『スキャナー・ダークリー』(英: A Scanner Darkly)は、2006年のアメリカSFアニメーション映画。
原作はフィリップ・K・ディックによる『暗闇のスキャナー』(A Scanner Darkly、原題は同じ)。リチャード・リンクレイター監督、キアヌ・リーブス主演。 現実と幻覚とを曖昧にする表現手段として、俳優を撮影した実写映像をトレースしてアニメーション化するロトスコープという技法によって制作された。専用に開発されたソフトウェアにより効率化されていたものの、基本的に手作業であり、完成には30人のアニメーターが15か月を要した。 近未来のアメリカを舞台に、麻薬常習者たちと彼らを取り巻く監視社会を描いている。常習者たちの言動や共同体の様子、プライバシーに関する不安や妄想は、かつて麻薬を常用していた原作者ディックの体験に基づく。 日本公開時のキャッチ・コピーは「オレを監視(スキャナー)しているオレがいる」。 「今から7年後」の近未来、〈物質D〉とよばれる強力な麻薬の蔓延が社会問題化したアメリカ、アナハイム。当局が対策に苦慮する一方、ニューパス社による中毒者の矯正が成果を上げていたが、同社には麻薬生産への関与も噂されていた。 潜入捜査官フレッド、本名ボブ・アークター(キアヌ・リーブス)は、情報を掴むため密売人と目される麻薬常習者たちと共同生活を営んでいたが、同居人の一人バリス(ロバート・ダウニー・Jr)の密告により、互いの素顔を知らない上官から「密売人ボブ」つまり自分自身の監視を命じられる。 潜入先で自らも〈D〉に溺れていくフレッド=ボブ・アークターは、やがてその副作用に侵され自己を見失う。 役名俳優日本語吹替 『ハリウッド・リポーター』選出の「大人向けアニメ映画ベスト10」において5位にランクインしている[2]。
解説
ストーリー
キャスト
フレッド/ボブ・アークターキアヌ・リーブス小山力也
ジム・バリスロバート・ダウニー・Jr高木渉
アーニー・ラックマンウディ・ハレルソン山野井仁
ドナ・ホーソーンウィノナ・ライダー石塚理恵
チャールズ・フレックロリー・コクレーン竹田雅則
スクランブル・スーツ着用時のフレッドの声ショーン・アレン
マイクダメオン・クラーク
ドナルドマルコ・ペレラ
フレック・スーサイド・ナレーターライフ・アンデシュ藤原啓治
スタッフ
監督・脚本:リチャード・リンクレイター
原作:フィリップ・K・ディック『暗闇のスキャナー』
製作総指揮:スティーヴン・ソダーバーグ、ジョージ・クルーニー、ジョン・スロス、ベン・コスグローヴ、ジェニファー・フォックス
製作:アン・ウォーカー=マクベイ、トミー・パロッタ、パーマー・ウェスト、ジョナ・スミス、アーウィン・ストフ
特殊効果:ボブ・サビストン(英語版)(ロトスコープ用ソフトウェア『Rotoshop(英語版)』を開発)、ランディ・コール
撮影:シェーン・F・ケリー
音楽:グレアム・レイノルズ
編集:サンドラ・エイデアー
トリビア
脚注^ “A Scanner Darkly (2006)
^ “米誌選出「大人向けアニメ映画ベスト10」 日本映画最上位は「AKIRA」の4位”. 映画.com. (2016年8月17日). オリジナルの2016年8月17日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160817092709/https://eiga.com/news/20160817/10/
外部リンク
スキャナー・ダークリー - allcinema
⇒スキャナー・ダークリー - KINENOTE
A Scanner Darkly - IMDb(英語)
表
話
編
歴
フィリップ・K・ディック
小説
SF小説
長編
偶然世界(太陽クイズ)
ジョーンズの世界
いたずらの問題
宇宙の眼
宇宙の操り人形
時は乱れて
未来医師
ヴァルカンの鉄鎚
高い城の男
タイタンのゲーム・プレーヤー
アルファ系衛星の氏族たち
火星のタイム・スリップ
最後から二番目の真実
シミュラクラ
ドクター・ブラッドマネー 博士の血の贖い
パーマー・エルドリッチの三つの聖痕
去年を待ちながら
ライズ民間警察機構 テレポートされざる者
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ガニメデ支配(レイ・ネルソンとの共作)
アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
銀河の壺直し