彩度が抑えられたセットを利用したため[7]、オレンジ色に変えられた血糊が用いられ、撮影クルーは色が付いてしまうのを避けるためゴミ袋で作ったライナーを着用して撮影に臨んだ[41][42]。また、シーンを劇的にするため、1シーンに対し人間の総血液量[注釈 15]を超える量の血糊が使われた[42]。彩度を抑えたセットは、1930年代から1940年代のハリウッド映画の雰囲気を要求したバートンの依頼に応え、1931年の映画『フランケンシュタイン』を参考にして作られた[8][7]。また衣装は全て手縫いであり、ラヴェットのドレスの中には、わざわざヴィクトリア朝のカーテン布を探し出して作られたものも存在する[8][7]。ラヴェットの妄想を歌い上げる曲 "By The Sea" でトッドが着ているボーダー柄の水着は、没寸前だったものが撮影現場で好評となり採用された[7]。
作品の死の舞踏を思わせるトーンは、いくつかのスタジオを尻込みさせるほどのものだったが、最終的にはワーナー・ブラザース、ドリームワークス、パラマウント映画が映画の予算をカバーできる5000万ドルの契約書にサインした[注釈 16][4]。バートンは、「スタジオは内容に冷淡で、作品がどんなものか分かった上で受け入れた。どんな映画も冒険だが、ミュージカルやスラッシャー映画(英語版)の枠組みにはまらないものを作ることができるのは素晴らしいことだ」と話した[44]。
撮影後、バートンはキャストに対し次のような讃辞を述べた。「自分が言えるのは、今まで一緒に働いた内で最良のキャストのひとつが今回のメンバーだということだ。みんなプロの歌手ではないが、考えるに最も難しいミュージカルのひとつだろうこの作品を演じるために、全員が尽力してくれた。このセットで撮った毎日が、自分にとってとても、とても素晴らしい出来事だったよ。みんなが歌っているのを聴いて、もう1度こんな体験ができるか分からないなと感じている」[注釈 17] ? ティム・バートン、[10]
また作中の歌については、次のように述べている。「ただリップ・シンクするだけではなく、のどや息づかい、情熱的に演じられる全てのテイクを観てほしい。