ストライキ
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当初は両備バス全線の運休ストを決行する予定であったが、両備グループ側から顧客に迷惑のかかる全線運休を回避するよう申し入れがあり、これを労組が受け入れたもの[10]
一斉休暇闘争
一斉に有給休暇をとることによって、賃金を得つつストライキと同等の効果を得ようとするもの。経営側は「不当な休暇権の行使」と主張し、時季変更権を発動したりもする。
部分スト(指名スト)
組合の指示により、一部の者(主に操業の核となる人物)のみがストライキをすること。争議行為に参加しなかった組合員も賃金をもらえないということも起こりうる。「指名スト」とも。闘争時の臨時専従者の確保に使われることもある。
時限スト
ストを行う時間を区切って行うスト。闘争の初期段階や、公共サービスに大きな影響を与える場合にこれを防ぐため、行われる。学校で教職員組合によって行なわれる場合もあり、この場合はその時間帯、授業が自習になる。
一部スト
産業別労働組合などのある組合がストに突入する一方、他の組合はストを行わなかった場合。企業別労働組合が普通の日本では、むしろ一部ストのほうが一般的である。
支援スト
他の組合のストライキを支援する目的で行われるストライキ。
日本のストライキ

この節は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。

日本では、日本国憲法第28条により労働基本権のひとつとして保障され、主に労働組合法及び労働関係調整法で規定される。
ストライキと法的責任

第五条 労働組合は、労働委員会に証拠を提出して第二条及び第二項の規定に適合することを立証しなければ、この法律に規定する手続に参与する資格を有せず、且つ、この法律に規定する救済を与えられない。

第八条 使用者は、同盟罷業その他の争議行為であつて正当なものによつて損害を受けたことの故をもつて、労働組合又はその組合員に対し賠償を請求することができない。 ?  労働組合法

争議行為が正当である場合、その行為についての刑事責任労働組合法1条)と民事責任(同8条)は免責される。ストライキも労務の不提供にとどまるならば合法であり、これらの免責を受ける。特にストライキによって、使用者に生じた損害に対する賠償責任が免責される点が重要である。

ストライキなどの争議行為が正当でなければ、これらの免責は受けられない。また、ストライキを設定している日に対して前倒し決行した場合、違法ではないがこれによる企業側の損失については、請求できる判例がある。なお、ノーワークノーペイの原則から、正規労働時間中に就業していない分の賃金は支払われない。一般に労働組合は組合員からあらかじめ積立金を「闘争資金」等の名称で徴収し、争議権行使で発生した賃金不払い分を組合が補填する。

また、ストライキが行われている事業所に対して、公共職業安定所が求職者を紹介することや労働者派遣事業者が人材派遣を行うことは禁止されている(前者は職業安定法20条1項、後者は労働者派遣法24条)。
正当でない争議行動の例

法律で争議行動が禁止されている職種に就く者が行う争議行動

政治的要求や社会運動を目的とするもの

会社・事業所の施設を損壊・汚損する行為を含む争議行動

乱闘・暴力により要求などを主張する行為を含む争議行動

このほか、組合の機関決定を経ずに一部組合員の行う「山猫スト」は、団体交渉の主体を欠き、不当とする判例が有力とされる[11]
ストライキに対する規制
公務員のストライキの制限

日本国内の公務員は、国家公務員法第98条及び地方公務員法第37条により、ストライキが禁止されている。戦後直後は一部の職種を除いて公務員のストライキも認めていたが、1948年7月31日政令201号によって全ての公務員のストライキが禁止された。その後政令201号は、日本国との平和条約が発効したことに伴うポツダム命令廃止法により1952年10月25日に失効しているが、前述の規定により公務員のストライキが認められていない。

また、1949年に国の直営事業から分離された公共企業体日本国有鉄道日本専売公社。1952年に日本電信電話公社が加わる)の職員に対しては、公共企業体等労働関係法(現在の行政執行法人の労働関係に関する法律)が制定され、やはりストライキが禁じられた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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