スパイク・リー
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1991年には異なる人種のカップルを描いた『ジャングル・フィーバー』を発表し、出演者の一人であるサミュエル・L・ジャクソンカンヌ国際映画祭にて演技を激賞され、特別に設置された助演賞を受賞した。また、本作ではスティービー・ワンダーが音楽を担当した。

1993年、『マルコムX』を発表した[7]。本作では急進的な黒人解放運動家として知られているマルコムXを取り上げたが、公開前年には人種差別に対する抗議を含むロス暴動があったことも映画への後押しとなった。公開直後から批評家の間では「人種間の緊張を煽るだけ」という意見もあり評価は割れたものの、それらの議論も話題となり大ヒットを記録。アメリカ映画の巨匠であるマーティン・スコセッシと、厳しい論評で知られているロジャー・イーバートからは、「1990年代に作られた映画の内最も素晴らしい作品10本に入る」と評された。また、主演を務めたデンゼル・ワシントンも演技を評価され、ベルリン国際映画祭男優賞を受賞し、アカデミー主演男優賞にもノミネートされた。しかし、「作品自体には何のノミネートもなかった」ため、再び『ドゥ・ザ・ライト・シング』の時と同様に議論が巻き起こった。

1997年、ドキュメンタリー映画『4 Little Girls』ではアカデミー長編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされた。

21世紀に入ってから暫くの間は賞レースから離れていたが、2015年に第7回ガバナーズ賞・アカデミー賞名誉賞を受賞[8]。しかし後述の理由のとおり、アカデミー賞授賞式には出席しない意向を示した。

2018年、実話を基に制作した刑事ドラマ『ブラック・クランズマン』を発表。第71回カンヌ国際映画祭にてグランプリを、第91回アカデミー賞では脚色賞を受賞し[9]、自身にとって初となるカンヌの主要賞受賞とオスカー競争部門受賞となった。

2021年には第74回カンヌ国際映画祭で審査員長を務めることとなった。

スパイク・リーは今までどのような批判を受けても、人種間の関係について語ることを恐れなかった。1992年、自身が制作した映画『マルコムX』を観るために学校を抜け出したとして糾弾されていた数名の黒人生徒を擁護した。その10年後には、ミシシッピ州上院議員で共和党の右派議員、トレント・ロットが「1948年ストロム・サーモンドが大統領候補者に当選していれば良かった」と語った事件(サーモンドの項を参照)が紙面を騒がせた後、リーはABCテレビの看板番組『グッド・モーニング・アメリカ』でロットが正真正銘のKKKメンバーであると非難した[10]

スパイク・リーは1995年公開の映画『ニュージャージー・ドライブ』でエグゼクティブプロデューサーを勤めた。この映画ではニュージャージー州に住むアフリカ系アメリカ人自動車窃盗について描いている。当時、同州ニューアークでは全米で最も多く自動車泥棒が発生しており、当時のニューアーク市長シャープ・ジェームスはニューアーク市内でこの映画の撮影を許可しなかった。数年後の2002年、スパイク・リーはニューアーク市市長選でジェームスの敵対候補者コリー・ブーカーの支持を表明した。

1999年5月、カンヌ国際映画祭でスパイク・リー初の非黒人映画『サマー・オブ・サム』が公開され、リーはコロンバイン高校銃乱射事件についてハリウッドが受けている非難について質問された。


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