ジョーカーは1940年に初登場して以来、多くの改訂を受けている。キャラクターの最も一般的な解釈は、彼がレッドフードを装っていてバットマンと刑事に追われている事である。ジョーカーは化学物質のタンクに落ち、緑の髪、赤い唇、白い皮膚に変わる。ジョーカーがレッドフードを装った理由は時間の経過とともに変化している[20]。
1940年の"Batman #1"では、ジョーカーは市長のヘンリー・クラリッジ含む、ゴッサムの著名な市民の3人を殺すことを発表する。警察はクラリッジを保護しようとするが、ジョーカーは発表を行う前にクラリッジを毒殺していた。バットマンはジョーカーを倒して刑務所に送り、ジョーカーは気まぐれで残忍な犯罪を犯した事を告げた。
1951年のDetective Comics #168では、ジョーカーのオリジンを初めて紹介した。彼は外観が変化して、姿が似ているトランプの図から「ジョーカー」の名称を採用した[21]。
1952年に"The Joker's Millions"が発表された。この物語では、ゴッサムの市民はジョーカーが貧乏である事を自覚する事を恐れ、億万長者や有名人は彼の錯覚を維持するのに取りつかれており、彼は騙され続けて貧乏のままだった。
1970年代にサイコパスなどのキャラクターが再定義された。"The Laughing Fish"では化学物質で官僚を殺し、ゴッサムの魚に彼の顔を追加する。
1988年の『バットマン: キリングジョーク』(Batman: The Killing Joke)では、ジョーカーの1951年の物語を再構築した。彼は売れないコメディアンであり、妊娠中の妻を支えるためにレッドフードとして強盗を行った。バットマンに追いつめられて化学薬品のタンクに飛び込み、白い肌、赤い唇、緑の髪、裂けて常に笑みを湛えた口に変化する。妻と胎児の不慮の死と外見の変化から正気を失い、彼はジョーカーに変貌する[22]。ジョーカーはどんな人間でも正気を失う事を証明するために、ジェームズ・ゴードンを拷問する。そして、彼の娘であるバーバラ・ゴードンを銃で撃ち半身麻痺を引き起こす。バットマンがゴードンを救助してジョーカーを倒した後、バットマンはジョーカーとの敵対関係を終わらせてリハビリを提案する。ジョーカーは拒否したが、彼はバットマンと冗談を共有することによって感謝の意を示した。
1988年の"A Death in the Family"では、ジョーカーはバールでジェイソン・トッドを打ちのめし、爆発で殺した。トッドの死はバットマンに初めてジョーカーを殺す事を考えさせる。
1999年の"No Man's Land"では、ジョーカーの恋人ハーレイ・クインを初めて導入した。
2005年の"Under the Hood"では、復活したジェイソン・トッドはジョーカーを殺すことで死の仇を討つ事をバットマンに強制する。バットマンは彼がジョーカーを殺す事を自分に許可している場合、他の犯罪者を殺すことを止めることができなくなると主張して拒否する。
2011年の"New 52"では、ジョーカーは顔の皮を剥いでいる。"Death of the Family"でバットマン・ファミリーに対して攻撃を行い、ジョーカーは崖から暗い深淵に落ちた。
ジョーカーの本名は、2022年にDCコミックスによって初めて明らかにされた[23]。ジェフ・ジョーンズらによる2022年9月発売の「Flashpoint Beyond
#5(The Clockwork Killer: Chapter Five: The Joke's on Me)」の中で、Psycho-Pirateによる情報として、「ジャック・オズワルド・ホワイト」(Jack Oswald White)がジョーカーの本名だと述べられている[23]。ただし過去の様々な作品のなかで様々な「本名」が取り沙汰されている[23]。たとえば1989年公開の映画『バットマン』や2017年発売のコミック「Batman: White Knight」の作中では「ジャック・ネイピア」(Jack Napier)[23]、2019年公開の映画『ジョーカー』の中では「アーサー・フレック」(Arthur Fleck)[23]、などとなっている[23]。ジョーカーのオリジンで決定的なものは確立されていない。ジョーカーのオリジンについての話は、"Detective Comics #168"(1951年2月)にキャラクターが初登場してから約10年後に登場した。ここでは、彼の雇用主の指示で百万ドルを盗んだレッドフード(赤い仮面にタキシードマスクを被った犯罪者)だった。彼はバットマンから逃げる途中に化学薬品の溶液に落ち、白い肌、赤い唇、緑の髪、裂けて常に笑みを湛えた口となった。この物語は、ほとんどの場合に引用される基礎となった。
『バットマン: キリングジョーク』では、妊娠した妻を抱える売れないコメディアンだった。