スイス
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スイスは「協同組合の国」であり、2018年には協同組合の大手10社だけでGDPの11%以上を占めた[22]。ほとんどのスイス人が協同組合で食料品を購入し、多くが組合銀行に口座を持つ。スイスの2大小売企業ミグロ、コープはいずれも協同組合である。
農家

リャマアルパカを飼育する農家が乳や毛の生産に使うためスイス国内で増えている[23]
エネルギー詳細は「スイスのエネルギー(英語版)」を参照

スイスにおけるエネルギー部門は、その構造と重要性から先進国の典型として現在も世界各国の手本にされている。

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電力

チューリッヒに本部を置くABBグループが世界規模で事業展開しており、同社が1988年に吸収したスウェーデン企業のASEAは地中海を取り巻くスーパーグリッドの敷設に参画している。
鉱業

スイスの鉱業は、岩塩の採掘のみに頼っている。浅海の堆積物と海水が褶曲、もしくは押しかぶせ断層によって地層中に閉じ込められたことに由来し、採掘量は2002年時点で30万トンである。ただし、岩塩精製ではカリウムが副産物として得られる(ドイツ帝国#経済)。

グレンコアなど海外で採掘事業を行う企業もある。バーゼルのロッシュタワー
化学薬品

第一次世界大戦以来、ノバルティスの前身3社であるチバ・サンド・ガイギーがシンジケートを形成していた。1929年4月、この3社とIG・ファルベンインドゥストリーとフランスの染料組合Centrale des Matieres Colorantes は国際カルテルを組んだ。このカルテルは世界輸出の5分の4を掌握し、内輪で全染料売上げをスイス19.00%、ドイツ71.67%、フランス9.33%の比率で分配した[24]。1932年2月、ここへインペリアル・ケミカル・インダストリーズが参加して日米がアウトサイダーとなった。
銀行業

スイスには中世からの銀行業の歴史があり、多数の金融機関がある。UBSクレディ・スイスなど、日本に進出している銀行もある。

スイス銀行と言われる個人銀行(いわゆるプライベートバンク)は、顧客の情報の守秘義務に関して国際的に有名で、刑事事件が起こっても、原則として顧客の情報は外部に漏らさない。このことからマネーロンダリングの中継地として、しばしばスイス銀行の口座が使われることがある。この秘密主義の方針は、しばしば世界的な批判の的となっている。

経済協力開発機構は、スイスに対して資産の出所を確かめる義務を履行するよう勧告している。この他、独裁者や犯罪者の隠し財産として利用されることもあるため「独裁者の金庫番」「犯罪者の金庫番」と揶揄され、スイス人のあいだでもスイスの名誉を傷つけているという批判がある。有名なところでは、フィリピンマルコス元大統領や、コンゴモブツ元大統領、ハイチデュヴァリエ元大統領などは、国民の財産を強奪して私物化した資金をスイスの銀行に預けていることが分かっており、スイスの銀行は彼らの略奪行為について共犯性があるという指摘がある[25]

スイスリークス事件発覚後はスイス政府も、各国の警察および金融当局に対して柔軟な対応をしており、犯罪収益金の没収などの処置を行い当該国に一部返還する動きもある。ただし、法の制定などはまだ不十分である[25]
観光産業と代表的な観光地

観光産業はスイス経済にとって重要な分野のひとつであり、総就労人口の約4%が観光産業に従事している[26]。たとえば2015年、スイスの観光産業は3560万人の宿泊客を迎え入れ、その収益は174億フランに達し、国内総生産の約2.8%を占めた[26]。2015年、ヨーロッパからスイスへともっとも多くの宿泊客が来訪した国はドイツであり、約400万人であった[26]

スイスの主な観光地は、チューリヒ、山岳地域のグラウビュンデン州ベルン州ヴァリス州などである[26]

歴史をふりかえると、スイスは昔から観光客を魅了していた[26]。スイスはヨーロッパの交差点のような場所に位置し、18世紀と19世紀には文学作品の舞台やロマン派絵画の題材となり、世界の人々がスイスの山の世界に熱狂し、そのころに、イギリスの旅行代理店トーマス・クックが初のスイスツアーを企画した[26]

第二次世界大戦後にはウィンタースポーツがさかんになり、スイスでもウィンタースポーツが楽しめる保養地として人気を集めた[26]

最近ではスイス政府観光局などスイスの観光関連組織は、インド・ロシア・中国などといった新興国からの観光客を迎えるために努力している[26]
代表的な観光地


ツェルマット - マッターホルンモンテ・ローザの登山拠点。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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