2011年3月11日に発生した東日本大震災に対する支援として文部科学省は、児童・生徒・学生の安全確保などについての対策の一環として、2010年度内には「子どもの健康を守る地域専門家総合連携事業」を緊急活用して臨床心理士の現地派遣を行った後に、2011年度明け以降、被災地域の全ての公立学校においてスクールカウンセラーの緊急心理支援が行えるよう、スクールカウンセラー事業の拡充措置を下した[22][23]。
また、国内各地への遠隔地避難者となった児童・生徒・学生については、転校・転学先の教育機関において、健康相談
や心理相談などの特段の配慮を行うように全国の各地方自治体・各教育委員会・各教育機関などに要請するとともに、スクールカウンセラーの緊急派遣・継続派遣を含む補正予算案を閣議決定し、児童・生徒・学生の心のケアを柱の一角とした被災者支援事業を、今後文部科学省全体をあげて取り組んでいくことを発表した[22][23]。文部科学省のスクールカウンセラー事業における任用規程の内容を下記に示す。なお、当初のスクールカウンセラー活用事業補助[1]における「スクールカウンセラー資格要件」を満たす高度な心理職専門家人材が少ない地域などの事情を考慮し、理由に合理性が認められる場合には「スクールカウンセラーに準ずる者」を任用することも可能としたスクールカウンセラー等活用事業実施要領に基づく整備が2009年度より開始されているため、本節の任用規程内容はそちらに準拠する[24]。 スクールカウンセラーになるにはスクールカウンセラー ※この「スクールカウンセラーに準ずる者」は、俗に準スクールカウンセラー(準学校カウンセラー)とも呼ばれる。主に、精神科医以外の医師や臨床心理士資格取得見込者(専門職大学院などの臨床心理士指定大学院修了者)が該当。そのほか、地域によっては学校心理士、臨床発達心理士が該当 スクールカウンセラーと同じく、教育機関において心理相談業務に従事する心理職専門家にスクールアドバイザー(SA)がある[25]。
職務内容
児童・生徒との心理カウンセリング
保護者への助言・援助などの心理コンサルテーション
教職員への助言・援助などの心理コンサルテーション
勤務形態
地方公務員法に規定する非常勤の特別職で週8?12時間(特に必要な場合は30時間までの勤務も可)
スクールカウンセラー
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各地方自治体・教育委員会の募集要件
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文部科学省の任用規程・資格要件
臨床心理士精神科医大学教員
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臨床心理士資格取得
臨床心理士資格審査合格医師免許取得
医師国家試験合格各大学教員採用要件合格
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臨床心理士指定大学院修了
臨床心理学系修士号取得大学医学部卒業
(総合大学/医科大学)大学院修了など
学位取得・研究業績発表など
資格要件
公認心理師
臨床心理士
精神科医
大学教員(児童・生徒の臨床心理に関して高度に専門的な知識および経験を有し、学校教育法第1条に規定する大学の学長、副学長、教授、准教授または講師(常時勤務をする者に限る)の職にある者、またはあった者)
スクールカウンセラーに準ずる者
資格要件
大学院修士課程を修了した者で、心理臨床業務または児童・生徒を対象とした相談業務について、1年以上の経験を有する者
医師で、心理臨床業務または児童・生徒を対象とした相談業務について、1年以上の経験を有する者
大学もしくは短期大学を卒業した者で、心理臨床業務または児童・生徒を対象とした相談業務について、5年以上の経験を有する者
スクールアドバイザー