スタートレック
[Wikipedia|▼Menu]
映画第11作から映画第13作まではいわゆるリブート作品であり、『宇宙大作戦』とは別の宇宙が舞台となっているが、タイムトラベルの影響で異なる歴史が生じた平行宇宙を舞台にするという設定により、フランチャイズとしての連続性が保たれている(『宇宙大作戦』から始まる宇宙は別に存続しており、これまでの作品の出来事が書き換えられたわけではない)。

このほか、『宇宙大作戦』第33話「イオン嵐の恐怖(英語版)」が初出となる「鏡像宇宙」は、地球が惑星連邦ではなく侵略的なテラン帝国を形成した宇宙である。また、同じ宇宙の中においても、『新スタートレック』第63話「亡霊戦艦エンタープライズ'C'(英語版)」などで描かれているように、タイムトラベルの影響で異なる歴史が生じたタイムラインがいくつも存在している。『スタートレック:ディープ・スペース・ナイン』第37話「宇宙の原型(英語版)」では宇宙に内包されるかたちで別の宇宙が発見されるなど、この作品の宇宙は多元多層の非常に複雑な構成になっている。

登場する異星人にはヒューマノイド型の異星人が多い。これは元々の遺伝子が同じものであったからということが『新スタートレック』で語られている。クリンゴン人を始めいくつかの種族には独自の言語が設定されているが、高性能な宇宙翻訳機があるため、基本的にどの星の人とも英語で会話ができる(フェレンギ人が過去の地球に囚われてしまった話では、翻訳機が頭に埋め込まれていることを示唆する描写がある)。未知の言語であっても普通はコンピューターが短時間で解析し翻訳できるようになるが、一部の特殊な言語を持つ種族に対しては翻訳が不能であるなど例外もある。22世紀ではまだ翻訳機の性能が低く、意思疎通に苦労することも多い。
作品の沿革
作品が世に出るまで(1964年 - 1966年)

宇宙大作戦』に登場したスポック(左)とカーク(右)、下部に写っているのが舞台となる宇宙船エンタープライズの模型。

『スタートレック』はジーン・ロッデンベリーにより創作されている。アメリカ西部開拓を描いたテレビドラマ『幌馬車隊(英語版)』を参考に、宇宙を開拓する物語が初期の構想であった[3]。これは、SFの体をなすことで検閲を逃れ、60年代当時のアメリカにおける社会問題を指摘できると意図したためである。加えてロッデンベリーは『ホーンブロワー』からも影響を受けたと語っている。なお、企画段階の時点では、舞台となる宇宙船の名は「エンタープライズ」ではなく「ヨークタウン」であった[4]

1964年、ロッデンベリーはメトロ・ゴールドウィン・メイヤーに『スタートレック』の企画を持ち込むが却下され、次にCBSへ企画を持ち込むものの、同社は既に『宇宙家族ロビンソン』というSFテレビドラマの企画が進行中のためまたも断られてしまう。次にデシル・プロダクションへ企画を持ち込み、ロッデンベリーは同プロダクションが番組企画を売り込んだNBCから3話分のプロットを求められる。その後、3話分のうち1話をパイロット版として製作することが決まり、ジェフリー・ハンタークリストファー・パイク船長役としたパイロット版「歪んだ楽園(英語版)」が製作された。このパイロット版はNBCからアクションシーンの少なさを指摘されたものの[5]、異例ながら新たなパイロット版の製作が許可され、ウィリアム・シャトナージェームズ・T・カーク船長役とし、スポック以外の登場人物を一新した第2パイロット版「光るめだま(英語版)」が製作された[6]。この第2パイロット版により、1966年2月に最初のドラマシリーズとなる『宇宙大作戦』の放映が決定し、同年9月より開始された。
打ち切りと映画化(1966年 - 1979年)ジーン・ロッデンベリー(1976年撮影)

『宇宙大作戦』の放映当時は視聴率が伸び悩み、第2シーズンでの打ち切りが囁かれるほどであった。ファンによる手紙での継続嘆願運動などにより、辛うじて第3シーズンへ継続できたものの[7]、放映時間の変更や予算削減、それに伴う内容の方針転換から更なる視聴率の低下を招き、結局このシーズンで打ち切りが決定し[6]1969年6月に放送を終了した。しかしその後、番組販売による再放送が始まると、次第にアメリカ全土でファンを獲得し、ニューヨークなどの大都市でコンベンションが開かれるなど、カルトクラシックの地位を獲得しつつ大衆文化に影響を与えるに至った[8]

本作の版権を持っていたパラマウント映画では、ロッデンベリーに続編の製作を依頼し、テレビアニメ『まんが宇宙大作戦』が1973年9月から放送されるも[9]、依然として実写でのシリーズ復活を求めるファンの声は大きかった。1975年5月、ロッデンベリーはパラマウント映画と映画製作の契約を結び"Star Trek: The God Thing"の企画が立ち上がるが、宗教色の強い内容にパラマウント映画が難色を示したためこの企画は消滅した[10]1976年9月、新たに雇われた脚本家達によって"Star Trek: Planet of the Titans"の企画が立ち上がるが、この企画もまた草稿台本に了承が出ずに消滅している[11]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:222 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef