スウェード
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またその直後、オアシスブラーなどによるブリットポップ・ムーブメントが勃発し、プレスの関心はそういった新人バンド群に集中したことから、スウェードはこの時期「終わったバンド」として見られるようになった。
起死回生のヒット作『カミング・アップ』

1996年1月、キーボードにサイモンの従兄弟であるニール・コドリングが加入。この5人編成でレコーディングされた3rdアルバム『カミング・アップ』は、これまでよりも「明るくポップになった」とも評され、先行シングル「トラッシュ」の大ヒットもあって全英1位を獲得。デビューアルバムの倍近いセールスを挙げ、スウェード最大のヒット作となった。またアルバムからは「ビューティフル・ワンズ」や「サタデイ・ナイト」など計5曲がシングルカットされ、その全てがトップテン入りした。

1997年にシングルのB面曲を集めた『サイ・ファイ・ララバイズ』を発表(全英9位)。この時ロンドンのみでB面曲のみのスペシャル・ライブもファンクラブで披露された。
商業的不振

1999年、4thアルバム『ヘッド・ミュージック』を発表。ダンス・ミュージックの要素を取り入れるなどの新たな試みが見られたが、前作の爆発的なヒットには及ばず、アルバムの内容も賛否両論となった。『ヘッド・ミュージック』収録時の問題は、以前からのブレットの薬物中毒が悪化したことにあり、後にこの頃の薬物漬けの日々を後悔しているとメンバーはコメントしている。

2000年には5枚目のアルバムのレコーディングセッションがスタートしたが、2001年にはキーボードのニールが慢性疲労症候群という難病によりバンドを脱退することが発表され、後任に元ストレンジラヴのアレックス・リーが加入。またプロデューサーのトニー・ホッファーとのレコーディングも全てボツにして、新たにスティーヴン・ストリートを起用してレコーディングを再開。このようにアルバム制作が長引くにつれて費用がかさんだことも一因となってか、彼らがデビューから所属していたヌード・レコーズが倒産してしまう。

結局バンドは新たにソニーと契約を結び、2002年に5thアルバム『ニュー・モーニング』を発表。アルバムはそれまでの耽美的な雰囲気は消えて、アコースティック主体で歌詞も前向きなものが増えた。この方向転換は従来のファンから猛烈な反発を受け、全英24位とセールス面でも大きく失敗した。
解散

2003年ベストアルバム『シングルズ』を発表。これに合わせて、同年9月にこれまで発表した5枚のアルバムをまるごと1枚演奏していく、というユニークな企画での5夜連続のコンサートを行った。『スウェード』と『ドッグ・マン・スター』の日が特に人気で、チケットには数十万円のプラチナ価格も付いたと言われている。

同年11月、バンドの公式サイトを通じて「当分の間、スウェードの名の下においていかなるプロジェクトも行われることはないだろう」と、活動停止を発表した。同年12月、スウェード最後のライブでブレットは、1stアルバム収録曲をもじって「来世で会おう(See you in the next life)」と言い残して、スウェードの歴史はいったんここで幕を下ろした。
解散後の活動

スウェード活動休止すぐに、ボーカルのブレット・アンダーソンは、断絶状態といわれていたバーナード・バトラーとの復縁が伝えられ、2004年ザ・ティアーズを結成。2005年に1stアルバム『ヒア・カム・ザ・ティアーズ』を発表。その年の8月にはサマーソニックへの出演を果たしたが、アルバムの商業的不振により同年秋にはレーベルから解雇され、予定されていたツアーは全て中止。そしてブレットの自身のソロ活動を追求したいという意向により、ティアーズはスウェードと同じく活動休止となっている。ザ・ティアーズのライブ(2005年

2007年、ブレットが初のソロアルバム『ブレット・アンダーソン』を発表(全英54位)。2008年には自主レーベルから『ウィルダネス』(全英161位)、2009年には『スロー・アタック』(全英174位)と、一年に一枚のハイペースでソロアルバムを発表したが商業的成功には恵まれなかった。
再結成

ブレットは2007年のインタビューで「バンドの再結成ってのは、かなり哀れだと俺は思うよ。ちょっと絶望的っていうかさ。でも、この台詞に俺自身がしっぺ返しをくらう可能性もあるかもね」[2]と、スウェードやザ・ティアーズの再結成を完全には否定しない発言をする一方で、今後しばらくはソロ活動を続けていく意思も表明していた。

しかし2010年には、チャリティ・コンサートのために『カミング・アップ』期のメンバーで一夜限りの再結成ライヴを行うことを発表。ちなみに、この再結成ライヴにはバーナードは誘われなかったため参加しなかった。それにもかかわらず、ライヴは成功し大好評となったことから、「一夜限り」というのはなかったことにされ、ヨーロッパの各フェスティバルや2万人収容のO2アリーナでライヴを行った。ブレットによると、2011年以降も活動は継続されるであろうとのことである[3]

2013年、約10年半ぶりにアルバム、『ブラッドスポーツ』を発表した。
ディスコグラフィー

*日付は英国での発売日を示す。「英」とはイギリスの "UK Albums(Singles) Chart" の、「米」はアメリカの "Top Heatseekers" 、「日」は日本のオリコンにおけるチャートの最高位を示す。
オリジナル・アルバム

年アルバム英米日ゴールド等認定(UK)
11993スウェード Suede


発売日:1993年3月29日

レーベル:Nude
11428ゴールド


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