで6年以上にわたって活動を続けたことになる[7]。 スピリットが最後に滞在したトロイ周辺の写真
着陸場所火星の世界的な地形のインタラクティブな画像地図。画像の上にマウスを置くと、60を超える著名な地理的特徴の名前が表示され、クリックするとリンクする。ベースマップの色は、NASAのマーズグローバルサーベイヤーのマーズオービターレーザー高度計からのデータに基づいて、相対的な標高を示す。白色と茶色は最も標高が高い。(+12 to +8 km); ピンクと赤が続く。(+8 to +3 km)。黄色は0 km。緑と青は標高が低い(down to ?8 km)。軸は緯度と経度。(See also: 火星地図; 火星記念地図 / リスト) ( アクティブローバー ? 非活性 ? アクティブランダー ? 非活性 ? 将来 )← Beagle 2 (2003)Curiosity (2012) → Deep Space 2 (1999) →Rosalind Franklin rover (2023) ↓ InSight (2018) → Mars 2 (1971) → ← Mars 3 (1971) Mars 6 (1973) → Polar Lander (1999) ↓↑ Opportunity (2004)← Perseverance (2021) ← Phoenix (2008)Schiaparelli EDM (2016) → ← Sojourner (1997)Spirit (2004) ↑↓Zhurong (2021) Viking 1 (1976) →Viking 2(1976) →
画像
スピリットの移動経路
ロボットアームを動かすスピリット
スピリットが撮影した火星の塵旋風
火星の火山岩
グセフクレーターのコロンビア・ヒルズ
コロンビア号空中分解事故の犠牲者を記念したプレート
スピリットの自撮り写真(2007年)。太陽電池は塵に覆われている。
脚注^ ⇒“スピリット、冬を乗り切る戦い”. sorae.jp. (2006年4月7日). ⇒http://www.sorae.jp/031006/1288.html 2012年12月21日閲覧。
^ ⇒“MER、もうすぐ火星滞在5周年”. sorae.jp. (2008年12月31日). ⇒http://www.sorae.jp/031006/2760.html 2012年12月21日閲覧。
^ ⇒“火星ローバー「スピリット」、右後輪も壊れる”. sorae.jp. (2009年12月14日). ⇒http://www.sorae.jp/031006/3586.html 2012年12月21日閲覧。
^ ⇒“火星ローバー「スピリット」の脱出を断念、静止観測点へ”. sorae.jp. (2010年1月27日). ⇒http://www.sorae.jp/031006/3586.html 2012年12月21日閲覧。
^ ⇒“火星ローバースピリット、「冬眠」開始か”. sorae.jp. (2010年4月2日). ⇒http://www.sorae.jp/031006/3769.html 2012年12月21日閲覧。
^ “火星探査車スピリット、4度目の冬越えなるか”. AstroArts. (2010年4月6日). https://www.astroarts.co.jp/news/2010/04/06spirit/index-j.shtml 2012年12月21日閲覧。
^ a b ⇒“火星探査車「スピリット」活動終了、最後の写真”. sorae.jp. (2011年6月7日). ⇒http://www.sorae.jp/031006/4409.html 2012年12月21日閲覧。
参考文献
スティーヴ・スクワイヤーズ(Steve Squyres) 著、桃井緑美子 訳『ローバー、火星を駆ける 僕らがスピリットとオポチュニティに託した夢』早川書房、2007年9月。