スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
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42億5000万円[3]
前作MCU
エターナルズ(2021年)スパイダーマン
スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年)
次作MCU
ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年)スパイダーマン
Spider-Man 4
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『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(原題: Spider-Man: No Way Home)は、マーベル・コミックスーパーヒーロースパイダーマン』をベースとした、2021年アメリカ合衆国スーパーヒーロー映画。監督はジョン・ワッツ、脚本はクリス・マッケナ、エリック・ソマーズ(英語版)、出演はトム・ホランドゼンデイヤベネディクト・カンバーバッチジェイコブ・バタロンら。

コロンビア ピクチャーズマーベル・スタジオが共同で製作し、ソニー・ピクチャーズ リリーシングが配給する。『スパイダーマン:ホームカミング』(2017年)、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019年)に次ぐシリーズ3作目であり、「マーベル・シネマティック・ユニバース」(MCU)の27作目である。
ストーリー

スパイダーマン:ファー・フロム・ホームの直後。クエンティン・ベック/ミステリオの策略で正体を明かされてしまったピーター・パーカー/スパイダーマン。ミステリオ殺害の容疑をかけられたピーターは、ダメージ・コントロール局に拘束され、親友のネッド、恋人のMJ、そしてメイおばさんまでもが尋問を受けてしまう。盲目の弁護士マット・マードックの尽力で不起訴となるものの、社会におけるスパイダーマンの評価は二分されてしまう。そのあおりを受け、ピーターだけでなく無関係のMJとネッドが受験したMIT(マサチューセッツ工科大学)を不当な理由で不合格とされてしまった。

追い詰められたピーターは、かつて宇宙の命運をかけて共に戦ったスティーブン・ストレンジ/ドクター・ストレンジに助けを求める。時間を司るタイム・ストーンを失ったストレンジが提案したのは、全ての人々からピーターの正体を忘れさせる呪文の行使であった。しかし、詠唱の途中でピーターが邪魔をしてしまったために呪文は失敗に終わり、ストレンジはMITに掛け合うこともせずに助けを求めてきたピーターを叱責する。

魔術に頼らずに状況の改善を図ったピーターは橋の中央でMIT副学長を発見して説得を試みるも、その最中に謎のアームを装備した男の襲撃を受ける。執拗にスパイダーマンを攻撃するオットー・オクタビアス/ドクター・オクトパスは、アイアンスパイダースーツからナノマシンを奪って自身のアームと結合させ、スパイダーマンを追い詰める。しかしナノマシンを奪ったことが仇となってアームの主導権を奪われ、戦闘はスパイダーマンの勝利に終わる。その直後、パンプキンボムの爆発と共にグライダーに乗った緑色の男、ノーマン・オズボーン/グリーン・ゴブリンが姿を現す。呆気にとられるピーターだったが、直後にストレンジの魔術でサンクタムに転移する。ストレンジによれば、すでに捕らえられていたカート・コナーズ/リザードも含め、魔術の失敗によって「ピーターがスパイダーマンだと知る者達を、他の並行世界から呼び寄せてしまった」のだという。こうして、ピーターはMJ、ネッドと共に、他に呼び寄せられた訪問者たちを捕縛し元の世界に帰すための戦いに挑む。

ノーマンの追跡中、電気を自在に操るマックス・ディロン/エレクトロを発見、彼との戦闘中に現れた全身が砂で出来たフリント・マルコ/サンドマンも含め、捕縛に成功。さらに本来の人格を取り戻したノーマンがメイを通じてピーターに接触、サンクタムへと移送される。ストレンジが呪文を逆転させて彼らをそれぞれのユニバースに戻すよう準備をする中でピーターは、彼ら全員が「それぞれの世界のスパイダーマンと戦い、死亡する」[注 1]運命にあることを知る。ピーターは彼らを救うために、彼らの力を失わせ、善人に戻してから元の世界に戻すことを提案するが、ストレンジは運命を変えることはできないと拒否する。ストレンジと対立したピーターは、呪文を逆転させるための装置を奪って逃走。追跡するストレンジと戦闘となる。ミラー・ディメンションでの戦闘をストレンジに有利に進められるピーターだったが、数学を駆使した策略で見事ストレンジを捕らえることに成功。ストレンジをグランドキャニオンに閉じ込め、彼から奪った装置とスリング・リングをMJとネッドに託し、ピーターは訪問者たちの治療に専念する。

訪問者たちを治療すべくメイと共にハッピーのアパートを訪れたピーター。ノーマンの助力もあってオクトパスのアームの制御チップを作り直して彼の狂気を取り払い、本来のオクタビアスに戻す事に成功するが、エレクトロの治療の途中でゴブリンの人格がノーマンを支配してしまう。ゴブリンの言葉で反旗を翻したエレクトロはオクタビアスを撃破しアーク・リアクターを奪って逃走。更に全く知らない世界に対して徐々に不信感を募らせ、この場にいても自分にはメリットが無いと感じたサンドマンと最初からピーター達を信用していなかったリザードまで逃亡してしまう。必死にメイを逃がそうとするピーターだったが、ゴブリンとの死闘の末、メイを失ってしまう。死の直前のメイから「大いなる力には、大いなる責任が伴う」と伝えられたピーターは、ハッピーの決死の守りもあり、騒ぎを聞きつけたダメージ・コントロール局から逃れる。

一方、MJとネッドは偶然にもスリング・リングを用いたポータルの作成に成功。ピーターを呼び寄せようとするものの、現れたのはノーマン、オクタビアス、フリントたちの世界(=『スパイダーマン』三部作)から来たピーター・パーカー(通称ピーター2)と、コナーズとマックスの世界(=『アメイジング・スパイダーマン』シリーズ)から来たピーター・パーカー(通称ピーター3)であった。彼らの助言によって、行方をくらましたピーターを発見。戦意を完全に失っていたピーターだったが、別の世界を生きるピーターたちとそれぞれが愛する者と離別したことについて語り合い、メイの遺志に敬意を表し、訪問者たちを治療して元の世界に帰すため尽力しようと決意する。

3人のスパイダーマンとMJ、ネッドは、デイリー・ビューグルの放送を利用して改装中の自由の女神にヴィラン達を誘い込む。スパイダーマン達とかつてのヴィランが戦い、サンドマンとリザードを本来のフリントとコナーズの姿に戻すことに成功する。さらにオクタビアスがスパイダーマン側に加勢し、エレクトロからアーク・リアクターを奪取し、その力を封印。遂に本来のマックスに戻す。ネッドがポータルを開いたことでストレンジがミラー・ディメンションから帰還し、ピーターたちが成したことを称賛する。しかし急襲したゴブリンのパンプキン・ボムによってストレンジの封印していた呪文が解き放たれてしまったことで次元の裂け目が生じ、マルチバースから「ピーター・パーカーを知る者」たちが大群をなして現れ始める。

ストレンジがマルチバースの扉を閉じようと試みる中、メイを殺されたピーターは挑発するゴブリンを攻撃、そのまま彼のグライダーを用いて殺害しようとするが、それを止めたのはかつてゴブリンと戦ったピーター2であった。ピーター2はゴブリンに刺されながらも彼をかばい、その姿を見たピーターはピーター3が投げた治療薬を受け取ってゴブリンに注射、ノーマンとしての人格を完全に取り戻させることに成功する。

すべての仕事を終えたピーターは、制御不能に陥ったマルチバースの侵蝕を止めるため、その中心にいる自分の記憶をすべての人々から消し去ってほしいとストレンジに伝える。共に戦ったピーターたち、最愛のMJやネッドに別れを告げ、再び出会うことを約束すると、ストレンジの魔術が行使される。こうして、この世界を訪れたすべての人物は各々の並行世界へと帰還し、そしてあらゆる人物がピーターに関する記憶を失った。

2週間後のクリスマス。ピーターはMJが働くドーナツカフェを訪れる。そこにはネッドも来店していたが、やはり二人ともピーターのことを覚えていない様子だった。ピーターは記憶を失くす前の二人と交わした約束通りに自分を思い出させようと試みるが、MJの額に残っていた傷を見て考えを改め、自らの名前を告げただけで、MJから受け取ったコーヒーを片手にその場を去った。その後、花を供えるために訪れたメイの墓では、やはりピーターの記憶を失っているハッピーと会話を交わし、メイを悼む。

その後、全てを失ったピーターは新しく借りた空っぽのアパートの一室に箱ひとつで引っ越す。警察の通信をチェックしながら、ピーターは新しく手作りしたスーツをまとい、アパートの窓から雪の降るニューヨークへと飛び出す。そう、スパイダーマンとして。

ミッド・クレジット・シーン。ひっそりとこの世界に召喚されていたエディ・ブロック/ヴェノムは、酒を飲みながらこの世界で起きた出来事を聞いていた。代金を払う直前にストレンジの魔術によってこの世界を去ったエディであったが、彼がいた場所には、ヴェノムのシンビオートの一部が残っていた。
キャスト
主な登場人物
ピーター・パーカー / スパイダーマン
演 - トム・ホランド、日本語吹替 - 榎木淳弥[4][5]放射能を浴びたクモに噛まれ、クモの特殊能力を得た高校生にして、“アベンジャーズ”の一員でもあったニューヨークのヒーロー。本作の最終決戦では他のピーターと差別化するため、“ピーター1”の愛称で呼ばれる。前作にて、クエンティン・ベック / ミステリオにスパイダーマンの正体はピーターと暴露され、更にミステリオ殺害の容疑をかけられる。全てを解決するべく、共に宇宙を救った仲であるドクター・ストレンジに自身の正体に関する記憶を消すように頼み込むが、呪文を唱え出した最中に妨害してしまったことで失敗してしまい、ピーター・パーカーがスパイダーマンだと知る人物達を並行世界から呼び寄せてしまい、ストレンジと共に後始末を開始する。
ミシェル・ジョーンズ(MJ)
演 - ゼンデイヤ、日本語吹替 - 真壁かずみ[6][5]ピーターのクラスメイトでありガールフレンド。


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