主要な都市はハラレ(首都)、ブラワヨがある。
地理ジンバブエの地図ヴィクトリア滝詳細は「ジンバブエの地理(英語版)」を参照
ジンバブエはアフリカ南部に位置し、モザンビーク、南アフリカ、ボツワナ、ザンビアと国境を接する。内陸国である。座標は東経30度・南緯20度のあたり。
面積は390,580 km2、うち陸地面積が 386,670 km2、内水面面積が 3,910 km2を占める。面積は日本と比べると僅かに広い。気候は熱帯性であるが、高地のためやや温暖である。雨季は11月から3月にかけて続く。地形は高原が大部分を占める。東部は山岳地帯である。国内最低地点はルンデ川(英語版)とサビ川(英語版)の合流地点で標高162 m、最高地点はンヤンガニ山(英語版)(ショナ語: Gomo reNyangani、旧インヤンガニ山)で標高2,592 m。
北のザンビアとの国境にはザンベジ川が流れ、ヴィクトリア滝がある。南の南アフリカとの国境にはリンポポ川が流れる。
経済首都ハラレ主要作物の作付面積(左1999-2000年、右2007-8年、上からタバコ、大豆、トウモロコシ、いずれも激減)詳細は「ジンバブエの経済(英語版)」を参照
石炭、クロム鉱石、アスベスト、金、ニッケル、銅、鉄鉱石、バナジウム、リチウム、錫、プラチナを産し、農業・観光と共に重要な外貨獲得産業である。とくに白金は世界最大級の埋蔵量を誇り、2006年に発見されたダイアモンド鉱山も2014年に12百万カラットと世界有数の産出量がある。ビクトリア滝に代表される観光資源だが森林破壊による野生動物の減少が深刻化している。
IMFの統計によると、2013年のジンバブエのGDPは132億ドルである。一人当たりのGDPは1,007ドルであり、隣接する南アフリカ共和国やボツワナと比べると大幅に低い水準にある。
かつては農業、鉱業、工業のバランスの取れた経済を有する国家であった。白人大規模農家による非常に効率的な農業が行われており、外貨収入の半数を農産物の輸出で得ている農業国として、ヨーロッパから「アフリカの穀物庫」と呼ばれていたほどであった[8]。特に小麦の生産性は高く、10アールあたりの単位収量は1980年代から1990年代にかけては550kgから600kgにものぼり、ヨーロッパ諸国と肩を並べ世界最高水準に達していた[28]。
白人農家に対する強制土地収用政策の開始後、ノウハウを持つ白人農家の消滅、大規模商業農業システムの崩壊[8]により、農作物の収量は激減した。基幹産業の農業の崩壊によって生じた外貨不足は、さらに部品を輸入で調達していた工業にも打撃を与え、経済は極度に悪化した[8]。2002年には経済成長率は-12.1%を記録した。旱魃により食糧不足が深刻化し、加えて欧米各国による経済制裁が影響し、2003年末には600%のインフレが発生。2006年4月には1,000%以上に達した[29]。
2007年8月23日、ジンバブエ政府が国内の外資系企業に対して株式の過半数を「ジンバブエの黒人」に譲渡するよう義務付ける法案を国会に提出、9月26日に通過した[30]。 2024年4月8日よりジンバブエ・ゴールド(ZiG)が法定通貨と定められているが、4月30日までは紙幣は発行されない。国内の取引にはもっぱら米ドルが使用されており、自国通貨の支払いを拒否する店舗もある。硬貨は慢性的に不足しており、釣り銭の代わりにお菓子が渡されることもあるという[31]。 初代通貨のジンバブエ・ドルは2000年代に発生したハイパーインフレーションにより価値を失い、2015年に廃止が決定された。代わって米ドル、ユーロ、英ポンド、南ア・ランド、ボツワナ・プラ、人民元、インド・ルピー、豪ドル、日本円の9つの外国通貨が法定通貨として順次定められた(複数基軸通貨制
通貨
2019年2月に暫定通貨としてRTGSドル(即時グロス決済ドル)が導入され、6月24日に中央銀行はこれを唯一の法定通貨と定め、外貨を法貨として使用することを禁止した[35]。しかし、RTGSドルもまた大規模なインフレーションが発生しており、紙幣不足のため、2020年3月から再びアメリカ合衆国ドルの暫定的な使用が認められている[36]。外貨が利用できる期限は2025年と定められていたが、経済の不安定化を理由に2030年まで延長されている[37]。