スウィーニー・トッド_フリート街の悪魔の理髪師
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バートンはロンドンで撮影することを選んだが、ロンドンは1989年の『バットマン』撮影以来「とても気楽な場所」だと(英: "very much at home")感じていたという[4]。美術を担当したダンテ・フェレッティは、フリート街や周辺地域の外見を改造して(フェレッティは実際のフリート街を採寸してセットを作った[7])、より暗く不吉なイメージのロンドンを創り上げた。バートンは当初グリーン・スクリーンの前に小さなセットを作って撮影するつもりだったが、「グリーン・スクリーンの前で歌わせるのは余計支離滅裂だ」[注釈 9]と話し、物理的なセットの方がキャストがミュージカルの枠組みに入り込みやすいだろうと考えて中止している[13]。キャストたちは吹替無しで予め曲を収録してから撮影に臨み、映像はこの音楽を流しつつリップシンクさせる形で撮影された[8][11][注釈 10]

デップは、自身でトッドのイメージを創り上げて撮影に臨んだ。目元には濃い紫色茶色のメイクアップが施されたが、これはトッドの疲労と憤怒を表し、「彼は眠らない」と感じさせるためだったという[36]。ラヴェットにも同じようなメイクがされたが、バートン曰く無声映画時代のスターをイメージしたものだった[8][11]。バートンはスウィーニー・トッドというキャラクターについて、次のように語っている。「我々はいつも、彼を悲惨な極悪人とか何かではなく、ひとりの悲しい人物として見ている。皆さんが彼に出会う時には、根本的にはもう死んだ人間になっていて、彼を突き動かしているのは、心に秘めたたったひとつの痛ましい出来事でしかない。誰も彼の周りで起きたことを見ることはできないんだ」[注釈 11] ? ティム・バートン、[37]

デップもトッドというキャラクターについて、「シド・ヴィシャスだって彼に比べれば純情な新聞配達の少年みたいなものだよ。彼は闇を超えた存在だ。彼は既に死んでいる。死んでから何年も経っているんだ」と述べている[38]。デップはまた、トッドの髪に入れられた一筋の白髪について次のように語った。「島流しにされてからこの忌まわしい痛手を負っていたという考えは、秘密にされていた。あの一筋の白髪は、憤怒のなせる衝撃だよ[注釈 12]。それまでに起きたことへの、彼の激怒を表しているんだ。確かに初めての表現ではないけれど、それでも効果的だ。あれだけで物語を語ってしまう。僕の兄には大きくなる白髪のかたまりがあったし、彼の息子の髪にも白髪のかたまりみたいなものがあるよ」[注釈 13] ? ジョニー・デップ、[36]

バートンは映画が血生臭いものだと力説し、殺戮を繰り返す舞台版からその力を盗み取ったように感じると述べた。彼は「スウィーニーの全てはとても内面的なもので、[噴き出す血]は彼の感情の現れのようだ。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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