『スパイダーマン』(Spider-Man)は、マーベル・コミックの同名のキャラクターをベースにした、2002年のアメリカ合衆国のスーパーヒーロー映画。監督はサム・ライミ、脚本はデヴィッド・コープが務め、トビー・マグワイア、ウィレム・デフォー、キルスティン・ダンスト、ジェームズ・フランコ、クリフ・ロバートソン、ローズマリー・ハリスらが出演している。
2002年4月29日にロサンゼルスのマン・ビレッジ・シアターでプレミア上映され、その4日後の5月3日にアメリカ合衆国で公開された。この映画は、観客や批評家から好意的な評価を受けた。この映画は、1度目の週末で1億ドルに達した最初の映画であると同時に、当時のコミック・ブックを原作とした映画の中で最も成功した作品となった。全世界での興行収入は8億2,170万ドルを超え、2002年に公開された映画の中で第3位、スーパーヒーロー映画の中では第1位、映画全体では第6位の興行収入を記録した。この作品の成功後、2004年には『スパイダーマン2』、2007年には『スパイダーマン3』という2つの続編が公開された。 両親を早くに亡くし、伯父夫妻に育てられたピーター・パーカー。ミッドタウン高校に通う彼は、科学好きで人一倍オクテ。隣に住む幼なじみのメリー・ジェーン・ワトソン(MJ)にもなかなか思いを告げられず、学校でも酷いイジメを受ける、悶々とした毎日を送っていた。 ある日、ピーターは社会見学でコロンビア大学の研究室を訪れ、そこで遺伝子改良を施された新種の蜘蛛「スーパースパイダー」に噛まれてしまう。激しい悪寒に襲われるピーターだったが、翌朝目覚めるとその体には驚異的な視力と体力が備わっていた。さらには手首からクモの糸が飛び出し、手のひらから生えた細い毛により指先だけで壁をよじ登れるようになっていた。 小遣い稼ぎなど私利私欲の為にその力を使ったピーターだったが、自分のミスから愛するベン伯父さんを強盗に殺されてしまう[3]。力の代償を深く受け止めたピーターは正義のために尽くすことを決意。高校を卒業した彼は、特注のスーツを身に纏い「スパイダーマン」としてニューヨークにはびこる悪と闘い、人命を救助する毎日を送ることになる。 そして同じ頃、軍事企業「オズコープ」の実験室でまたひとりの怪人が誕生しようとしていた。「オズコープ」の社長であり、ピーターの親友ハリーの父親であるノーマン・オズボーンが軍から圧力を受け、実験用の身体能力増強薬を自ら服用してしまったのだ。ライバル企業との競争や重役たちに追い詰められストレスを溜めていたノーマンは、薬の副作用で誕生した凶悪な別人格「グリーン・ゴブリン」に意識を支配されてしまう。ゴブリンはノーマンの私利私欲を満たす為に悪事を始める。
ストーリー
登場人物
ピーター・パーカー / スパイダーマン
演 - トビー・マグワイア主人公。ミッドタウン高校に通う、穏やかで心優しい青年。両親がおらず伯父夫婦と暮らしている。科学の成績は優秀でその分野で功績を残している。学校の見学で訪れた研究所で「スーパー・スパイダー」という遺伝子操作された特殊な蜘蛛に噛まれたことで頑丈な肉体、超人的な身体能力や蜘蛛の能力を手に入れる。元々は近眼で眼鏡をかけていたが能力の一環で眼も良くなり、それ以降外している。メリー・ジェーンと車でデートするため、賞金目当てに格闘技に出場することを決めたが、このために開発したコスチュームとリングネームが後にヒーローとして活動するスパイダーマンの原型となる。思春期ということもあり、大人の話をするベンとは反りが合わないこともあったが、互いに情は持っており、ベンが殺害され、その殺害した人物を追い詰めたことでピーターはヒーローとして覚醒する。その後は自警活動を始め、街のヒーローとなる。ただし、あまりにもヒーロー活動を優先した結果、本業を疎かにして、どの仕事も解雇されている。ヒーローとして街の人々に慕われているが事件に何かと巻き込まれていることから警察に要注意人物として逮捕されそうにもなっている。
ノーマン・オズボーン / グリーン・ゴブリン
演 - ウィレム・デフォー軍事企業「オズコープ」の社長でピーターの親友ハリーの父親でもある。息子を愛し、ピーターの事も家族の様に大切に思っている心優しい科学者だったが、事業が軌道に乗らないことでストレスに苛まれている。そんな中、軍から「2週間以内に新薬の結果を報告しろ」という圧力をかけられてしまう。焦ったノーマンは会社を守るために、開発した身体能力増強薬を自ら服用してしまう。