スサノオ
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また、前述の『日本書紀』における新羅の曽尸茂梨に降りたという記述から、元々は新羅の神ではないかという指摘もある[8][9]

神名の「スサ」は、荒れすさぶの意として嵐の神、暴風雨の神とする説や(高天原でのスサノオの行いは暴風雨の被害を示すとする)、「進む」と同根で勢いのままに事を行うの意とする説[10]、出雲西部の神戸川中流にある須佐(飯石郡須佐郷)に因むとする説(スサノオは須佐郷の族長を神格化したものとする)がある[11]

記紀』神話においては出雲の神の祖神として書かれているスサノオであるが、『出雲国風土記』では彼はあまり登場せず、意宇郡安来郷や飯石郡(いいしのこおり)須佐郷などの地名制定や御子神たちの説話が書かれており、八岐大蛇退治の説話は記載されていない。神楽演目:大蛇(おろち)でのスサノオ

出雲国(現:島根県)東部の奥出雲町にはスサノオが降臨したといわれる鳥髪峰(現:船通山[12]、それに隣接する安来市は彼が地名をつけたという風土記の記述もある[13]。また、前述の通り八岐大蛇退治は産鉄民の平定を象徴すると見る説があるが、これらの地域は古代よりたたら製鉄が盛んだった流れから、現在でも島根県では日立金属安来工場や冶金研究所などが日本美術刀剣保存協会とともにこの地域で古式にのっとったたたら製鋼を行っている[14][15]

後に、仏教における祇園精舎の守護神である牛頭天王習合した[6]。これは、どちらも荒神だからであるとする説があるが[6]、他の解釈も多い(牛頭天王を参照)。

オーストリアの民族学者アレクサンダー・スラヴィクは、根の国に追われた後のスサノオが蓑と笠を着て神々に宿を頼んだことを解釈して、蓑と笠は本来神聖な「祭祀的来訪者」が着ることを許されるのであり、スサノオはそのような来訪者として神々に宿を貸すように強制し客人歓待の慣習を要求したのである、と考えている[16]

弘仁元年(810年)正月、第52代嵯峨天皇は、「素尊は則ち皇国の本主なり。故に日本の総社と崇め給いし」と詔(みことのり)して、津島神社愛知県津島市)に神階正一位と日本総社の号を賜ったとされる。

第66代一条天皇の正暦年中(990年-994年)に、津島神社愛知県津島市)に天王社の号が贈られた。
妻・子孫

嫡妻 :
櫛名田比売(くしなだひめ、『日本書紀』では奇稲田姫/くしいなだひめ、稲田媛/いなだひめ、眞髪觸奇稲田媛/まかみふるくしいなだひめ、『出雲国風土記』では久志伊奈太美等与麻奴良比売命/くしいなだみとよまぬらひめ の みこと) - 『古事記』

子 : 八島士奴美神(やしまじぬみ の かみ、『日本書紀』では清之湯山主三名狭漏彦八嶋篠) - 『古事記』

子 : 大己貴神(おおなむち の かみ) - 『日本書紀』本文のみ


妻 : 神大市比売(かむおおいちひめ) - 『古事記』

第一子 : 大年神(おおとし の かみ) - 『古事記』

第二子 : 宇迦之御魂神(うかのみたま の かみ) - 『古事記』


妻 : 佐美良比売命(さみらひめ の みこと) - 『八坂神社

誓約上の妻 : 天照大御神(五男三女神)

男神 正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命

男神 天之菩卑能命

男神 天津日子根命

男神 活津日子根命

男神 熊野久須毘命

女神 多紀理毘売命 - 別名:奥津島比売命(おきつしまひめ)

女神 市寸島比売命 - 別名:狭依毘売命(さよりびめ)

女神 多岐都比売命


親無し・親不明

宗像三女神 - 『日本書紀』では化生順が4通りに異なる

長女 : 多紀理毘売命(たきりびめ の みこと) - 『古事記』

次女 : 市寸島比売命(いちきしまひめ の みこと) - 『古事記』

三女 : 多岐都比売命(たきつひめ の みこと) - 『古事記』


長男 : 五十猛神(いたける の かみ、いそたける の かみ、五十猛命) - 『日本書紀』

長女 : 大屋津姫命(おおやつひめ の みこと) - 『日本書紀』

次女 : ?津姫命(つまつひめ の みこと) - 『日本書紀』

須勢理毘売命(すせりびめ の みこと、『出雲国風土記』では和加須世理比売命/わかすせりひめ の みこと、『先代旧事本紀』では須世理姫/すせりひめ) - 『古事記』

国忍別命(くにおしわけ の みこと) - 『出雲国風土記』

青幡佐草日古命(あおはたさくさひこ の みこと) - 『出雲国風土記』、八重垣神社社家佐草氏の始祖

磐坂日子命(いわさかひこ の みこと) - 『出雲国風土記』

衝桙等番留比古命(つきほことおるひこ の みこと) - 『出雲国風土記』

都留支日古命(つるぎひこ の みこと) - 『出雲国風土記』

八野若日女命(やのわかひめ の みこと) - 『出雲国風土記』

天逆毎(あまのざこ) - 『和漢三才図会

主祭神としている神社
旧官国幣社および別表神社

熊野大社島根県松江市出雲國一之宮

日御碕神社島根県出雲市)上の本社、神の宮

津島神社愛知県津島市[6]津島神社天王社総本社

須佐神社島根県出雲市[6]

八重垣神社(島根県松江市[17]

廣峯神社兵庫県姫路市

素盞嗚神社広島県福山市

八坂神社京都府京都市東山区[6]

八坂神社東京都東村山市)

氷川神社埼玉県さいたま市大宮区[6]

久武神社(島根県出雲市斐川町)

熊野大社(島根県松江市)では祭神の「伊邪那伎日真名子 加夫呂伎熊野大神 櫛御気野命(いざなぎのひまなこ かぶろぎくまのおおかみ くしみけぬのみこと)」をスサノヲの別名としている[18]


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