スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
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死の直前のメイから「大いなる力には、大いなる責任が伴う」と伝えられたピーターは、ハッピーの決死の守りもあり、騒ぎを聞きつけたダメージ・コントロール局から逃れる。

一方、MJとネッドは偶然にもスリング・リングを用いたポータルの作成に成功。ピーターを呼び寄せようとするものの、現れたのはノーマン、オクタビアス、フリントたちの世界(=『スパイダーマン』三部作)から来たピーター・パーカー(通称ピーター2)と、コナーズとマックスの世界(=『アメイジング・スパイダーマン』シリーズ)から来たピーター・パーカー(通称ピーター3)であった。彼らの助言によって、行方をくらましたピーターを発見。戦意を完全に失っていたピーターだったが、別の世界を生きるピーターたちとそれぞれが愛する者と離別したことについて語り合い、メイの遺志に敬意を表し、訪問者たちを治療して元の世界に帰すため尽力しようと決意する。

3人のスパイダーマンとMJ、ネッドは、デイリー・ビューグルの放送を利用して改装中の自由の女神にヴィラン達を誘い込む。スパイダーマン達とかつてのヴィランが戦い、サンドマンとリザードを本来のフリントとコナーズの姿に戻すことに成功する。さらにオクタビアスがスパイダーマン側に加勢し、エレクトロからアーク・リアクターを奪取し、その力を封印。遂に本来のマックスに戻す。ネッドがポータルを開いたことでストレンジがミラー・ディメンションから帰還し、ピーターたちが成したことを称賛する。しかし急襲したゴブリンのパンプキン・ボムによってストレンジの封印していた呪文が解き放たれてしまったことで次元の裂け目が生じ、マルチバースから「ピーター・パーカーを知る者」たちが大群をなして現れ始める。

ストレンジがマルチバースの扉を閉じようと試みる中、メイを殺されたピーターは挑発するゴブリンを攻撃、そのまま彼のグライダーを用いて殺害しようとするが、それを止めたのはかつてゴブリンと戦ったピーター2であった。ピーター2はゴブリンに刺されながらも彼をかばい、その姿を見たピーターはピーター3が投げた治療薬を受け取ってゴブリンに注射、ノーマンとしての人格を完全に取り戻させることに成功する。

すべての仕事を終えたピーターは、制御不能に陥ったマルチバースの侵蝕を止めるため、その中心にいる自分の記憶をすべての人々から消し去ってほしいとストレンジに伝える。共に戦ったピーターたち、最愛のMJやネッドに別れを告げ、再び出会うことを約束すると、ストレンジの魔術が行使される。こうして、この世界を訪れたすべての人物は各々の並行世界へと帰還し、そしてあらゆる人物がピーターに関する記憶を失った。

2週間後のクリスマス。ピーターはMJが働くドーナツカフェを訪れる。そこにはネッドも来店していたが、やはり二人ともピーターのことを覚えていない様子だった。ピーターは記憶を失くす前の二人と交わした約束通りに自分を思い出させようと試みるが、MJの額に残っていた傷を見て考えを改め、自らの名前を告げただけで、MJから受け取ったコーヒーを片手にその場を去った。その後、花を供えるために訪れたメイの墓では、やはりピーターの記憶を失っているハッピーと会話を交わし、メイを悼む。

その後、全てを失ったピーターは新しく借りた空っぽのアパートの一室に箱ひとつで引っ越す。警察の通信をチェックしながら、ピーターは新しく手作りしたスーツをまとい、アパートの窓から雪の降るニューヨークへと飛び出す。そう、スパイダーマンとして。

ミッド・クレジット・シーン。ひっそりとこの世界に召喚されていたエディ・ブロック/ヴェノムは、酒を飲みながらこの世界で起きた出来事を聞いていた。代金を払う直前にストレンジの魔術によってこの世界を去ったエディであったが、彼がいた場所には、ヴェノムのシンビオートの一部が残っていた。
キャスト
主な登場人物
ピーター・パーカー / スパイダーマン
演 - トム・ホランド、日本語吹替 - 榎木淳弥[4][5]放射能を浴びたクモに噛まれ、クモの特殊能力を得た高校生にして、“アベンジャーズ”の一員でもあったニューヨークのヒーロー。本作の最終決戦では他のピーターと差別化するため、“ピーター1”の愛称で呼ばれる。前作にて、クエンティン・ベック / ミステリオにスパイダーマンの正体はピーターと暴露され、更にミステリオ殺害の容疑をかけられる。全てを解決するべく、共に宇宙を救った仲であるドクター・ストレンジに自身の正体に関する記憶を消すように頼み込むが、呪文を唱え出した最中に妨害してしまったことで失敗してしまい、ピーター・パーカーがスパイダーマンだと知る人物達を並行世界から呼び寄せてしまい、ストレンジと共に後始末を開始する。
ミシェル・ジョーンズ(MJ)
演 - ゼンデイヤ、日本語吹替 - 真壁かずみ[6][5]ピーターのクラスメイトでありガールフレンド。本作においては、ピーターが冤罪をかけられたとばっちりで立場が悪くなってしまうが、そんな彼を何があってもそばから支え続けようとする。
ネッド・リーズ
演 - ジェイコブ・バタロン、日本語吹替 - 吉田ウーロン太[6][5]ピーターのクラスメイトであり親友。MJと同様の理由で立場が悪くなってしまうが、彼もまたピーターをそばから支え続けようとし、魔術の才能の片鱗を見せるようになる。
スティーヴン・ストレンジ / ドクター・ストレンジ
演 - ベネディクト・カンバーバッチ[7]、日本語吹替 - 三上哲[6][5]元神経外科医で、“マスターズ・オブ・ミスティック・アーツ”に属する魔術師。“至高の魔術師[ソーサラー・スプリーム]”の座は宇宙の命運を懸けた戦いに敗れ消滅していた5年の間にウォンに移ってしまった。また、サノスとの戦いでタイム・ストーンは失われたままとなっている。本作ではピーターの頼みを聞き、マルチバースに接続して他者の記憶を操作する呪文を行使するが、当のピーターに妨害されて失敗に終わり、並行世界からの侵入者を元の世界に戻すための後始末を始める。
並行世界からの登場人物
ピーター・パーカー / スパイダーマン (ピーター2)
演 - トビー・マグワイア[8]、日本語吹替 - 猪野学ノーマン、オクタビアス、フリントらと戦った後に転移させられた“アース96283”のピーター/スパイダーマン[9]。演じたマグワイアはサム・ライミ監督のスパイダーマン3部作から続投した。本作では他のピーターと差別化するため、“ピーター2”の愛称で呼ばれる。他のピーターより少し年上であり、スイングのし過ぎで腰痛に悩ませられているという。また、彼のみウェブ・シューターを用いず自身の手首から直接ウェブを射出する。ノーマンの死後も、グリーン・ゴブリンの人格を治療する薬について開発を進めていた。また善性を取り戻したオクタビアスに対しても、懐かしむように穏やかに接しており、フリントに対しても「一緒に帰ろう。」と優しく接している。最終決戦ではメイの仇であるゴブリンと対峙して冷静さを欠いたピーター1がゴブリンのグライダーで彼を刺そうとしたところに割って入り、それを制止。それによって自身が背後からゴブリンに刺されてしまうが一命は取り留め、結果的に自身が救えなかったノーマンを救うことに繋がった。
ピーター・パーカー / スパイダーマン (ピーター3)
演 - アンドリュー・ガーフィールド[8]、日本語吹替 - 前野智昭コナーズやマックスと戦い、恋人であったグウェン・ステイシーを失った後に転移させられた、“アース120703”のピーター/スパイダーマン[10]。演じたガーフィールドはマーク・ウェブ監督の『アメイジング・スパイダーマンシリーズ』から続投した。本作では他のピーターと差別化するため、“ピーター3”の愛称で呼ばれる。


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