スパイ・ゾルゲ
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篠田は本作を引退作とした理由について技術の到達度を挙げている[2]。篠田によると、この作品は日本で初めて撮影から編集まで、フィルムを一切使用せずに制作された映画だという[4]

三宅華子のモデルであった石井花子[注 1]はじめ、登場人物の大部分は映画公開時点で物故者であったが、ヴェケリッチの妻である山崎淑子(2006年死去)は当時存命で、子息である山崎洋(彼も生誕間もない姿で本作に登場する場面がある)とともに試写会に招かれている。ヴェケリッチと淑子が出会う場面で淑子は和装であるが、史実では洋装であった。これに関しては衣装担当の森英恵がそれを知った上で和装にするよう篠田に勧めたという[7]

音楽のメインテーマは、池辺晋一郎の交響曲第6番「個の座標の上で」の冒頭部分をそのまま引用している。本作の予告編及びテレビCMではBGMにフィンランドヘヴィメタルバンド『ストラトヴァリウス』の「Infinity」が使用されていた。

エンドロールの最後に「この映画を武満徹に」の献辞が表示されるように、武満の死を悼んで作られた映画でもある (篠田は自分の映画の音楽の多くを武満に頼んでいた)。実際に、エンドロールの最後にかかる曲は武満徹の「弦楽のためのレクイエム」である。

篠田の監督引退作品ということで、妻の岩下志麻がメイキング監督として自らカメラを回し、後に『わが心の「スパイ・ゾルゲ」?妻・岩下志麻が見た監督・篠田正浩』として発売された。
ストーリー

この節の加筆が望まれています。

キャスト

イアン・グレンリヒャルト・ゾルゲ

本木雅弘尾崎秀実

椎名桔平吉河光貞(同事件を主任として担当した、いわゆる思想検事)

上川隆也:特高"T"

葉月里緒菜:三宅華子(カフェの女給)

小雪:山崎淑子(ヴェケリッチの妻)

夏川結衣:尾崎英子(尾崎の妻)

永澤俊矢宮城与徳(画家)

榎木孝明近衛文麿(公爵・首相)


ウルリッヒ・ミューエオイゲン・オット(駐日ドイツ大使)

ミア・ユー:アグネス・スメドレー(ジャーナリスト)

ウォルフギャング・セッシュマイヤー:マックス・クラウゼン

アーミン・マレヴスキー:ブランコ・ド・ヴェケリッチ

カテリーナ・フレミング:カーチャ(ゾルゲの妻)

カレン・フレシッケ:ヘルマ・オット(オイゲン・オットの妻)


花柳錦之輔昭和天皇(大元帥)

麿赤児杉山元(陸軍大臣)

吹越満西園寺公一(西園寺公望の孫)

鶴見辰吾牛場友彦(近衛文麿秘書)

津村鷹志:内務省の男(Tの上司)

河原崎建三:朝日新聞上海通信局長(尾崎の上司)

原口剛本庄繁(侍従武官長)

不破万作:見物の男


観世栄夫:能/善知鳥


レナ・レシング:アンナ・クラウゼン

Marian Wolf:ディレクセン大使(前任の駐日ドイツ大使)

Max Hopp:ショル少佐

マイケル・クリスチャン:マイジンガー大佐(ナチス親衛隊大佐、駐日ドイツ大使館極東部長)


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