ジョーゼフ・L・マンキーウィッツ
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しかし、1963年の大作『クレオパトラ』では、主演のエリザベス・テイラーが病気で倒れたり、配役も何度も変更になるなど撮影中に次々とアクシデントが起きて撮影が一向に進まず、マンキーウィッツの理解者であったザナックも投入した資金を早く回収しなければならず、結局、無理やり1本にまとめて公開されるも、製作会社の20世紀FOXが倒産の危機に瀕する程の大赤字となり、ハリウッド史上空前の失敗作となった。

『クレオパトラ』の失敗以来、撮影所の重役たちからは敬遠され、仕事の依頼は激減。マンキーウィッツ唯一のオリジナル脚本による1966年の『三人の女性への招待状』が監督と脚本の両方を手掛けた最後の作品となる。

1970年にはコメディ西部劇『大脱獄』を演出した後、1972年ローレンス・オリヴィエマイケル・ケインを主演に迎えた『探偵スルース』を発表。往年の演出と主演二人の演技により、本作は高く評価され、アカデミー監督賞に再びノミネート。復活を印象付けた。しかし、結局、本作が遺作となり、以降は映画製作に携わることはなく、1993年に心不全で死亡。

兄のハーマン・J・マンキーウィッツ(1897 - 1953)は映画製作者・脚本家。息子のクリストファー・マンキーウィッツは(1940 - )『ダイヤルM』などを製作。もう1人の息子トム・マンキーウィッツ(1942 - 2010)は脚本家・映画監督・映画プロデューサーで007シリーズの脚本家として知られる。
作品

en:Category:Films directed by Joseph L. Mankiewicz (英語)
脚本

不思議の国のアリス Alice in Wonderland (1933) - ノーマン・Z・マクロード監督、共同脚本

男の世界 Manhattan Melodrama (1934) - W・S・ヴァン・ダイク監督

麦秋 Our Daily Bread (1934)- キング・ヴィダー監督

映画製作

激怒 Fury (1936) - フリッツ・ラング監督

フィラデルフィア物語 The Philadelphia Story (1940) - ジョージ・キューカー監督

女性No.1 Woman of the Year (1942) - ジョージ・スティーヴンス監督

王国の鍵 The Keys of the Kingdom (1945) - ジョン・M・スタール監督

監督作品

呪われた城 Dragonwyck (1946)

記憶の代償 Somewhere in the Night (1946)

幽霊と未亡人 The Ghost and Mrs. Muir (1947)

ボストン物語 The Late George Apley (1947)

他人の家 House of Strangers (1949)

三人の妻への手紙 A Letter to Three Wives (1949)

復讐鬼 No Way Out (1950)

イヴの総て All About Eve(1950)

うわさの名医 People Will Talk (1951)

五本の指 5 Fingers (1952)

ジュリアス・シーザー Julius Caesar (1953)

裸足の伯爵夫人 The Barefoot Contessa(1954)

野郎どもと女たち Guys and Dolls (1955)

静かなアメリカ人 The Quiet American (1958)

去年の夏 突然に Suddenly, Last Summer (1959)

クレオパトラ Cleopatra(1963)

三人の女性への招待状 The Honey Pot (1966)

大脱獄 There Was a Crooked Man... (1970)

探偵スルース Sleuth(1972)

受賞歴

賞年部門作品結果参照
アカデミー賞1931脚色賞スキピイノミネート[2]
1940作品賞フィラデルフィア物語ノミネート[3]
1949監督賞三人の妻への手紙受賞[4]
脚色賞受賞
1950監督賞イヴの総て受賞[5]
脚色賞受賞
脚本賞復讐鬼ノミネート
1952監督賞五本の指ノミネート[6]
1954脚本賞裸足の伯爵夫人ノミネート[7]


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