パッケージングはCセグメントの4ドアセダン、5ドアハッチバックおよび2ドアクーペであるが、ハッチバックはステーションワゴンとしての使い勝手を盛り込んだ上で、新たに「スポーツワゴン」として訴求した。セダンはレオーネの廉価モデルであるセダン1600(マイア/マイアII)の後継車も兼ねる[注釈 2]。
また、年次改良や特別仕様車の積極的な投入により、日本の小型車としては異例の8年という長期に渡るモデルサイクルを通じて、高い商品力を維持した[注釈 3]。
レガシィRSに代わり世界ラリー選手権 (WRC) 参戦車両として高性能が与えられたモデルには「WRX」の名が冠された。エンジンもレガシィRSに搭載されていたEJ20型・DOHCターボ (240 PS) がシリンダーヘッド周りを一新して搭載された。
ボディ・デザインはスバル内部によるものである。「フローイングライン」と名付けられたなめらかなシルエットなど、ほぼすべての角が丸められた柔らかなイメージを特徴としている[注釈 4]。
車体(シャシ)は、初代レガシィを基準に開発され、全長で200 mm、ホイールベースで60 mm狭められ、全高を10 mmかさ上げしている。ホワイトボディ(英語版)[注釈 5]で175 kgと、初代レガシィの200 kgに対し25 kgの軽量化、車両重量では80 kgの軽量化を実現している。
トランスミッションは、NA車用として5速MTとE-4速ATが用意され、ターボ車用は、5速MTがノーマルレシオとクロースレシオ、それE-4速AT、VTD-AWDトランスミッションが用意された。
WRXのトランスミッションはエンジン出力が大幅に上昇したにもかかわらず旧モデルの同社車両に搭載されていたものをそのまま採用したため「ガラスのミッション[8]」と揶揄されるほど@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}強度に問題があり、ギヤが入らなくなったり、酷い場合にはギヤそのものが欠けるといったトラブルが多発した。[要出典]
「WRX type RA STi」、「WRX type R STi」には、ドライバーズコントロールセンターデフ(DCCD)が機械式リアLSDとの組み合わせで用意された。DCCDとはシフトレバー脇に設置されたダイヤルで前後輪のトルク配分を任意調節できる機構である。作動原理は、電磁式クラッチ[注釈 6]を応用したものである。合わせて、後輪のデフがR180に拡大され、機械式LSDが組み込まれる。また、後輪のドライブシャフト径とパーキングブレーキ用ドラム径も拡大されている。
サスペンションは、前方がL型ロアアームのストラット式、後方が2本のラテラルリンク(パラレルリンク)とトレーリングリンクを組み合わせたパラレルリンクストラット式で、初代レガシィと共通である。セダン「WRX」のMT車にはバネ下重量軽減のため、アルミ合金製鍛造フロントロアアームを新たに採用している。
ブレーキは、ベンチレーテッドディスクブレーキが前輪に全車標準装備されており、「WRX」では後輪にも装備されている。また、D年改以降の「STiバージョン」にはフロントに対向4ポットキャリパーと16インチ対応ディスクロータ、E年改以降の「WRX type RA STi」、「WRX type R STi」にはさらにリヤ対向2ポットキャリパーと15インチ対応ディスクロータが採用された。
エンジンは、全グレードに水平対向4気筒「EJ」型を採用している。細かく区別すると4種類が存在する。詳細は下記を参照。
EJ20G
初代レガシィRS (BC5) から引き継いだエンジン[注釈 7]。
EJ18
「EJ20」のシリンダーライナーの変更によりボアを4.1 mm縮小したエンジン。
EJ16E
「EJ18E」のストロークを9.2 mm縮めたエンジン。
EJ15E
「EJ16E」のシリンダーライナーの変更によりボアを2.9 mm縮小したエンジン。
なお、同型の生産終了以降、2012年3月28日発売されたBRZに至るまでの間スバルに2ドアクーペはラインナップされなかった。 型式の1桁目のGはインプレッサシリーズを表し、2桁目はシャシーコードである。 日本国内市場: 北米市場では、Cはセダン、Mはクーペ、Fはワゴンを示す。これは右ハンドル車にはあてはまらない。厳密に言えば、GC8は右ハンドル車市場でのみ販売されている(ターボチャージャー付きEJ20搭載モデルは北米では販売されなかった)。3桁目はエンジンの排気量を表わし、2 = 1.8L、4 = 2.2L、6 = 2.5L、8 = 2.0Lターボである。したがって、例えば、GC6は日本ではEJ18搭載モデルを指すが、北米ではEJ25搭載モデルを指す。
型式一覧
GC1 - 2ドアクーペ、排気量1,493 cc、自然吸気、FF、5速MTまたは4速AT。
GC2 - セダン、排気量1,493 cc、自然吸気、AWD、5速MTまたは4速AT。
GC4 - セダン、排気量1,597 cc、自然吸気、AWD、5速MTまたは4速AT。
GC6 - セダン、排気量1,820 cc、自然吸気、AWD、5速MTまたは4速AT。
GC8 - セダン、排気量1,994 cc、自然吸気またはターボチャージャー付、AWD、5速MTまたは4速AT。
GF1 - ワゴン、排気量1,493 cc、自然吸気、FF、5速MTまたは4速AT。
GF2 - ワゴン、排気量1,493 cc、自然吸気、AWD、5速MTまたは4速AT。
GF3 - ワゴン、排気量1,597 cc、自然吸気、FF、5速MTまたは4速AT。
GF4 - ワゴン、排気量1,597 cc、自然吸気、AWD、5速MTまたは4速AT。
GF5 - ワゴン、排気量1,820 cc、自然吸気、FF、5速MTまたは4速AT。
GF6 - ワゴン、排気量1,820 cc、自然吸気、AWD、5速MTまたは4速AT。
GF8 - ワゴン、排気量1,994 cc、自然吸気またはターボチャージャー付、AWD、5速MTまたは4速AT。
GFA - ワゴン、排気量1,820 cc、自然吸気、AWD、5速MTまたは4速AT、エアサス仕様。
GC6 - セダン、排気量2,457 cc(EJ253 SOHC)、自然吸気、AWD。
GM2 - クーペ、排気量1,820 cc、自然吸気、AWD。
GM4 - クーペ、排気量2,212 cc、自然吸気、AWD。
GM6 - クーペ、排気量2,457 cc(EJ253 SOHC)、自然吸気、AWD。
年表
1992年10月22日 - インプレッサ・シリーズ(セダン、スポーツワゴン、セダンWRX)を発表、11月2日から発売(年改A)。CMにはカイル・マクラクランが出演し、CMソングにはCHAGE&ASKAの「no no darlin'」と「なぜに君は帰らない」が起用された。
1993年
8月 - WRCデビュー。
9月 - 一部改良(年改B)。要望の多かったワゴンWRXを追加。同時にMTのみであったセダンWRXにもATを追加 (220 PS)。
1994年
1月 - 環境対策としてエアコンガスの新冷媒の採用。STI社製コンプリートカー「WRX STi」発売。セダン・ワゴン合計月産100台限定。WRX STiモデルの車両の扱いは特別であり、正式な型式認証を受けたモデルではなく、購入時には現車を陸運局に持ち込んで改造車として公認登録を受ける必要があった(バージョンIII以降は通常の扱いに変更された)[9]。
10月 - 一部改良(年改C1)。セダンWRX系が260PSに出力アップ。同時にATを廃止。1.8 Lの「HX edition S」に、このWRX用のフロントバンパーが標準となった。また、WRX系のアルミホイールが16インチになったのに併せ、タイヤも205/55R15から205/50R16に大きくなった。「WRX type RA STi」の追加(275PS、DCCD初搭載)。
1995年
1月 - 輸出向け2ドアクーペを「リトナ」名で国内発売。1.5 L・前輪駆動/1.6 L・四輪駆動(MT仕様はインプレッサシリーズとしては唯一のセレクティブ4WD。AT仕様についてはセダン/ワゴン系同様のフルタイム4WD)の2種類。