スティング_(映画)
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しかしポーカーにだけは目がなく、時にイカサマを働いてまで勝ちを狙うことを知る。視察のために時々シカゴを訪れるロネガンが移動の列車の中で行われるポーカーに参加すると聞いたゴンドーフはその機会を狙いポーカーに参加。ポーカーをきっかけにロネガンを騙す事に決めた。

しばらく使用されていない地下室を偽の賭博場に仕立て、ロネガンを迎える準備をした。場所を借りるときの仲介屋にロネガンとの勝負を伝えると「勝てるわけが無い」と手数料を歩合では無く固定(フラットレート)に指定された。一方、フッカーに偽札をつかまされたスナイダーは、管轄外のシカゴまでフッカーに追いすがり、ビリーの店にまで現れバッジをチラつかせていた。
Plot 3

ゴンドーフらは、ロネガンの乗車する列車に乗り込んだ。ビリーが車内の狭い通路でロネガンの財布を掏ることに成功した。ゴンドーフはロネガンと同じ組で賭博ポーカーができるよう、車掌に多額の心付けを渡した。かくしてロネガンと直接対決することになったゴンドーフは「ショウ」と名乗り、したたかに酔ったかのように装い、次々と勝負に勝ち続けた。

激昂したロネガンは一度休憩を取り、3と9のカードでイカサマをするように手下に指示する。ロネガンの手元に9を4枚、ゴンドーフの手元には3を4枚巡らせる事で必ずロネガンが勝てるように仕組んだのだ。そしてイカサマは成功したかに見えた。互いに大量のチップで賭け金を吊り上げる中、余裕の表情を見せるロネガン。しかし、ゴンドーフはイカサマされた自分の手札にさらにイカサマ札(ジャック〈J〉のカード4枚)を加えてさらに強い手を作り、ロネガンに15,000ドルの大損をさせる。

ロネガンは負け金を支払おうとしたが、その時点で初めて財布を盗まれたことに気づいた。「部屋に財布を忘れたようだ」と言い逃れするロネガンにゴンドーフは「おい、その手は食わないぜ。勝負をする時ゃ銭を持って来い!逃げる気かこの野郎!」と挑発。激昂するロネガンに「わかった、こうしよう。5分後にうちの若いのをそっちにやる。もし払わなきゃ、シカゴ中に触れ回ってやるからそう思え。とんだ鼻つまみ者になるぞ!」と告げ、その他のメンバーから獲得した勝ち金を手にしてその場を後にした。そして自分の部屋に戻り、フッカーに「お前の出番だ」「(ロネガンは)カンカンだ、用心しろ」と告げてフッカーに後の役目を任せた。

ロネガンの部屋を訪れたフッカーは「ケリー」と名乗った。フッカーは懐からロネガンの財布を取り出し、「ショウ」が連れの情婦に盗ませたと告げ口した。「計画通りさ。ショウはあんたに勝つ機会を狙ってた。はまったな」と話す「ケリー」にロネガンは激怒する。フッカーとゴンドーフの両方を始末しようとするロネガンにフッカーは「負けた相手を消すのはどんなものかな。鼻をへし折ってやったらどうだ?」「奴の組織を乗っ取る。あんたにその手助けをして欲しい」と提案。ロネガンの用意した車に乗せられたフッカーはその車内で、「ショウの経営する賭博場で詐欺を働けば借りを返すどころか負け金を遥かに上回る大金を手にできる」と告げる。そして翌日の午後に賭博場の近くの店で詳細を話すことを約束してロネガンと別れた。車を降りて帰宅したフッカーをロネガンの配下の殺し屋たちが待ち構えていたが、辛くも逃げ延びた。

その後ゴンドーフの元へ戻り、指示通りタネを明かし、ロネガンを丸め込む事に成功した事と殺すと脅された事を報告する。その話を聞いたゴンドーフは「大仕事に危険はつきものだ」と告げる。
Plot 4

失敗の報を聞いたロネガンは激怒し、一流のプロ「サリーノ」にフッカーを確実に殺すよう命じるが、フッカーが「ケリー」だということには気づかなかった。ゴンドーフが、自ら構えた偽の賭博場で順調に準備を進めるのと時を同じくして、フッカーはロネガンと待ち合わせた店にいた。話によると「ケリー」は賭博場へ電信を送る電報局の中央局長と繋がりを持っており、賭博場に送る競馬中継を実際よりも数分遅れたものにさせる事ができるという。その時間差の内に電話で教えられた当たり馬券を購入すればすぐに賭博場のオーナーである「ショウ」を破産させる事ができるとのことだ。しかし最初の1回はあくまでテストのため賭け金は2,000ドルに留めた。本命のレースはその後にするという事だ。そしてレースは始まりロネガンの賭けた馬は見事勝利した。

これを機にロネガンが一気に大金を投資すると期待したフッカーであったが、まだ何か裏があると察したロネガンは賭け金は小額ずつしか出さず様子見をした。

ロネガンと別れたフッカーの前に、スナイダーが現れる。シカゴ名物の高架鉄道の駅の屋根から跳ぶという荒業で辛うじて逃げのびたフッカーの背中に、スナイダーは怒号と罵声を浴びせるのだった。スナイダーの事を聞かされたゴンドーフは、フッカーがスナイダーの事を話さずにいたことに呆れつつも「何か手を打たなきゃならんな」と考えこむ。なおも血気にはやるフッカーに対し、ゴンドーフは「俺はお前の弾よけじゃない」と冷淡に告げた。
Plot 5

フッカーを完全に信じ切れずにいるロネガンは、電報局の担当者との面会を要求する。あわてたフッカーは急慮仲間の一人を担当者に仕立て上げロネガンと面会させることにした。

フッカーの仲間は電報局に塗装業者に変装して潜入する。いわゆるカゴ抜け詐欺の手口で「担当者」になりすまし、職場での会話ははばかられると誘導し密談の場所を変えた。もう一度だけ競馬中継の操作をしてほしいと申し出るフッカーとロネガンに対し「担当者」は査察官が目を光らせているとして断った。しかし、ロネガンは次も操作に成功すればその時に50万ドルの大金を賭けてその儲けを山分けすると言って、強引に競馬中継の操作を約束させた。

そのころフッカーを追うスナイダーはゴンドーフを追う連邦捜査局(FBI)捜査官ポークに呼ばれ、ゴンドーフを陥れるためにその友人であるフッカーを逮捕する事を要請され、しぶしぶながら了承する。
Plot 6

レース当日、ロネガンはいつもの店で賭ける馬を電話で指定された。一方、ゴンドーフの賭博場ではスタッフが配当の低いレースを探していた。もし最後の仕上げである「とどめの一撃」前にロネガンに大金を賭けられたら配当金を支払えないからである。かろうじて配当金の低いレースを探し出した折、ロネガンが賭博場に姿を現した。大金を賭けられてしまうと察したゴンドーフは窓口の担当者に時間をかせがせ、ロネガンの番が来たときに、すかさずレースの中継を開始。ロネガンの馬券購入を阻止した。腑に落ちないロネガンであったがレース結果が先ほど店で伝えられたそれと一致したためフッカーと電報局の「担当者」を完全に信頼する事にした。ロネガンは賭博場にいたフッカーを呼び、明日のレースのために50万ドルを用意すると告げた。

その夜、なじみの食堂で自分を追っている殺し屋らしき男をガラス越しに発見したフッカーは、店のトイレにある窓を1つ開けるよう新顔のウェイトレスであるロレッタに頼み込む。トイレの同じ個室に鍵を掛けて彼女と潜み、開いた窓から「殺し屋」を外に追い出そうと目論んだのだ。わざと食堂の外に出て「殺し屋」を店内に誘き寄せたフッカーの作戦は成功。「殺し屋」が窓から外に出た隙に食堂の入口から逃亡したフッカーは何とか逃げ切る事に成功した。

一方、ロネガンの殺し屋は、手柄の独り占めをもくろんだ(本来は仲間・同僚である)「サリーノ」に始末されていた。

次の朝、ついにフッカーは自宅アパートで待ち構えていたスナイダーに捕らえられてしまう。FBIの事務所に連行されたフッカーはゴンドーフを追うFBIの捜査官ポークから、次に詐欺を働くのはいつなのかとゴンドーフに聞いて来いと迫られた。教えなければ20年の懲役に服さねばならないという。フッカーはそれでも断るが、それなら代わりにルーサーの未亡人であるアルバを微罪で逮捕すると言われて仕方なく捜査に協力する事にし、ゴンドーフを裏切る事を決めた。

行くあてのないフッカーはロレッタの部屋を訪れ、共に一夜を過ごす。だが、その部屋の外からは別の「殺し屋」が様子をうかがっていた。
Plot 7

作戦の当日、フッカーは賭博場に向かう途中でロレッタに遭遇する。抱擁を交わそうとしたその瞬間、フッカーの背後から銃弾が放たれロレッタの頭部を撃ち抜いた。呆然とするフッカーに、銃を撃った「殺し屋」はロレッタが着ていたコートの袖に隠されていたサイレンサー付き拳銃を示した。実はロレッタこそがフッカーを殺害するためにロネガンが雇った殺し屋「ロレッタ・サリーノ」であり、「殺し屋」はゴンドーフがフッカーの元に遣わしたボディーガードであった。一夜を共にしたロレッタが前日の夜にフッカーを殺さなかったのは、部屋に入る際に向かいの部屋の老婆に、2人で部屋に入るのを見られていたからであった[注 2]

賭博場では、いつものように電話で賭けるべき馬を聞いたロネガンが、その馬の単勝に50万ドルの大金をつぎ込んだ。あまりの賭け金の大きさにすぐに静まり返る店内だったが、「とても受けられない、負けたら破産する」と賭けを断ろうとするゴンドーフに対し、ロネガンが「詐欺師をやってるんじゃないのか?クソ意気地の無い野郎だ」と挑発する。すぐにオッズを確認し、結局ゴンドーフはこの賭けを受け付けた。ロネガンは余裕の表情で席に着いた。そこに電報局の担当者が心配になったと姿を見せた。担当者が伝えた通りに買ったかどうかロネガンに確認すると、ロネガンは「指定された馬の単勝に50万ドルを賭けた」と告げる。すると担当者は驚き「複勝だ!相手と言ったろ!その馬は2着だ」と憤慨した[注 3]

慌てたロネガンが賭けの取り消しを要求しに馬券売り場に駆け込んだその時、賭博場にポーク率いるFBIとスナイダーが現れた。ゴンドーフに逮捕を告げたポークがフッカーに労いの言葉を掛けると、フッカーに裏切られたことに気づいたゴンドーフはフッカーに発砲する。


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