ジョーカー+(バットマン)
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たとえば1989年公開の映画『バットマン』や2017年発売のコミック「Batman: White Knight」の作中では「ジャック・ネイピア」(Jack Napier)[23]、2019年公開の映画『ジョーカー』の中では「アーサー・フレック」(Arthur Fleck)[23]、などとなっている[23]
オリジン

ジョーカーのオリジンで決定的なものは確立されていない。ジョーカーのオリジンについての話は、"Detective Comics #168"(1951年2月)にキャラクターが初登場してから約10年後に登場した。ここでは、彼の雇用主の指示で百万ドルを盗んだレッドフード(赤い仮面にタキシードマスクを被った犯罪者)だった。彼はバットマンから逃げる途中に化学薬品の溶液に落ち、白い肌、赤い唇、緑の髪、裂けて常に笑みを湛えた口となった。この物語は、ほとんどの場合に引用される基礎となった。

バットマン: キリングジョーク』では、妊娠した妻を抱える売れないコメディアンだった。生活費を稼ぐために、かつて自分が勤めていた化学薬品工場へのギャングの強盗に参加する。レッドフードとして道案内を務めさせられるが、警察に張り込まれていたため強盗は失敗する。バットマンに追い詰められ、逃げるために化学薬品の溶液の中に飛び込んだ。妻と胎児の不慮の死と真っ白な皮膚、緑の髪の毛、裂けて常に笑みを湛えた口に変化した事から正気を失いジョーカーとなる。ジョーカーは正気を保つバットマンやゴードン市警本部長に対して、嫉妬あるいは羨望の念を抱いている。このオリジンは多くの物語で引用された。

"Batman: The Man Who Laughs"では、バットマンはレッドフードが落下を生き残ってジョーカーになったと推論する。"Batman #450"で"Death of the Family"のイベントの後、ジョーカーは回復を助けるためにレッドフードになるが、経験から外傷を受けるとわかる。他の物語ではこのオリジンを拡大した"Batman: Gotham Knights"のプッシュバックでは、ジョーカーの妻はギャングのために働いており、腐敗した警官によって殺害されたことを説明した。

しかし、「ジョーカー自身記憶が混濁し、どの過去が正しいのか分からず、本人も分かろうとする気もない」と説明される過去の設定の曖昧さは、ライターがキャラクターのオリジンを自由に創作できることに繋がった。ポール・ディニとアレックス・ロス による"Case Study"では、幼少期から犯罪のスリルを味わい続けるサディスティックなギャングであるレッドフードとしてジョーカーを設定した。彼は自分の容姿を変えることになるバットマンと運命的に出会う。この作品でのジョーカーは正気であり、死刑を回避するために狂気を装っていることが示唆されている。"Batman Confidential #7-12"(ラバーズ&マッドメン)では、犯罪を全て成功させていたが故に退屈し、生き甲斐を失っていた天才的な犯罪者ジャックがジョーカーのオリジンとして設定された。ジャックはバットマンに犯罪計画を阻止されたことで、彼に夢中になり新しい生き甲斐を見つける。そして彼の注意を引き付けるために、ブルース・ウェイン(バットマン)の恋人ローナ・ショアを人質に取って重傷を負わせる。激怒したバットマンの投げたバットラングにより、顔に笑いのような傷をつけられる。ジャックはバットマンの雇ったギャングに拉致されて化学工場で暴行を受ける。揉みあっているうちにギャングの放った銃弾が化学薬品のタンクに命中して(抗精神病薬に使用される)化学物質の洪水を浴び、ジョーカーに変貌する。"The Brave and the Bold #31"でスーパーヒーローのアトムは、生きている自分の両親を焼くジョーカーを見ている。"Zero Year" (2013)では、レッドフードが襲ったギャングを操っていた犯罪の首謀者であったことを示唆している。
書誌情報

バットマン: キリングジョーク 完全版 (ISBN 978-4-7968-7065-8)
小学館集英社プロダクション刊。2010年1月20日発売[24]

バットマン:ラバーズ&マッドメン(ISBN 978-4-7968-7088-7
小学館集英社プロダクション刊。2011年3月23日発売。

ジョーカー (バットマン)(ISBN 978-4-7968-7087-0
小学館集英社プロダクション刊。2011年3月23日発売。

バットマン:笑う男(ISBN 978-4-7968-7128-0
小学館集英社プロダクション刊。2012年8月29日発売。

ジョーカー:喪われた絆
小学館集英社プロダクション刊。

上.(ISBN 978-4-7968-7505-9)2014年8月27日発売。

下.(ISBN 978-4-7968-7506-6)2014年9月26日発売。


ジョーカー アンソロジー (ISBN 978-4-7562-4782-7)
パイインターナショナル刊。2016年8月発売[25]

バットマン:マッドラブ 完全版 (ISBN 978-4-7968-7635-3)
小学館集英社プロダクション刊、2016年9月21日発売[26]

ワンオペJOKER
講談社刊。DCコミックス公認のバットマン育児コメディ漫画。
ISBN 978-4065236789)2021年6月23日発売[27]

ISBN 978-4065266649)2022年2月22日発売[28]

ISBN 978-4065317457)2023年4月21日発売[29]

映画
実写映画
バットマン (1989年)
ジャック・ニコルソンのジョーカーゴッサム・シティのマフィアの有力者であるカール・グリソムの右腕ジャック・ネイピア。劇中で登場する過去のジャックの写真から、逮捕歴や服役歴がある。グリソムの情婦を寝取ったことから罠に嵌められ、化学薬品工場で警官隊との銃撃戦になる。現れたバットマンに発砲した際、跳弾が顎に当たり、更にその弾みで薬品槽に落下。肌は漂白され、跳弾による傷で顔の筋肉が麻痺し、常にひきつった笑みを浮かべる自らの顔を見て狂気に陥り、ジョーカーを名乗る。ジャック・ニコルソンが演じている。ジョーカーが暗闇から現れる初登場シーンでメイクの白色が襟に付着してしまい、それを隠すために急遽紫色の墨を塗って撮影したが、今度はその墨が首元に付着したままになってしまった。
バットマン ビギンズ (2005年)
物語の終盤、貯水池に毒を入れると脅迫してくる犯罪者についてバットマンとゴードン警部が言及。その男の自称として「ジョーカー」の名前が登場した。この時にゴードン警部が出した証拠物件がトランプのジョーカー。このトランプのジョーカーについては、以後の『ダークナイトトリロジー』でも継続して登場する。これは『バットマン: イヤーワン』と同じ場面であり、クリストファー・ノーラン監督によれば、このシーンを撮影した時点では続編の予定はなく、単なるファンサービスに留まるものだったという。
ダークナイト (2008年)
指紋やDNAの情報がデータベースにない、顔にピエロのメイクを施した正体不明の謎の男。笑ったような口元はグラスゴースマイルであり、その由来を人に聞かせるが「酔っ払った父親に切り裂かれた」「借金の脅しで顔を傷付けられた妻を笑わせるために自ら切り裂いた」などその都度内容が変化しており定かではない。原典や過去作品のような薬品による変異ではなく、自分でピエロのメイクをしているという設定。演じたヒース・レジャーは役作りとして自分自身でのメイクにこだわっており、「ジョーカーならメイクした後に手を洗わないだろう」という理由から、手袋を外した指先には白粉が残ったままになっている。デントの前でレイチェルの名前を言い間違えるシーンや、牢獄で拍手をするシーンはヒース・レジャーのアドリブである。ジョーカーの衣装・メイクはパンクロックバンド セックス・ピストルズジョニー・ロットンをモチーフにされている。ヒース・レジャーは演じるにあたり『怪鳥人間バットマン』でジョーカーを演じたシーザー・ロメロの口調や喋り方を意識し、性格は『時計じかけのオレンジ』のアレックス(アレキサンダー・デ・ラージ)を参考に演じた。ヒース・レジャーが演じているが、彼は撮影後に急死。ヒースはアカデミー助演男優賞を受賞。死後受賞はピーター・フィンチ以来32年ぶり。かつてジョーカーを演じたジャック・ニコルソンは「ジョーカーが出演する続編については、一切話はこなかったよ。私はジョーカーをどう演じたらいいのか知っている。一言で言えば、今は物凄く怒っている」とコメントした。一方クライマックスで繰り広げられる高所でのバットマンとの対決や、転落して宙吊りになる場面などは、ジャック・ニコルソンによるジョーカーへのオマージュとなっている。
ダークナイト ライジング (2012年)
ヒース・レジャーによるジョーカーの続投が検討されていたが、彼の急逝によって実現しなかった。クリストファー・ノーラン監督はこれについて「僕らは(最新作で)ジョーカーのことは扱っていない。それは僕とヒースの関係、僕らが『ダークナイト』でした経験からそうすべきだと強く思ったからなんだ。現実に起きた悲劇のことをどうあっても説明したくはなかったんだ。それはふさわしくないことに思えたからね。だから僕らは、新しいキャラクターを生み出し、ジョーカー抜きでブルース・ウェインの物語を続けることにしたんだ」とコメントしている。


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