2010年に火星の南半球が冬季に入るとスピリットの発電量は低下し始めた。2010年3月22日まで通信は成功したものの、次の3月30日の通信にスピリットは反応せず、この間に越冬に向けて消費電力を抑える「冬眠モード」に入ったと考えられている。スピリットはすでに3回の越冬を経験していたが、今回は砂地にはまり込んだため太陽電池パネルを発電に有利な向きに傾けることができなかった。電子機器の老朽化も進み、これまでになく厳しい状況になると予想された[5][6]。
冬季を抜けて日照量が回復すれば復旧の可能性はあるが、「全システムがダウン」した場合の復旧条件は「-100℃という極寒を、ヒーターを使わずに電源系が生きている」という極めて過酷な条件であった。NASAはわずかな可能性にかけて、冬季を抜けたスピリットとの交信を断続的に試みたが、2011年3月の火星の夏至を過ぎても通信が回復することはなかった。同年5月25日、正式にスピリットのミッション終了が宣言された[7]。
スピリットの当初の活動予定は3ヶ月間だったが、2004年の着陸から2010年の通信途絶まで6年以上にわたって活動を続けたことになる[7]。 スピリットが最後に滞在したトロイ周辺の写真
着陸場所火星の世界的な地形のインタラクティブな画像地図。画像の上にマウスを置くと、60を超える著名な地理的特徴の名前が表示され、クリックするとリンクする。ベースマップの色は、NASAのマーズグローバルサーベイヤーのマーズオービターレーザー高度計からのデータに基づいて、相対的な標高を示す。白色と茶色は最も標高が高い。(+12 to +8 km); ピンクと赤が続く。(+8 to +3 km)。黄色は0 km。緑と青は標高が低い(down to ?8 km)。軸は緯度と経度。(See also: 火星地図; 火星記念地図 / リスト) ( アクティブローバー ? 非活性 ? アクティブランダー