スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム
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その内の1人ピーター・パーカー/スパイダーマンは、学校が企画した二週間のヨーロッパ研修旅行に参加し、想いを寄せるミシェル・ジョーンズ(MJ)に告白することを決意する。

そんなピーターに、フューリーから何度も呼び出しが入る。夏休みを満喫したいピーターはこれを無視し、あえてスパイダーマン・スーツを持たずいち学生としてヴェネツィアへ向かった。しかし、その旅行の最中、水で出来た巨大な人型の怪物が現れ市民やピーターたちに襲い掛かかる。メイおばさんが気を利かせて忍ばせてくれていたスーツをホテルに置いてきてしまい、思うように戦えないピーターの前に、空を飛び魔法のようなパワーを操る男が現れ怪物を制圧する。その夜、フューリーから直接召集されたピーターは、人々からミステリオと呼ばれるようになったその男クエンティン・ベックと対面する。自身を「アース833」というマルチバース(異世界)から訪れた存在であると語るベックは、そのアースを滅ぼした土・水・火・風の性質を持つ4体の怪物・エレメンタルズがピーターたちの住む「アース616」の侵略を開始したことを告げる。フューリーはピーターにトニー・スターク/アイアンマンの遺品である人工知能「E.D.I.T.H.(イーディス)」を宿した眼鏡を手渡し、アイアンマンの後継者に指名されたことを伝えるも、ピーターはベックからの共闘の申し出を断り、残り2体となったエレメンタルズとの対決を彼らに任せ、自らは旅行に戻ってしまう。

翌朝、ミッドタウン高校一同は、フューリーの画策により行き先をパリからプラハに変更されてしまう。道中、フューリーが派遣したエージェントからステルス・スーツを預かったピーターは、E.D.I.T.H.の誤操作でクラスメートを殺しかけてしまうハプニングを起こしつつも、やむなくフューリーに協力することを決める。光のカーニバルが開催されるプラハで、ベックとともに火のエレメンタルズを倒したピーターは、自分の不甲斐なさを感じるとともにベックの中にトニーの面影を見出し、ミステリオこそがアイアンマンの後継者であると眼鏡をベックに譲り渡す。しかし、ピーターが去った後ベックは高笑いとともにE.D.I.T.H.獲得を仲間たちと祝う。ベックは異世界から来た戦士などではなく、かつてスターク・インダストリーズを解雇された社員であり、同じように解雇されたりトニーに研究価値を認めてもらえなかった者たちと共謀し、高精度のホログラムシステムと武器を内蔵するハイテクドローンを使ってエレメンタルズと戦うスーパーヒーローを演出していたに過ぎなかったのだった。

ベックと別れたピーターは、急遽旅程が中止になったことを受け、MJとともに夜の街を散歩する。満を持して彼女に告白しようとしたピーターであったが、MJは戦闘現場に落ちていた装置に着いたスパイダー・ウェブを見せてピーターの正体に薄々気づいていたことを明かす。返答に窮すピーターだったが不意に装置が起動、そこからは先刻の戦闘で倒したエレメンタルズのホログラムが飛び出した。装置はベックがホログラムを投影するために使用していたドローンのパーツであり、これによりピーターはベックの嘘に気づく。改めてMJに自身の正体を明かしたピーターはMJと同じく正体を知るネッド・リーズの二人に自分の不在を誤魔化すよう頼み、フューリーがいるベルリンへ向かう。車で迎えたフューリーに事の次第を説明するピーターだが、それはホログラム装置で化けていたベックだった。ホログラムに翻弄されたピーターはやがて線路上に誘導され、列車に轢かれてしまう。ベックはミステリオの真実を知るMJとネッドを始末するためロンドンへ向かった。

列車に乗り込み何とか一命をとりとめていたピーターだが、目覚めたのはオランダの留置場だった。脱出したピーターはスターク・インダストリーズの警備部長であるハッピー・ホーガンを呼び寄せる。プライベート・ジェットで迎えに来たハッピーに対し、ベックに騙された己の情けなさとトニーの不在に弱音を吐くピーターであったが、「トニー本人ですら、みんなが思い描くトニーにはなれない」というハッピーの言葉に励まされ気力を取り戻す。ピーターは、トニーが命を賭して守った世界をベックから守るべく、機内のマシンで新たなスーツを製作しロンドンへ向かう。

ロンドンにてベック一味の画策で橋上に誘導されたMJらを、全てのエレメンタルズが合体したという設定の巨大ホログラムに偽装したドローン群が襲う中、ロンドン上空に辿り着いたピーターはジェットから新スーツのグライダー機能で飛来する。ピーターはエレメンタルズのホログラムの中に潜り込みドローンを次々に破壊。ピーターが生きていた事に気付いたベックと激戦を繰り広げた果てに、無理に攻撃を命じたために誤ってドローンの機関銃に撃たれてしまったベックは、ホログラムの罠で最後の抵抗を試みるも見破られ「人は、信じたいものを信じる」と告げて死んだ。E.D.I.T.H.の眼鏡を取り返し、ドローンを撤退させたピーターは、MJと口づけを交わす。

ミッドクレジット・シーン。ニューヨークに戻ったピーターは、スパイダーマンの姿でMJと空中遊泳を楽しんでいた。しかし、街頭スクリーンに映し出されたある映像を目撃する。J・ジョナ・ジェイムソンが編集長を務めるデイリー・ビューグルが公開したその映像は、ベック一味の残党がベックの死の間際を撮影したものだった。編集され加工された映像の中でベックは、エレメンタルズに関わる騒動やミステリオの死は全てスパイダーマンの仕業であり、スパイダーマンの正体はピーター・パーカーであると告げた。

ポストクレジット・シーン。フューリーに化けていたスクラル人・タロスは、マリア・ヒルに化けていた妻のソレンに苦言を呈されながら、電話でフューリー本人に顛末を説明する。宇宙船の中、いずこかのビーチのホログラムを鑑賞していたフューリーは、タロスの報告に立ち上がり、船内のスクラル人たちに「仕事の時間だ」と告げる。
登場人物・キャスト
主な登場人物
ピーター・パーカー / スパイダーマン
演 - トム・ホランド[4]、日本語吹替 - 榎木淳弥[5][6]放射能を浴びたクモに噛まれ、クモの特殊能力を得た高校生にしてニューヨークのヒーロー。アベンジャーズの一員としてトニー・スターク/アイアンマンに見いだされ、フューリーを通じてトニーの後継者に選出されると共に“E.D.I.T.H.”を譲り受けるが、人々に崇拝されるほどの存在となったアイアンマンの意志を継ぐことの重責に苛まれ、前作とは対照的にヒーロー活動に消極的になっている様子がうかがえる。MJに恋心を抱いており、その想いを伝えようと奮闘しながら今回の一件に巻き込まれていく。
クエンティン・ベック / ミステリオ
演 - ジェイク・ジレンホール[7]、日本語吹替 - 高橋広樹[5][6]マルチバース“アース833”の出身者で、エレメンタルズと戦っていたヒーロー。エレメンタルズに故郷は滅ぼされ家族は奪われてしまったが、『エンドゲーム』における戦いの影響でピーターらの住む“アース616”にやってきたと語る男。だがその正体はスターク・インダストリーズを解雇された元社員で、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』でトニーが紹介していた“B.A.R.F.”の開発者。B.A.R.F.の方針を巡ってクビにされたと逆恨みし、E.D.I.T.H.をピーターから奪う為にトニーに反感を抱える者たちを集め、アイアンマンに代わるニューヒーローとして世界に君臨しようする本作のメインヴィラン。
ミシェル・ジョーンズ(MJ)
演 - ゼンデイヤ[8]、日本語吹替 - 真壁かずみ[5][6]ピーターのクラスメイト。知的かつクールな性格で、独特な口ぶりで話し相手を困惑させる変わり者である。ピーターに関心を持っており、彼の行動を陰から逐一観察している。そのため、薄々ピーター=スパイダーマンであると感づいていた。前作では不思議なクラスメイトという扱いで登場シーンも少なかったが、今作ではヒロインとして登場しており、登場シーンが大幅に増えている。
ニック・フューリー
演 - サミュエル・L・ジャクソン[9]、日本語吹替 - 竹中直人[5][6]元S.H.I.E.L.D.長官。ベックの話を聞き、エレメンタルズ対処のためにピーターとの接触を図ろうとするも何度も逃げられてしまう。ただし、本作に登場するフューリーはスクラル人のタロスがフューリーに化けていたものであり、本人は宇宙船で過ごしていた。
ミッドタウン高校
ネッド・リーズ
演 - ジェイコブ・バタロン[10]、日本語吹替 - 吉田ウーロン太[5][6]ピーターのクラスメイトにして親友。とある偶然からピーターがスパイダーマンであることを知り、それ以降はピーターのヒーロー活動を手助けしている。飛行機でベティと隣席になったことをきっかけに恋人関係になりピーターを呆れさせた。原作では後のホブゴブリンとなる人物だが、設定されているキャラクターや立ち位置は原作のネッドよりも、『アルティメット・スパイダーマン』シリーズに登場するガンケに近いものとなっている。
ベティ・ブラント


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