2015年12月にSPEは映画の公開日を、当初の予定より遅い2018年12月21日とすることを発表した[21]。2016年6月までの間に、ロードは脚本を執筆する作業に入り、ボブ・ペルシケッティが監督に就任した[22]。ミラーは映画について、これまでのスパイダーマンの映画作品とは違った印象を与えることになるとしつつ、「ユニークな映画鑑賞体験として独自の地位を得るだろうね」と語った[23]。内容については、2017年1月に行われたアニメ映画のプレゼンテーションでのSPEの公式発表から、マイルス・モラレスを主人公とする作品であることが噂されており、ピーター・ラムジーはこの時点で共同監督として作品に参加していた[24]。翌月、アレックス・ハーシュが脚本寄稿者として作品に加わったことや、クリスティーナ・スタインバーグがトルマックに代わってプロデューサーに就任したことが明らかとなった[25]。 ロードとミラーは12月、ブラジル・サンパウロで開催されたコミコンでティーザー映像を公開。作品の題名をSpider-Man: Into the Spider-Verseとし、複数のスパイダーマンが本作に登場することを発表した。また、ロドニー・ロスマンが共同監督として本作に加わった[26]。 本作の脚本はロードとロスマンが執筆を担当した[27]。監督のペルシケッティによれば本作を製作するにあたり最初に行ったのは、既にいくつものスパイダーマン映画が公開されている中で本作を作る理由を考えることだったと語っており、これまで長編映画では主役とされていなかったマイルス・モラレスによる新たなスパイダーマンのストーリーを作ることで決定された[28]。マイルスの産みの親である原作者のブライアン・マイケル・ベンディスは、本作のストーリー開発にあたり助言を行っている[29]。 2018年8月、アメリカ映画情報サイトColliderによるペルシケッティ、ラムジー、ロスマンら3人へのインタビューによれば、当初本作はアニマティック映像とストーリーボードだけで2時間を超える長さがあった。これはロードとミラーが「作品で扱うことのできる」ものを基に映画を作るという手法を取っており、最初の段階で可能な限り多くの要素が加えられたためであった。彼らは同インタビューで本作の上映時間は最終的にアニメ映画の標準の長さである90分に収まるだろうと述べている他、エンドクレジット後のシーンをどうするか考えていることを明かした[28]。 2017年4月、シャメイク・ムーア 本作のサウンドトラックは、全13曲構成。ヒップホップを主軸にしたテイストのトラックが集められており、ニッキー・ミナージュやジェイデン・スミスのようなプラチナ認定をされているアーティストから、ポスト・マローン&スウェイ・リー、リル・ウェイン&タイ・ダラー・サインといった旬アーティストによるコラボなど、ヒップホップシーンを幅広く包括した豪華アルバムだと評され、サウンドトラック単体でも大きな話題を呼んだ[39]。特に主題歌「サンフラワー」は最も印象的なトラックだと言われ、全米ビルボードチャートでも1位を獲得[40]。同楽曲を歌ったポスト・マローンが同作品でカメオ出演を果たしていることも話題となった[41]。 ロードとミラーは、本作に「コミックの中を歩いている」かのような雰囲気を求めており、実写ではできない手法でストーリーを伝えることを目指していた[32]。ペルシケッティもこの考えに賛同しており、彼はio9のインタビューに対し、「コミックでの表現を映画のスクリーンに落とし込む」というアイデアを基に製作を始めたと語っている[42]。当初は60名のチームが制作に携わっていたが、納期に間に合わせるべく142名にまで増員され[28]、最終的なスタッフ総数は180名以上となった[43]。 本作は手書き風のCGアニメーションで制作され、「線画、絵画、ドット、その他あらゆるコミックのテクニック」と組み合わさった「生きた絵」として表現されたという[32]。
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キャスティング
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