山城拓也が特殊スーツのスパイダープロテクターを身に着けた姿[8]。拓也はスパイダーエキスを注入されたことで体質が変化したためにクモの能力を持ち、垂直の壁に張り付くことや昇り降りすることができる。スパイダー感覚で敵の動きを察知できるほか、人間離れした体力も有するが、クモの生態に準じた「寒さに弱い」などの弱点(スパイダーエキスによる副作用的な現象)も存在する。
正体は秘密にしているが、存在自体は早い段階で「正義のヒーロー」として認知されていた。第7話では、「スパイダーマンブギ」(作詞:上原正三、作曲:渡辺宙明、歌:小林幸太郎 & BB5)という歌がレコード化され、売上が200万枚を超えるヒットを飛ばしているほど有名になっている[注釈 7]。インターポール秘密情報部には正体を知られており、協力関係にある。
敵の前に立ちはだかる時には大見得を切り、豊富なバリエーションでの名乗り口上を行う。樹木が多い場所では、スパイダーストリングスをターザンの如く駆使して移動する場合が多い。ただし、オリジナル版のように建物を移動する際、スパイダーストリングスを使う描写はほとんど見られなかった。また、スパイダーマシンGP-7を使わずに徒歩で移動することが多いが、その際には新宿の繁華街を無許可でゲリラ撮影したため、腰を落としたやや怪しい体勢で歩くスパイダーマンの姿に、通行人たちが呆気に取られている顔が見られる[注釈 8]。
装備・武器
スパイダープロテクター
スパイダーマンとして活動する際、身に付ける特殊スーツ[8]。マーベルの原作にある「目出し帽付き全身スーツ」ではなく、普段はスパイダーブレスレットに収納されている。装着時には一瞬で射出されて拓也の体を覆った後、背中側の両肩に渡るファスナーを閉めると変身が完了する。
放映当時のスーツで現存するのは1着のみだという。DVD特典映像のスタン・リーとの対面収録の際にはこのスーツが使用され、東映版スパイダーマンが20数年ぶりに復活した。
スパイダーブレスレット
スパイダーマンの全能力が集約されたブレスレット。左手首に装着されている。内部で無限に製造されるスパイダー液と呼ばれる特殊な液体を元に生成したスパイダーエキスを内蔵された注射針を用いて体内に注入したり、スパイダーストリングスやスパイダーネットを作り出して射出することが可能。また、スパイダーマシンGP-7やマーベラーを呼び出す際の通信誘導装置や敵の動きをキャッチする探知機としても使用される[8]。
東映版の放送当時はこれを再現した玩具は発売されず[注釈 9]、当時の関連商品やコミカライズ作品においても省略されることが多かった。