スター・ウォーズ
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また、惑星タトゥイーンの場面は主にチュニジアで撮影されたが、隣国であるリビアが巨大輸送車サンドクローラーを軍用車両と勘違いし、危うく国際的な紛争が発生するところであった[12]
コンピュータ・アニメーションとの関わり

本シリーズは、その当初から当時としては珍しくCGIと関わりがあった。

物語後半、分析されたデス・スターの設計図がブリーフィングで投影される場面があるが、これは手描きの動画ではなく、コンピュータで制作したCGを映したモニター画面をコマ撮りカメラで撮影し、フィルム投射したものである。USC時代のルーカスの後輩であるダン・オバノンが監修したもので、ソフトウェア開発はトーマス・デファンティプログラミングはラリー・キューバによる。

CG研究の第一人者とされるジョン・ホイットニー・ジュニアとキューバの2人は、完成上映後にXウイングの飛行映像をCGで製作し、ルーカスにプレゼンテーションを行った。『エピソード5/帝国の逆襲』では不採用だったものの、ルーカスもCGに将来性を見出し、ほどなくILMにCG研究部門が新設された。『エピソード6/ジェダイの帰還』ではやはり3DCGによる作戦図を製作したトム・ダフ、ウィリアム・リーヴスを含むこのチームは、ピクサーの母体となる[注 11]

ルーカスが「未完成」と語り技術の限界から映像化を断念せざるを得なかったシーンは、20年後公開の『特別篇』でデジタル・アニメーションを駆使して作り直された。後の新三部作も、背景やキャラクターなど多くがCGで作られた。
カットされたシーン

小説版にも存在する、ルークが冒頭の宇宙戦を地上から観察する場面があるが、この場面は元々「映画が始まってから20分もの間、主人公が不在なのはおかしい」という制作当時の考えからとりあえず撮影だけはされたものの、編集段階でカットされた。なお、この場面では本編では一切使用することのなかったチューリップハット調の帽子を被ったルークを見ることができる[注 12]。2011年発売のブルーレイ版に特典映像として収録された。
公開・反響

ファースト・ランはわずか全米50館での公開であったものの、結果として良質な娯楽映画とポジティブなストーリーに飢えていた大衆は本作に熱狂し各地でヒットを記録、世界的な社会現象となった。公開初日からそれまでの興行収入も一挙に塗り変え、それまでB級、キワモノという扱いだったSF映画に対する評価も一挙に引き上げるまでになった。このことを伝えるためスピルバーグはルーカスがこもっているハワイの別荘へ行き、そこで『インディ・ジョーンズ』の構想が生まれたといわれる。なお、本作をもってルーカスは監督業からは一時期離れることになる。

日本公開時、20世紀フォックスの重役であったアラン・ラッド・ジュニアは来日してプレミア上映に参加した[13]。本国アメリカやヨーロッパでは上映中や上映終了後には、拍手と歓声などで賞賛されたが、日本の劇場は静まり返っており、その沈黙という反応に不安を覚えたという[14]。上映後、「日本人は、上映中は騒がないし、静かにじっと鑑賞することが賞賛の形だ」と聞き、安心したという[14]

また、本作の商品化ライセンスを取得していたケナー・プロダクツ(現ハズブロ)は本作が失敗すると考え、玩具などの関連商品の販売はごく少数しか予定していなかった。しかし予想外のヒットによって供給が不足し、公開年のクリスマス商戦(アメリカの玩具メーカーにとって最大の書き入れ時)までに充分な商品を販売することが出来なかった。そのため、『スター・ウォーズ』は映画関連のコンテンツ・ビジネスの成功例の嚆矢とも言われている。
日本におけるテレビ放映「スター・ウォーズ・シリーズ#日本におけるテレビ放映」も参照
初放映

1983年10月5日午後8時より日本テレビの「水曜特別ロードショー」(「金曜ロードショー」の前身)にて日本語吹替版が放送された。

この時は、「日本テレビ開局30年 記念特別番組」という名目で放送され、この日の日本テレビは、朝から生番組にC-3POとR2-D2を出演させて宣伝したり、夜7時からの1時間枠に「ウルトラ宇宙クイズ・秋のSF大決戦 スター・ウォーズまで後60分!!全国子供博士大集合」という特別番組を放映したほか、映画本編も通常夜9時からの「水曜ロードショー」の放映枠を1時間前倒しし、3時間の特別編成を敷いた。

本編が始まる直前にも、日本テレビ局舎内で行われたタモリ[注 13]研ナオコ[注 14]、徳光和夫[注 15]やC-3PO・R2-D2、愛川欽也による解説、放送開始スイッチを押すまでの劇を行った。この時、本編の世界観を模したセットのあるスタジオでオーケストラを用いたテーマ演奏が行われた。この劇は、C-3POとR2-D2が日本テレビにやってくる場面から始まり、途中行われていたオーケストラ(SWテーマ)の演奏に浸っていたC-3POが、タモリ扮する警備員と揉めごとを起こしたり研ナオコをヨーダの娘と思ったりするというストーリーで、このシークエンスの後、スタジオに着いたC-3POが時間が既に8時を過ぎていることに驚いて放送開始スイッチを押すという更なるシークエンスを挟んで本編に移行するというものであったが、C-3POが「放送開始」とボタンを押すたびにCMが流れ、「押すボタンを間違えた。本当のボタンはどこだ」と局内を移動する演出であったために著しい不評を買い、「早く映画を始めろ!」「ふざけるな!」といった苦情電話が殺到したことにより、後日ディレクターがコメントするという一幕もあった。

主な吹替の声優はルーク:渡辺徹、レイア:大場久美子、ハン・ソロ:松崎しげる。本編終了後、愛川欽也と渡辺・大場・鈴木宏昌(上述の演奏の指揮を担当。)の対談が入り、タモリに優しく手を振られながら去っていくC-3POとR2-D2の姿が映し出され、本編を模したクレジットとともに番組は終了する。

番組開始から映画本編開始までCMを含めて22分、映画本編終了から番組終了まで9分を要している。初放映と2回目の放送時間差が27分であることから順当な穴埋めと言える。
2度目の放映

2度目のテレビ放映も同じく日本テレビの「金曜ロードショー」枠(水曜から放送曜日移動)。新しい吹き替えバージョンとして、番組内で水野晴郎にも紹介された(初回放送時の解説であった愛川欽也は、映画解説というよりも「レイア姫、いい女だ」など個人的な感想しか述べず、そういう意味でも改善された)。主な声優はルーク:水島裕、レイア:島本須美、ハン・ソロ:村井国夫という、その後のシリーズ作と同じ組合わせでなされた。その際、ベイダー役は坂口芳貞となっていたが、その後のシリーズではベイダー役のみ初放映時の鈴木瑞穂が再び担当している。ちなみに、次週予告のテロップが流れる際、「新吹き替えで放送します」と入った。

この吹き替えバージョンは一際人気が高く、声優の配役についても「決定版」と評されることがあり、ソフト収録を希望するファンが多いとされる。しかし権利元の都合により、2023年現在も実現には至っていない[15]
地上波放送履歴

回数テレビ局番組名放送日放送時間吹替版
初回
日本テレビ水曜ロードショー1983年10月5日20:00-22:49日本テレビ版1
2回目金曜ロードショー1985年10月11日21:02-23:24日本テレビ版2
3回目1988年4月1日21:00-23:21
4回目TBS火曜ビッグシアター1989年8月29日20:00-21:54
5回目水曜ロードショー1991年6月26日21:00-22:54
6回目フジテレビゴールデン洋画劇場1993年7月31日21:02-22:54
7回目[注 16]日本テレビ金曜ロードショー2002年5月3日21:03-23:29日本テレビ版3
8回目フジテレビプレミアムステージ2004年10月30日21:00-23:24
9回目テレビ朝日日曜洋画劇場2005年7月3日21:00-23:19ソフト版
10回目日本テレビ金曜ロードSHOW!2015年12月18日21:00-22:54
11回目2018年6月29日21:00-22:54

受賞

第50回アカデミー賞

受賞人物
編集賞リチャード・チョウ

ポール・ハーシュ マーシア・ルーカス
美術賞ジョナサン・バリー

ノーマン・レイノルド レスリー・ディリー ロジャー・クリスチャン
衣装デザイン賞ジョン・モロ
作曲賞ジョン・ウィリアムズ


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