選手たちは1スタディオンの直線コースを太ももを高く上げ、両腕を大きく振りながら走った。コリントの信徒への手紙で聖パウロが書いているように、競技会で賞を手にすることができるのは優勝した選手のみであった。[3] 古代オリンピックでは、スタディオン走の優勝者にはその名前が大会全体の呼び名として用いられるという格別の栄誉が与えられ、例えばコロイボスがスタディオン走で優勝した古代オリンピックの第1回大会は、コロイボス・オリンピックと呼ばれた。[4] 勝つために競走相手をつかむ、転倒させる、走路妨害をする、といった不正もあったという。
成年男子に合わせて実施された少年の部や、女性が出場できた一部の競技会でも短距離走は行われたが、少年は成年男子の2分の1、女性は6分の5の距離というように、いずれも1スタディオンより短い距離だったとされている。[5]
脚注[脚注の使い方]^ フェレンス・メゾー(大島鎌吉訳)「古代オリンピックの歴史」、ベースボール・マガジン社、1973年、p.89.
^ クラウチングスタートも存在はしていた。 cf. 佐藤昇「走る、闘う」、桜井万里子・橋場弦編『古代オリンピック』岩波新書、2004年、p.109.
^ 「コリントの信徒への手紙一」9章24節。
^ ジュディス・スワドリング(穂積八洲雄訳)「古代オリンピック」、NHK出版、1994年、p.66. 西川亮・後藤淳「オリンピックのルーツを訪ねて 古代ギリシアの競技大祭」、協同出版、2004年、p.71.
^ メゾー、前掲、pp. 232, 237.
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