スキャナーズ
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相手の神経系統と結合し行動や身体機能をコントロールすることが可能で、この事をスキャン(走査)と称したことからこの名で呼ばれる。スキャンされた人間は、鼻血が出るといった初期症状が見られる。スキャンすることにより相手の行動や自律神経系などのコントロールや、感覚器を混乱させ幻影や錯覚を見せることもできる。その他、発火やコンピュータをスキャンすることも可能。スキャナーはテレパシーによって相手の思考が自分の中に入ってくる感覚を覚えるため、しばしば混乱をきたす。その場合、エフェメロルという走査鎮静剤を注射で体内に投与すると、一時的にテレパシーは止まる。

レボックがベイルに明かした話によると、1946年に発売された妊婦用睡眠薬(エフェメロル)が胎児に副作用を及ぼし、その結果突然変異でスキャナーが世に誕生した。この事実に興味を抱いたのが研究者のルース博士とコンセック社であり、発売前の実験段階でルース博士の妻に投与して生まれたのがレボックとベイルである。
ライプ計画

ライプ計画(Ripe Program)とは、生化学研究所で生産されたエフェメロルをコンセック社でコンピュータ管理し、産婦人科医院に提供、秘密裏に妊婦に投与することでスキャナーを地下で増殖させる計画である。エフェメロルが発売された1946年以降相当数のスキャナーが誕生しているが、それ以前の実験段階で生まれたレボックとベイルは他のスキャナーを圧倒する力量の持ち主として描かれている。
影響

先述の通り、クローネンバーグの出世作となり、後には他の監督によってシリーズ化された。

劇中の殴る蹴る等の物理的攻撃なしに、超能力によって肉体が破壊されていくバトル、特にレボックがスキャンによって、相手の頭部を血しぶきを飛び散らせながら内側から破裂させるという、残虐かつ斬新なシーンは多方面に衝撃を与え、日本での本作公開後に『AKIRA』や『北斗の拳』などの作品で、同様の表現が描かれている。

なお、担当した特殊メイクアップ・アーティストのクリス・ウェイラスは、本作の5ヶ月後に公開された『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』でも破壊される頭部を手がけている(こちらは3種類)。このウェイラスと無関係であるが、やはり同年公開のピーター・ハイアムズ監督『アウトランド』でも頭部(あるいは人体の)破裂シーンがある。

ソウ2』『ソウ3』『ソウ4』等で知られるダーレン・リン・バウズマン監督によって、本作のリメイク作品が2007年に制作され、2008年末に公開予定であったが、翌2009年にずれ込んでいる[1]。以降作品に関する続報はなかったが、2013年のインタビューでバウズマンは「クローネンバーグの承諾がなければ制作できないが、(彼からの承認は)得られなかった」旨の発言を行なっており、事実上制作中止になったものと思われる。
スタッフ

監督、脚本:
デヴィッド・クローネンバーグ

製作総指揮:ピエール・デヴィッド、ヴィクター・ソルニッキ

製作:クロード・エロー

撮影:マーク・アーウィン

特撮:ゲイリー・ゼラー

特殊メイク:ディック・スミス

音楽:ハワード・ショア

キャスト

役名俳優日本語吹替
日本テレビ
キャメロン・ベイルスティーヴン・ラック(英語版)小川真司
キム・オブレストジェニファー・オニール鈴木弘子
ダリル・レボックマイケル・アイアンサイド内海賢二
ポール・ルース博士パトリック・マクグーハン永井一郎
ブレードン・ケラーローレンス・デイン(英語版)家弓家正
ベンジャミン・ピアースロバート・シルヴァーマン(英語版)屋良有作
その他峰恵研
岡部政明
沢木郁也
石森達幸
伊井篤史
村山明
大塚芳忠
石井敏郎
沢田敏子
秋元千賀子
佐藤正治

・日本テレビ版:初回放送1987年6月12日金曜ロードショー/ザ・ショック第2弾TV初登場「スキャナーズ」彼らは捕らえる 化けて、人間を破壊する』※TCエンタテインメントから2021年8月4日に発売された「2Kレストア 特別版」Blu-rayに収録[2]


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