ステーキ
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ステーキの付け合わせには、ジャガイモニンジン豆類コーンなどの温野菜が盛りつけられることが多い。日本の一部の店舗や台湾夜市などではパスタを添えることもある。通常はと付け合せの野菜以外にパンが添えられる。日本人は多くの場合ステーキを「おかず」として認識するため、主食であるライスを選択する。食中酒としては赤ワインを選ぶのが常道である。
食べ方

ステーキを食する際は左手にフォーク、右手にナイフを持ち、肉の左側から一口大にカットし、そのまま左手のフォークを持ち替えずを口に運ぶのがマナーである。しかしアメリカはカジュアルなスタイル、くだけた態度も許されることが多いので、肉全体を一口大にすっかり切り分けてしまってから、右手にフォークを持ち替えて食べる人もいる。和食料理店では箸で食べる都合上、料理人の手で切り分けられてから供されることが多い。
分類
部位

ステーキとしてカットされる肉は、柔らかく味の良い上質な部位に限られる。日本の食肉小売品質基準で規定されている牛肉の名称では、以下の部位が用いられる。
サーロイン 
日本では上部後方の肉を意味する。柔らかく程よい脂身を持ち味が良い。
フィレ(ヒレ) 
最も柔らかく脂肪が少ない。英語ではテンダーロインと呼ばれる部位である。
リブロース
上部中央の背肉。脂肪が多く旨味がある。
肩ロース(かたロース)
上部前方の肩肉。脂肪は多いが筋があり、食感はやや固い。
腿(もも) 
肉(ももにく)は「もも」と「そともも」に分類され、そとももは硬くステーキには向かない。「もも」は日本食肉格付協会の分類では「うちもも」と「しんたま」に細分される。
らんぷ 
臀部の肉。赤身で柔らかく脂肪が少ない。Tボーン(ポーターハウス)ステーキ

以下は骨付きステーキ。日本の解体法とは異なるため、輸入肉のみに存在するカットである。
Tボーンステーキ(en:T-bone steak)
ヒレとサーロイン(あるいはショートロイン)の2つの部位が付いた骨付き肉。骨の断面がT字に見えるためこの名がある。
ポーターハウスステーキ
Tボーンステーキの中でもヒレの部分が1/3を超えるもの。
Lボーンステーキ
Tボーンと同じ部位だが、ショートロイン側でほとんどヒレ肉が付いていないもの、あるいは単に骨付きのサーロインステーキをこのように呼ぶ。

これらの精肉以外にも、内臓肉に分類されるサガリ(ハンガーステーキ)、ハラミ(フランクステーキ)、ミスジなどの部位もステーキとして用いられる。
焼き方

基本として生焼きの「レア」、充分に火の通った「ウェルダン」、その中間の「ミディアム」の3つがある。さらに細かく分けると、レアとミディアムの中間の「ミディアム・レア」、ミディアムとウェルダンの中間の「ミディアム・ウェル」がある[6][7]

生肉からすっかり火を通し切った状態までの、各段階を細かく網羅的に挙げると以下のとおり。
ロー(:raw)
未調理。完全に生の状態。食中毒の危険性が高いため、特殊な場合を除き提供されることはない。
ブルーレア(英:blue rare)
限りなく生に近く、表面の色が変わる程度に焼いた状態。
レア(英:rare)、ブル(:bleu)
表面のみを焼いた「鰹のタタキ」のような状態。ただし、炙熱後に冷やすタタキの内部が刺身同様の生であるのに対して、レアステーキは余熱などで55 - 60℃程度まで加温されている。
ミディアム・レア(英:medium rare1)、セニャン(仏:saignant)
レアとミディアムの中間。肉の内部温度を蛋白質の変質が起こる境界の65℃程度まで温める焼き方。表面はしっかりと焼かれる一方、中心部は生に近い状態が損なわれていない。中にまだ赤みが残っており、切ると多少血がにじむくらいの状態
[8]
ミディアム(英:medium)、ア・ポワン(仏:a point)
肉の中心部の蛋白質が変質しかける程度まで温める焼き方(内部温度65℃以上 - 70℃以下)。切るとほぼ全体に色が変わっているが中心部はうっすらとピンクがかっており、完全に色が変わっていない状態。肉汁はまだ保たれている。
ミディアム・ウェル(英:medium well)
ミディアムとウェルダンの中間。
ウェルダン(英:well-done)、ビヤン・キュイ(仏:bien cuit)
よく焼いた状態。肉の中心部まで蛋白質の変性が起こっており、赤味はほとんど残っておらず、ナイフで切っても肉汁はほとんど出ない。食中毒を経験をした人は、用心してウェルダンを選ぶようになる傾向があるといわれる。
ベリー・ウェルダン(英:very well-done)
完全に中まで焼いた状態で、ナイフで肉を切っても肉汁が出ない。肉の良さを殺しすぎるためあまり推奨されないが、これ以外は口にしないという人も一定数は存在する。

また、非常に高温に熱した鉄板やグリルで短時間で表面を焦がす「ピッツバーグレア(英:pittsburgh rare)」あるいは「ブラック・アンド・ブルー(英:black and blue)」といった焼き方もある。
成型肉の景品表示上の問題

成型肉を「ステーキ」「ビーフステーキ」「○○ステーキ」など「ステーキ」と表示することについて、景品表示法上の問題が指摘されている。

消費者庁では、一般消費者は「生鮮食品」の「肉類」に該当する「一枚の牛肉の切り身」を焼いた料理と認識することや、牛の成型肉は「生鮮食品」の「肉類」に該当する牛の生肉の切り身ではないことなどから、「ステーキ」と表示すること自体が景品表示法第4条第1項第1号(優良誤認)に抵触するとの見解を示している[9]。一方、東京都福祉保健局は「牛肉(サイコロステーキ)」「牛肉加工品(サイコロステーキ)」など、「ステーキ」の表示とともにJAS法に基づく適切な名称の記載を推奨している[10]
牛肉以外のステーキ
ポークステーキ
豚肉の場合、同様なカットに対しては "cutlet" という表現が用いられるのが一般的で、ポークステーキという用語はあまり用いられない。ただしアメリカ合衆国では、肩肉のカットについて限定的にこの名称が使用されることがある(
ポークステーキ)。豚肉を焼く料理の名称としては、調理法に由来するポークソテーや、肉の切り方に由来するポークチャップという呼称が一般的である。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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