熊野大社(島根県松江市)では祭神の「伊邪那伎日真名子 加夫呂伎熊野大神 櫛御気野命(いざなぎのひまなこ かぶろぎくまのおおかみ くしみけぬのみこと)」をスサノヲの別名としている[18]。和歌山県田辺市にある熊野本宮大社の祭神である家都御子神はスサノヲのことともされる[6](説があるだけで同一視では無い)。また隣の安来市には嘉羅久利神社、都辨志呂神社などにスサノオの社伝が伝わる古社もある。 祇園信仰、津島信仰、氷川信仰などに基づくものが多い[6]。これらの神社は、祇園社や天王社を名乗ったものが明治の神仏分離の際に現在の名前になったものが多い。
全国に分布する神社
祇園神社、八坂神社、弥栄神社
素盞嗚神社、素盞雄神社、須佐神社
天王神社、天王社、津島神社
須賀神社、須我神社、素鵞神社
氷川神社、簸川神社
八雲神社
杭全神社[19]
大将軍八神社
野々宮神社(堺市)
藤森神社
田出宇賀神社(福島県南会津町)
亀都起神社
スサノオを題材にした伝統芸能
石見神楽 - 「大蛇」
出雲神楽 - 「八戸」「簸の川大蛇退治」
浄瑠璃 - 「日本振袖始」(近松門左衛門)
スサノオを題材とした作品
小説
素戔嗚尊(1920年、芥川龍之介、大阪毎日新聞初出)[20]
老いたる素戔嗚尊(1920年、芥川龍之介、大阪毎日新聞・東京朝日新聞初出)[21]
スサノオ自伝(1996年、芦原すなお、集英社)[22]
実写映画
日本誕生(1959年、東宝、演:三船敏郎)
アニメ映画
わんぱく王子の大蛇退治(1963年、東映動画、声の出演:住田知仁(現・風間杜夫))
漫画
スサノオ (マンガで親しむ出雲神話 1)(2011年、酒井董美 監修、小室孝太郎 作画、山陰中央新報社、ISBN 978-4-87903-160-0)[23]
マンガ 面白いほどよくわかる! 古事記(2017年、かみゆ歴史編集部 編集、西東社、ISBN 978-4791625260)[24]
古事記(中辛)(2020年 - (未詳)、浮津、小学館『月刊! スピリッツ』連載、コミックス全3巻)[25]
備考
吉村貞司は『スサノオの悪竜退治 -原神話の回復の試み-』(1977年)において、「大和の高天原神話におけるスサノオ」と高天原神話に吸収される以前の「出雲神話におけるスサノオ」では神としての性格が異なると指摘し、原田大六の説[26] にみられる農業の破壊神、すなわち台風を神格化した性格は「高天原(大和)のスサノオ」であり、原初からスサノオが嵐の神であったという説には否定的な立場をとっている。また、次田真幸も『古事記(上) 全訳注』(講談社学術文庫、1977年) p. 94において、「スサノオを暴風雨の神と見る説には従いがたい」として、解説で否定的な立場を記している。
明治時代刊行の『皇国武術英名録』の序には、「剣道(剣術)はスサノオより起こる」として、その起源をヤマタノオロチ退治で天叢雲剣を得た神話に求めている。
三重県津市新家町の物部神社にはスサノオが根の国(黄泉)へと天降る際に同神社のある場所を一夜の宿として使ったとの伝承が存在する。
出典
脚注[脚注の使い方]^ 日本国史学会編『日本國史學 第1号』(アメノオシホミミを生んだ神はどの神か)
^ “ ⇒江田神社”. 宮崎県. 2015年10月21日閲覧。
^ この記述はイザナギが単独でスサノオを生んだという『古事記』の立場と矛盾する。
^ この記述はスサノオが高天原でアマテラスの田を壊し、アマテラスが機織りをしたという記述と矛盾する。『日本書紀』でこれに該当する月夜見尊と保食神の神話はスサノオの昇天の前に置かれており、こちらは矛盾がない。
^ 韓国語では、ソ=牛、モリ=頭の意味である。
^ a b c d e f g h i j k l 『八百万の神々 - 日本の神霊たちのプロフィール』p.49,51-54,303
^ 『神の事典』p.19
^ 『古事記の本』p.60-61