ストリートチルドレン
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ルーマニア政府は国債を 1989 年に完済したものの、国民生活は困窮、同年、ルーマニア革命により共産党政権が崩壊するとともに、奨学金は停止[2]した。こうして産み出された子供たちは、親から充分に食べさせてもらえず、家を飛び出す、あるいは捨てられて街頭で生活していくこととなった。

なおルーマニアは、ヨーロッパ諸国の中で子供たちのエイズ感染率の最も高い国になっている。これは1986-1991年の混乱期に、輸血栄養剤の注射をするのに注射器の針が欠乏していたことなどが原因ともいわれる。孤児院などの児童保護施設で、貧しい食糧事情から栄養失調により体調を崩す子供も多く、それを即物的に治療する上で、栄養剤注射が常態化していたという報告も寄せられている。この状況下で注射針の不足から、これら施設に収容された児童内にエイズが蔓延したと見られている。

これらストリートチルドレンのエイズ感染者は、充分な治療を受けるすべもないということで、さらに事態は悪化している。加えて一部のルーマニアのストリートチルドレンは、男女の別を問わずセックスツアーの観光客、特に西ヨーロッパからの人を相手に売春行為を行い、これがヨーロッパ地域のエイズ患者増加を招いていると見なされている。元よりこれらの子供は、体以外に生活資金を得る手段が無く、これが事態の悪化と長期化を招いている。観光客側は後の事を考慮せずにことに及ぶためコンドームを使用せず、加えて売春している子供らも貧しさからコンドームを購入できないという事情もあり、これも問題視されている。

またこれらの子供らには、日本での第二次世界大戦終結後の戦後時代に見られたように、ビニール袋からエタノールを吸引するといった問題行動が見られる。エタノールの吸引は、空腹感を紛らわせる為に行っている。こうした薬物への依存もまた貧困のなせる業といわねばならない。セックスツアー観光客の中には、自身の娯楽のために違法な薬物を持ち込み、これを売春で買った子供らに提供するケースも危惧されている。
カンボジア

国民の
貧困層:36%

スラム居住者数:30万人 ⇒[1]

プノンペン ストゥンミーンチェイ郡にあるゴミ山

ゴミ山(毎日トラック400台以上のゴミが運ばれている)から100mほどに3つの村があり、約2,000世帯が暮らす。

約500人がこのゴミ山でゴミの回収・販売を行っており、過半数は15歳以下の子供。朝6時 - 夕6時までの12時間ゴミを拾って、約4,000リエル(約1$)の収入、大人で1日約2$の収入。彼らはこれらの収入から、食費、土地代、家賃を払っている。

ゴミはベトナムに売られている。

プノンペン ストゥンミーンチェイ郡にあるゴミ山回収・販売の参考価格 ⇒[2]

ゴミリエル日本円
10ピース100R2.5
4ピース100R2.5
1kg200R5.0
1kg3,000R75
アルミニウム1kg2,500R62.5

HIV 問題

カンボジア国民の1.9%はHIV感染していると言われている。

2005年末時点、HIV によって両親を亡くしたエイズ孤児は 96,000人超。
北朝鮮のコチェビ

北朝鮮では食糧難のため、食糧確保に出掛けた父母から離れてストリートチルドレンとなる子供が都市部の闇市鉄道駅に集まり、このような子供を「コチェビ」(ロシア語の浮浪者を指す「コチェビエ」に由来)と呼ぶ。以前は「コッチェビ」と呼ばれ、朝鮮語で「花つばめ」の意味とされていた。

詳細はコッチェビの項目を参照。
インドの問題

インド共和国は世界で7番目に広い国土を持ち、2番目に人口の多い国である。加速する経済成長に伴い、インドは最も急速に成長する発展途上国のひとつとなったが、同時に貧困層と富裕層の格差を生んだ。(ただし、貧富の差は、労働意欲がない理由ではなく、宗教上の理由で生まれながら職業が決まっており、どんなに働いても宗教を理由として賃金がもらえなかったり、そもそも働かせてもらえない場合が多い。)人口の22%が貧困線以下の収入によって暮らしている。失業者数、増加する田舎から都会への移動、都市生活の魅力と行政の意志の欠如が、インドを世界で最も児童労働者の多い国のひとつにした。

インド政府は改善手段を講じ、児童労働は非合法であると宣言しているが、ストリートチルドレン達の栄養失調、飢餓、健康上の問題、薬物濫用、窃盗、商業上の性的搾取、都市警察と鉄道当局、そして物理的・性的虐待の影響を受けやすさは依然変わっていない。
救援活動

これらの問題に関しては、まずストリートチルドレンを受け入れる施設と、その施設を運営するための資金が必要である。また、子供たちに対する住居と同時に、教育の充実も社会への適応のために求められる。更に、教育を受けていないため、あるいは社会全体が貧しいために職が得られない保護者の問題もあり、社会構造の改革も求められる。

ユニセフや世界各国による援助や、NGOなどによる活動が行われてはいるものの、旧紛争地域などでは治安の問題から先進国による援助が容易でない場合もあり、地域問題のより根本的な改善なども必要とされる。

なお、この子供たちに仕事を与えて経済的に安定させようという考えもあるが、これは児童就労であるため逆に問題視される。シューズメーカーのナイキは、アジアなどの国々で15歳以上の子供を雇用して自社工場で使っていたが、これが社会問題として取り沙汰されたことがある。
脚注^ 佐藤雅彦・竹中平蔵 『経済ってそういうことだったのか会議』 日本経済新聞社学〈日経ビジネス人文庫〉、2002年、117頁。
^ 佐藤雅彦・竹中平蔵 『経済ってそういうことだったのか会議』 日本経済新聞社学〈日経ビジネス人文庫〉、2002年、118頁。

参考文献

「リオの路上から」訳者 宮川智恵子のサイト

関連項目

国際連合児童基金(ユニセフ)

ホームレス

ネットカフェ難民

孤児

家出

チビ太 - 『おそ松くん』の登場人物

少年兵

コヴナント・ハウス

カサ・アリアンサ

アシュレヤ・イニシアティブ・フォー・チルドレン

ド根性小学生ボン・ビー太

ホームレス中学生

トー横キッズ

外部リンク.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィキメディア・コモンズには、ストリートチルドレンに関連するカテゴリがあります。

ストリートチルドレンを考える会

ストリートチルドレン芸術祭

日本ユニセフ協会

Street child projects - 英語サイト

Enfants des Rues - 英語サイト

Directory of street children websites - 英語サイト

Street Children Project in Brazil - 英語サイト

セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン

アジア日本相互交流センター・ICAN 直接的に路上の事業を実施している数少ない日本のNGOの1つ。事業地から頻繁な報告がある。

国境なき子どもたち - 日本語サイト

KnK International (Children without Borders) - 英語サイト

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