ジンバブエ
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2007年8月23日、ジンバブエ政府が国内の外資系企業に対して株式の過半数を「ジンバブエの黒人」に譲渡するよう義務付ける法案を国会に提出、9月26日に通過した[30]
通貨

2024年4月8日よりジンバブエ・ゴールド(ZiG)が法定通貨と定められているが、4月30日までは紙幣は発行されない。国内の取引にはもっぱら米ドルが使用されており、自国通貨の支払いを拒否する店舗もある。硬貨は慢性的に不足しており、釣り銭の代わりにお菓子が渡されることもあるという[31]

初代通貨のジンバブエ・ドル2000年代に発生したハイパーインフレーションにより価値を失い、2015年に廃止が決定された。代わって米ドル、ユーロ英ポンド南ア・ランドボツワナ・プラ人民元インド・ルピー豪ドル日本円の9つの外国通貨が法定通貨として順次定められた(複数基軸通貨制(別名:複数通貨制)または通貨バスケット制を導入)[32][33]。中でも主にアメリカ合衆国ドルが利用されており、南アフリカランドはかろうじて大きなスーパーマーケットやジンバブエ南部では使えるところもあるが、ほとんど使われていない。2016年11月からアメリカ合衆国ドルと同等価値の新通貨として「ジンバブエ債券(英語版)(ボンドノート)」の発行を開始した[34]。また1ドル以下の硬貨に関しては、2015年秋ごろから、政府発行のボンドコイン(Bond coin、en:Zimbabwean bond coins)が流通し始め、それまでの南アフリカランドが使えなくなった。

2019年2月に暫定通貨としてRTGSドル即時グロス決済ドル)が導入され、6月24日に中央銀行はこれを唯一の法定通貨と定め、外貨を法貨として使用することを禁止した[35]。しかし、RTGSドルもまた大規模なインフレーションが発生しており、紙幣不足のため、2020年3月から再びアメリカ合衆国ドルの暫定的な使用が認められている[36]。外貨が利用できる期限は2025年と定められていたが、経済の不安定化を理由に2030年まで延長されている[37]

このほかにインフレを抑制するため、一般向けに2022年に導入された金貨モシ・オア・トゥーニャ(英語版)[38]、P2PおよびP2B向けに2023年に導入されたデジタル通貨がある。これらは国内の金を裏付けにしている[39]。2024年4月6日には金本位制の新たな法定通貨としてジンバブエ・ゴールドが発表され[4][5]、RTGSドルに代わって4月8日より導入された[31]
ジンバブエ・ドル詳細は「ジンバブエ・ドル」を参照2009年に発行された100兆ジンバブエドル札

通貨ジンバブエ・ドル (ZWD) は、アメリカの評論誌『Foreign Policy』によれば、2007年調査時点で世界で最も価値の低い通貨ワースト5の一つとなり[40]2008年5月に1億と2億5000万の額面のジンバブエ・ドル札が発行された後も、50億、250億、500億ドル札の発行と続き、7月には1000億ドル札の発行が行われた(これは発行時の時点で世界最高額面の紙幣)。そのため、コンピュータの処理にトラブルが発生したことから、中央銀行はデノミネーションを実施し、大幅な通貨単位の引き下げを実施した。それにより1000億ドルが10ドルとなり、対応した新紙幣が発行された。しかし、さらにインフレが続いたため、12月末には100億ドル新紙幣を、2009年1月には再び200億ドル紙幣と500億ドル紙幣の発行を行った。この時点でジンバブエ・ドルの価値は、250億(25000000000)ジンバブエ・ドル=1米ドルとなった。年間インフレ率は約2億3000万%に達した(2009年1月)。
法定通貨として使用された外貨

米ドル

南アフリカランド

ユーロ

英ポンド

ボツワナ・プラ

人民元

インド・ルピー

豪ドル

日本円

2009年1月29日、ジンバブエ政府は完全に信用を失ったジンバブエ・ドルに代えてアメリカ合衆国ドルや南アフリカランド、ユーロ、英ポンド、ボツワナ・プラの国内流通を公式に認め、公務員の給与も米ドルで支払うことにし、この5通貨を法定通貨とした。これにより同国のハイパーインフレは終息を見せ、ジンバブエ政府によれば同年3月の物価は同1月比0.8%減となった[41]。その結果、極度の経済混乱は収束し、12年ぶりに経済成長を記録した[42]。2012年現在は、都市部では経済の復興の傾向がみられはじめている[43]2013年1月29日、ジンバブエ政府は、前週の公務員への給与支払いにともない、国庫金の残高が217ドルになったことを明らかにした[44]。同時に、年内に予定されている憲法改正をめぐる国民投票と総選挙のための資金が不足していることを認め、国際社会の支援を要請した[45]

2014年2月、ジンバブエ政府は法定通貨として、さらに中国人民元、インド・ルピー、豪ドル、日本円を加え、9通貨を法定通貨とした[42]。ジンバブエ政府では複数基軸通貨制(別名:複数通貨制)または通貨バスケット制を導入した。

2014年12月、ジンバブエ準備銀行は、ボンドコインと呼ばれる硬貨を発行した(鋳造は南アフリカ国内)。ボンドは債券に裏付けされていることを意味し、公債コインと訳されることがある。価値は、アメリカ合衆国の通貨、セントと同等の価値を有するものと位置づけられているが、過去のジンバブエ・ドルの経緯から流通は停滞している[46]

2015年6月、ジンバブエ中央銀行は、ジンバブエドルを廃止し米ドルに両替して回収すると発表した。両替レートは1ドル=3京5千兆ジンバブエドル。9月までに終わらせる[47]。2015年12月、9種の法定通貨のうち、中国人民元を2016年より本格的に流通させることを決めた[48]

2016年5月には、ボンドコイン(前出)に続き紙幣版のボンドノートも発行されたが市民から支持はされず、2019年にかけて価値は急落している[49][50]

2019年2月、ボンドノートと電子マネーがRTGSドルに改称された(RTGS=即時グロス決済)。6月24日、ジンバブエ中央銀行は一切の外貨を法定通貨として使用することを禁じた[51][52]
国民伝統的な衣装に身を包んだショナ人呪術医詳細は「ジンバブエの人口統計(英語版)」を参照
民族

ショナ人が71%、ンデベレ人(英語版)が16%、その他のアフリカ系(バントゥー系のen:Venda people、トンガ族シャンガーン人、en:Kalanga people、ソト族、en:Ndau people、en:Nambya)が11%、残りはヨーロッパ人やアジア人などである。
言語「ジンバブエの言語(英語版)」を参照

公用語英語だが、ショナ語北ンデベレ語などが主に使われる。

新たに公用語として16言語(チェワ語セナ語(バルウェ語(フランス語版、クロアチア語版)(Chibarwe))、英語、カランガ語(英語版)、チュワ語(英語版)(コイサン語)、ナンビャ語(英語版)、ンダウ語(英語版)、北ンデベレ語(ンデベレ語)、ツォンガ語シャンガーン語)、ショナ語、ジンバブエ手話(英語版)、ソト語トンガ語ツワナ語ヴェンダ語コサ語)が定められている。


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