スパイダーマン_(映画)
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この脚本には、ジェームズ・キャメロン、ジョン・ブランカトー、テッド・ニューサム、バリー・コーエン、「ジョセフ・ゴールドマリ」の名が記されていた[20]。脚本テキストは前年にゴーランがコロンビアに提出したものと同一であり、新しく1993年付と加えられていた。キャメロンは交流のあるアーノルド・シュワルツェネッガーをドクター・オクトパス役にしようと考えていた[21][22]
ジェームズ・キャメロンの「スクリプトメント」

数ヶ月後、ジェームズ・キャメロンは以前とは別のストーリーを描いた47ページの「スクリプトメント(英語版)」(あらすじ以上シナリオ未満の詳細な概要)を提出した[8]。この「スクリプトメント」ではスパイダーマンのオリジンが語られ、コミックのエレクトロサンドマンがヴィランとして登場する。キャラクターはどちらも原作からアレンジされている。「エレクトロ」は、マックス・ディロンではなくカールトン・ストランドという新たな名前を持ち、電力ではなく情報エネルギーをコントロールする力を持つ。また「サンドマン」はフリント・マルコではなく単にボイドと呼ばれ、ビーチで核爆発に巻き込まれて生まれたのではなく、フィラデルフィア計画のようなバイオロケーションと原子混合実験によって突然変異した設定となった。ストーリーのクライマックスではワールドトレードセンターの頂上で戦い、ピーター・パーカーがメリー・ジェーン・ワトソンに正体を明かす。さらにこのトリートメントでは多くの卑語が含まれ、スパイダーマンとメリー・ジェーンのセックスも描かれた[23]

1992年4月、カロルコは財政難と法的な問題により『スパイダーマン』の製作を断念した[24]
訴訟

ジェームズ・キャメロンが『スパイダーマン』の製作に同意した時、カロルコの弁護士は彼の以前の作品である『ターミネーター2』の契約をテンプレートとして利用した。この協定内の条項でキャメロンには映画と広告にクレジットが残る権利が与えられた。ショービジネスの取引記事や広告は未だに映画に取り組んでいたゴーランには言及しなかった[7]。1993年、ゴーランはプロデューサーとしてクレジットされる契約上の保証を否認するため、最終的にカロルコを訴えた。一方でキャメロンはクレジットされる契約上の権利を所有していた[9]。カロルコは放送とホームビデオ権を回復するためにバイアコムとコロンビアを訴え、両スタジオは反訴した[6]。また20世紀フォックスは別の契約下で監督するとしてキャメロンの参加に対して論争を起こした[8]。1996年、カロルコ、21世紀、マーベルは倒産した。

1995年3月28日付でカロルコが権利を放棄し、MGMは21世紀の映画ライブラリーと財産、そして「すべての権利とジェームズ・キャメロン、テッド・ニューサム、ジョン・ブランカトー、メナハム・ゴーラン、ジョン・マイケル・ポール、イーサン・ワイリー、レスリー・スティーヴンス、フランク・ラロッジア、ニール・ラッテンバーグ、バーニー・コーエン、シェパード・ゴールドマンやその他全ての脚本家が執筆した『スパイダーマン』のすべての草案と脚本」を手にした[25]。またMGMはキャノンとマーベル間の最初の契約に不正があったと主張し、21世紀、バイアコム、マーベルコミックを訴えた。1998年、マーベルはトイ・ビズとの合併という再建計画で破産から抜け出した[7]。裁判所はゴーランの最初の契約は有効期限が切れており、マーベルに権利を戻す判決を下したが、問題は完全に解決しなかった。1999年、マーベルはソニー・ピクチャーズ エンタテインメントの子会社のコロンビア ピクチャーズに『スパイダーマン』の権利を許可した[26]。MGMはキャノン、21世紀、カロルコを通じて『スパイダーマン』の権利を有していると主張し、その合法性に異議を唱えた[27]
コロンビア ピクチャーズ

訴訟問題が起こっている頃にMGM/UAの重役のジョン・キャリー(英語版)がコロンビア ピクチャーズに移籍した。『007 サンダーボール作戦』の権利を保持しているケヴィン・マクローリー(英語版)は、『ネバーセイ・ネバーアゲイン』に続く独自の『007』映画の製作を持ちかけ、キャリーはコロンビアが取得した「マクローリーの要素」を基にした別の『007』シリーズを製作すると発表した[28]

両スタジオは独自の長期的な財務の安定性と計画をアンダーカットできたライバルのプロジェクトに直面していた。当時のコロンビアは人気シリーズを有しておらず、1989年以来、『スパイダーマン』を求めていた。一方でMGM/UAの唯一の看板シリーズはジェームズ・ボンド映画であり、別の『007』シリーズの登場に危機感を持っていた。このように二社は、二本の映画化権を巡って摩擦を引き起こしていた[29]

1999年3月、両スタジオは友好的な取引を行った。コロンビアは新しい『007』シリーズを製作する権利を放棄し、それと引き換えにMGMは『スパイダーマン』を放棄したのである[30]。2000年にコロンビアはこれまでに書かれた全ての脚本の権利を獲得したが[16]、オプション権を「キャメロンのもの」だけに行使した[8]
ソニー・ピクチャーズ

10年以上に及ぶ試行の末、『スパイダーマン』の制作・企画が本格化[6]。コロンビアは制作権を手にしたソニー・ピクチャーズ エンタテインメントの主要な映画製作部門として配給することとなった。ローラ・ジスキンは2011年に亡くなるまでプロデューサーを務めた。

ソニーはコミックファンであるサム・ライミを監督に据え、2002年に『スパイダーマン』、2004年に『スパイダーマン2』、2007年に『スパイダーマン3』が製作された。ピーター・パーカー/スパイダーマンをトビー・マグワイアが演じ、キルスティン・ダンスト演じるメリー・ジェーン・ワトソン(MJ)との恋愛模様を主軸に、スパイダーマンとなったピーターがグリーン・ゴブリンウィレム・デフォー)、ドクター・オクトパスアルフレッド・モリーナ)、ニューゴブリン(ジェームズ・フランコ)、サンドマントーマス・ヘイデン・チャーチ)、ヴェノムトファー・グレイス)らと対決する。ライミの三部作は総製作費5億9700万ドルに対し、全世界で25億ドルを売り上げた。

2007年7月、アヴィ・アラッドはヴェノムのスピンオフ作品を企画していることを明かした[31]。スタジオはヤコブ・アーロン・エステス(英語版)に脚本の執筆を依頼したが、翌年にそれを拒否した。2008年9月、ポール・ワーニック(英語版)とレット・リースが脚本契約を交わした[32]。またスタン・リーがカメオ出演契約を交わした[33]。後にリースは2つの脚本を執筆しており、スタジオは後に書き上げた方を押していたことを明かした[34]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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