ジョーズ
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なお、ゴットリーブはミリアスの功績を軽視し、ショウが一番の功労者であったと称賛している[33][34]
キャスティング

ザナックとブラウンの要望に応じてキャスティングすることとなったスピルバーグだが[24]、大物俳優の起用だけは避けようとしていた。スピルバーグは「やや無名の」俳優を起用することで観客に物語を身近な出来事だと認識させる狙いがあり、逆にもし大物俳優を起用すれば、その代表作のイメージもつきまとい物語を破綻させる恐れがあると懸念したためであった[29]。スピルバーグの狙いとしては「スーパースターはサメになる」というものだった[22]。最初にキャスティングされたのは、エレン・ブロディ役のロレイン・ゲイリー[注釈 3][24]と市長役のマーレイ・ハミルトンであった[35]スタントウーマンから女優に転身したスーザン・バックリニーは、泳げて裸になることも厭わなかったことで最初の犠牲者であるクリッシーにキャスティングされた[22]。その他、ほとんどの端役は撮影が行われたマーサズ・ヴィニヤード島の住民たちをエキストラして雇ったものであった。ヘンドリックス保安官代理を演じたジェフリー・クレイマー(英語版)もその一人である[36]。また、2番目の犠牲者となった少年の母親であるキントナー夫人を演じたのも、島の演劇講師であったリー・フィエロだった[37]

主人公ブロディ役には当初ロバート・デュヴァルがオファーされたが、彼はクイント役にしか興味を示さなかった[38]チャールトン・ヘストンはブロディ役に興味を示したが、スピルバーグはヘストンだと威厳がありすぎると感じ[39]、最終的にロイ・シャイダーに決まった。シャイダーになった経緯についてスピルバーグは後年、友人宅のパーティで「ソファーへ座りコカ・コーラ片手に」難航するキャスティングで頭を悩ませていたところ、特別面識は無かったシャイダーに声をかけられその悩みを明かしたところ、シャイダーが「自分では駄目か?」と聞いてきたといい、オファーをすると台本も見ずにその場でOKを出してくれた、と語っている[32]。メイキングドキュメンタリーによれば、パーティでスピルバーグが脚本家とサメがボートに飛び乗るシーンの話をしているのを聞いたシャイダーが本作に興味を持ったのがきっかけだったという[24]。こうしてブロディ役にはシャイダーが採用された一方、当初のスピルバーグは彼が『フレンチ・コネクション』で演じたような「タフガイ」となることを懸念していた[38]

制作開始9日前の時点では、クイントもフーパーもキャスティングはされていなかった[40]

クイント役については、リー・マーヴィンスターリング・ヘイドンにオファーが出されていたものの共に断られてしまう[24][38]。ザナックとブラウンは、この頃『スティング』においてロバート・ショウとの仕事を終えたばかりで、彼をスピルバーグに提案した[41]。ショウ自身は当初、脚本に難色を示しオファーを受けることに消極的であったが、妻で女優のメアリー・ユーア(英語版)と秘書の両方に促されたことで引き受けることにした。彼は「2人があんなに熱心だったのは『ロシアより愛をこめて』以来だったよ。そして彼女たちは正しかった」と回顧している[42]。またショウは役作りとして、地元の漁師ベン・ガードナーを演じ、ヴィニヤードの漁師かつ農園主で風変わりな人物であったクレイグ・キングスベリーを参考にした[43]。スピルバーグもまたキングスベリーを「私の頭の中にあるクイントの純粋な姿」と評し、彼の発言のいくつかが、ガードナーとクイントのセリフとして脚本に組み込まれることとなった[44]。海上でのクイントの台詞や拘りの一部は、ヴィニヤードの整備士でボート所有者でもあったリン・マーフィーの発言が用いられていた[45][46]

フーパー役に、当初スピルバーグはジョン・ヴォイトを望んでおり[41]ティモシー・ボトムズジョエル・グレイジェフ・ブリッジスも候補に挙がっていた[47]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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