スティーヴ・ディッコ
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エクリプス・コミックス(英語版)では Eclipse Monthly 第1号 - 第3号(1983年8月 - 10月)で自作のキャラクター「スタティック[† 4]」を主人公とする作品を描いた。第2号ではスーパーヴィランのエクスプローダーを登場させた。

ライターのジャック・C・ハリスとともにファースト・コミックの Warp 第2号 - 第4号(1983年4月 - 6月)でバックアップ連載 "The Faceless Ones" を描いた。

ハリスやほかのライターと組み、アーチー・コミックスが1980年代に短期間出していたスーパーヒーロー系ラインの The Fly でフライ、フライガール、ジャガーのストーリーを数作描いた。ディッコはキャリア後期にはインカーの仕事をあまり行わなくなったが、The Fly 第9号(1984年10月)の「ジャガー」ではディック・エアーズのペンシルにペン入れを行った[59]。ウェスタン・パブリッシング(英語版)は1982年に新しいSF誌 Astral Frontiers にディッコとハリスの連載を載せると発表したが、同誌が日の目を見ることはなかった[77]

1992年、原作者ウィル・マリーとともに女性ヒーローのスクイレルガール(英語版)を制作した。マーベル・コミックスのために作り出したオリジナルキャラクターとしては、もっとも後期の一人となる。スクイレルガールは Marvel Super-Heroes 第2シリーズ第8号、Marvel Super-Heroes Winter Special(1992年1月)でデビューした[78]

1993年、ダークホースコミックスで単号作品 The Safest Place in the World を描いた。ディファイアント・コミックス(英語版)のシリーズ Dark Dominion では、トレーディングカードセットとして発売された第0号の作画を行った。1995年、マーベルが出したテレビアニメ『ファントム2040(英語版)』のコミック版全4号でペンシルを描いた。このシリーズで描いたポスターではジョン・ロミータSrがインクを務めた。ファンタグラフィックス・ブックスはディッコの名を冠した季刊誌 Steve Ditko's Strange Avenging Tales を発刊したが1号限り(1997年2月)で終わった。その原因はディッコとファンタグラフィックスの間の諍いだとされるが、具体的なことは公になっていない[79]
メインストリームからの引退以降

ニューヨーク・タイムズ』は2008年に以下のように評した。「70年代のディッコは時流に遅れた変人とみなされるようになっていた。80年代になると、木っ端仕事を請け負って回るディッコは業界にとって過去の人だった … [アイン・]ランドが書いたジョン・ゴールト[† 5] の例にならって、ディッコは金になる仕事を片手間でやっつけ、本当の関心はオブジェクティビストとしての難解な論説を小出版社から出すことに取っておいた。そしてその片手間仕事ときたら… ディッコがトランスフォーマーの塗り絵やビッグボーイのコミックを描くのを見ると、オーソン・ウェルズが冷凍エンドウマメを宣伝している(英語版)と聞いた時と同じ気持ちになった」[80]

ディッコは1998年にメインストリーム・コミック界から引退した[81]。マーベルやDCでの活動末期には、Marvel Comics Presents の連載「サブマリナー」のような歴史あるキャラクターや、『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』のような新しい版権キャラクターを手掛けていた。メインストリーム界で最後に生み出したキャラクターは、マーベルの Shadows & Light 第1号(1998年2月)に掲載された、レン・ウェインのスクリプトによるアイアンマンの12ページ作品 "A Man's Reach..." に登場したロングアームであった。最後に描いた作品はDCのニューゴッズを主役にした5ページ作品 "Infinitely Gentle Infinitely Suffering" で、インクはマイク・グレイによる。同作は『オライオン』(2000年 - 2002年)に掲載される予定だったが[82]、2008年になってからトレード・ペーパーバック Tales of the New Gods でようやく世に出た[82]

それ以来ディッコの単独作は、一般的な取次を介さず、長年の共作者・担当編集者だったロビン・スナイダーを通じて散発的に出版されるだけになった。スナイダーの出版物にはオリジナル作品もあれば、『スタティック』『ミッシングマン』『モッカー』など旧作の再刊もあった。2002年の Avenging World は30年にわたる短編とエッセイの集成だった[59]。2008年には数ページの新作イラストを収録した32ページのエッセイ The Avenging Mind が発行された。Ditko, Etc... は掌編と風刺漫画からなる32ページのコミックだった。さらにこの形式での刊行が続き、ヒーロー、ミス・イーリー、ケープ、マッドマン、グレイ・ネゴシエーター、!?、アウトラインといったキャラクターが生み出された[83]。ディッコは2012年にこれらの自己出版について「ほかに何もやらせてもらえなかったからやった」と述べている[84]。2010年には1973年のコミック「ミスターA」の新版や、ディッコが描いた表紙絵の選集 The Cover Series が、2011年には1975年のコミック作品 ...Wha...!? Ditko's H. Series の新版が出た[59]

DCからもハードカバー作品集が発行され、1978年に描いていた数篇の「失われた」作品も収録された。2010年の本 The Creeper by Steve Ditko には、未刊行に終わった『ショーケース』第106号に掲載される予定だったクリーパーのストーリーが[85]、The Steve Ditko Omnibus Vol. 1(2011年)には『シェイド・ザ・チェンジングマン』の未刊行作品が収録された[86]ハルクヒューマン・トーチが登場するジャック・C・ハリスの原作による1980年代の作品は、マーベルから Incredible Hulk and the Human Torch: From the Marvel Vault 第1号として2011年8月に刊行された[87]


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