古くから身近な鳥なのに他の鳥のようにペット化されない理由としては、飛翔力が強くカゴ内で激突して傷付き易いことや、餌を大量に食べるので糞も他の飼い鳥と比べ量が多いこと、砂浴び好きな習性のためカゴ内で餌や新聞紙に身体を激しくこすりつけ周囲に大量の餌や糞を跳ね飛ばすことが挙げられる。一方で平安時代の枕草子にも源氏物語にも雀の子飼いについて記述があり、江戸時代の俳人小林一茶の一連の俳句作品からも、雀を子飼いした形跡が窺えることから、古くからしばしば飼われていたことがあるのも確かで、いつも人の傍に寄り添っていてあまりに身近過ぎ、珍奇性に乏しかったからとも考えられる。
なお、飼ったことのある人の証言では、非常に人懐こく賢いことがしばしば言及され、清少納言も心ときめきするもの[42]として他のどれより文頭に「雀の子飼ひ」を挙げているほどである。個体によっては人語を学習して、単語を話す事例も確認されている。
芸に使われることのある鳥の種類として、タカ、スズメ、ジュウシマツ、ヤマガラ、シジュウカラを挙げている資料[43]があり、同資料においてこの中でスズメはもっとも利口だが飼育が困難、ヤマガラの方が飼育に適し、また調教が楽なので非常に流行ったとの記述がある。 春先は苗の害虫を食べる益鳥として扱われ、秋には稲の籾米(もみごめ)を食害する害鳥となり[28]、古来からスズメを追い払うため、「スズメ追い」「鳥追い」などという風習が各地にあり、それに関する民謡、民話なども伝えられている。かかしもスズメ追いの道具として作られたものである。害鳥としてスズメを追い払う行為が行われる一方、スズメの恩返しなどの報恩譚では親しみを持って描かれてきた。雀はチュンチュンとよく囀るため、噂話を好む人を雀に例えることがある。 日本においては、神聖視されてきた歴史もある。 雀紋(すずめもん)は、雀を図案化した家紋である。勧修寺家などが用いた。 雀の添えられた笹・竹紋から派生した家紋で、図案には、「ふくら雀」「飛び雀」「脹雀」「丸に対い雀」「三羽追い雀」などがある。 勧修寺家は「雀の丸」を用いていたが、後に竹輪で囲った。こちらは「勧修寺笹」という笹・竹紋である。その派生には、上杉氏の「上杉笹」、その派生である伊達氏の「仙台笹」「宇和島笹」などがある。これらは、まとめて「竹に雀」と呼ばれる。柳生氏の定紋である「地楡に雀(われもこうにすずめ)」は地楡紋である。 スズメの語源については、「スズ」は鳴き声を、「メ」はカモメやツバメのように群れをなすことを指している[45]。
親しみ
神聖視
まれに突然変異で羽毛の色素がない「白スズメ」が生まれることがある[44]。古来より瑞鳥とし蘇我馬子を雀に喩えたり、聖武天皇や桓武天皇などが白スズメの献上を受けたという記録が残っている。
縁物においては、雀に対し竹が添えられ縁起物となっている。
日本文化
俳句
我と来て遊べや親のない雀
雀の子そこのけそこのけ御馬が通る(小林一茶)
子雀や遠く遊ばぬ庭の隅(尾崎紅葉)
物語
スズメ物語「あした、どこかで。」 - 写真えほん
民話
舌切り雀(したきりすずめ) - 民話
腰折雀(こしおれすずめ) - 説話
抜け雀
映画
こむぎいろの天使 雀と少年 - 少年がスズメを飼育する内容の映画。
童謡
雀 (歌)(すずめ) - 作詞:佐々木信綱・作曲:瀧廉太郎
雀のお宿
雀の学校(すずめのがっこう) - 作詞:清水かつら・作曲:弘田龍太郎
すずめがサンバ - 作詞・作曲:かしわ哲
芸能
雀踊り
家紋
.mw-parser-output ruby.large{font-size:250%}.mw-parser-output ruby.large>rt,.mw-parser-output ruby.large>rtc{font-size:.3em}.mw-parser-output ruby>rt,.mw-parser-output ruby>rtc{font-feature-settings:"ruby"1}.mw-parser-output ruby.yomigana>rt{font-feature-settings:"ruby"0}寒雀(かんすずめ)(雀紋、役者紋)
上杉笹(うえすぎささ)(笹・竹紋)
仙台笹(せんだいささ)(笹・竹紋)
宇和島笹(うわじまささ)(笹・竹紋)
地楡に雀(われもこうにすずめ)(地楡紋)
日本語彙・日本語句
語源・表記・意味
日本語ではスズメを漢字で「雀」と書き、雀色という色がある。