ソニー製品については、「ソニーのHDVカメラは優秀で、高価だが一家に一台必要だ」と言う一方で、ウォークマンを「iPodに劣る」と言ったり、「 iPodが存在する理由は、ポータブルミュージックプレイヤーの市場を造って独占していた日本の企業が、ソフトウェアを作れなかったからです。」[155]と、批判した事もある。 1999年10月5日のメディアイベントのスピーチ冒頭で、ソニー共同創業者盛田昭夫の死に追悼の意を表し、トランジスタラジオやトリニトロン、ウォークマンなど革新的な商品開発を、Appleに大きな影響を与えたものとして称賛している。
食生活には強いこだわりを持つ。大学時代から魚介類以外の動物性の食品は一切摂らなかった。また、日本食、とりわけ蕎麦や寿司を好んだことが知られている。また、果物も好物で、特に林檎がお気に入りであり、社名の由来にもなったと言われている。
Apple本社の食堂Cafe Macsには、ジョブズが考案したという「刺身ソバ」なるメニューがある。Appleに復帰後、社員食堂を自社運営に切り替えて、ジョブズ自身がスカウトした料理人が腕を振るっている。「ベジタリアンだから臭わない」という独自の思想により、若いころはシャワーを滅多に浴びなかった。そのため、ただでさえコミュニケーションが取れず評判の悪かったジョブズは、アタリ社やAppleの社員から「臭い」とクレームが多かったという。洋式便器で足を洗うという奇行もしていたという。また若いころは、素足やサンダルのままで仕事をすることも多く、出資者や取引相手と話をする際にも、素足やサンダルのまま、机に足を投げ出して対応するなどの非常識な言動があったという。
ジョブズのトレードマークである黒のタートルネックは、三宅一生デザインのもの。ジョブズが1980年代に盛田昭夫に案内されてソニーの工場見学をしたことがきっかけになっている。三宅デザインのソニーの制服[156]を見たジョブズが盛田に社員が着る理由を質問した際、盛田から「絆です。」との返答に感心したジョブズは、三宅にユニフォームを発注して、Appleの制服にすることを提案したが、これは受け入れられなかった。しかしこれを機にジョブズは三宅デザインの黒のタートルネックとリーバイスのジーンズ、ニューバランスのスニーカーを自分のユニフォームと位置づけ、毎日それだけを着続けるようになったという[157][158]。また余計な選択肢で頭を使わないために服は同じものを何着も持っていた[159]。
業界でジョブズにまつわる人物は数多いが、中でもマイクロソフト創業者のビル・ゲイツは、同じ1955年生まれということもあって、独特のライバル関係にある。世間では確執が語られることも多いが、自他ともに認める友人でもあり、ビジネスのみならずプライベートでも関係が深かったことが知られている[160][161]。互いにビジネスの才覚については高く評価している[160][162]。腹心の部下である、バド・トリブルが使い始めたという「現実歪曲空間」は、たとえ彼をよく知る人間がそれに備えていたとしても、抵抗できないといわれている。現実歪曲空間とは、ジョブズの魅力、カリスマ性、虚勢、誇張、マーケティング、宥和政策、持続性をもって、ジョブズ自身と他人に、ほとんどどんな考えでも吹き込む能力であるという。